Brush Up! 権利の変動篇

正解・解説

連帯保証の基本問題4 昭和57年・問4


【正解】

× × ×

AがBに対して負う債務について,CはBとの間に連帯保証契約を締結した。この場合,特約がなかったとして,民法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。(昭和57年・問4)

1.「AがBに対して債権を有していても,Cはこの債権による相殺をもってBに対抗する

ことができない。」(昭和52,55)

【正解:×

◆連帯保証人は、主たる債務者の反対債権で相殺の援用ができる

     A (主たる債務者)
   /
      
   \
     C (連帯保証人) 

 主たる債務者が債権者に対して反対債権を有している場合、連帯保証人は、その反対債権について相殺を援用することができ、相殺適状であった債権の全額の債務を免れることができます。(457条1項)

2.「BがCに保証債務の履行を請求したときは,Cは,まずAに催告するよう請求する

ことができる。」

【正解:×

◆催告の抗弁権は,連帯保証人にはない

     A (主たる債務者)
   /
      
   \
     C (連帯保証人) 

 通常の保証債務では、債権者が保証人に債務の履行を請求したときに、「まず主たる債務者に催告せよ」と主張する催告の抗弁権がありますが、連帯保証人には認められていません。(454条)

3.「Cの保証債務は,Aが債務を履行しない場合にBに対して負う損害賠償にまでは

及ばない。」

【正解:×

◆連帯保証の範囲

 連帯保証人の保証の範囲は、主たる債務の元本のほか、債務に関する利息違約金損害賠償その他すべてその債務に従たるものを含む、とされています。(447条1項)

 したがって、本肢では、「損害賠償にまでは及ばない」としているため、×になります。

4.「Aに弁済の資力があり,かつ,執行が容易であることをCが証明しても,Bは,まず

Cの財産に対して執行することができる。」

【正解:

◆検索の抗弁権は,連帯保証人にはない

     A (主たる債務者)
   /
      
   \
     C (連帯保証人) 

 通常の保証債務では、保証人が債権者から強制執行を受けたときに、「主たる債務者には弁済の資力があり、容易に執行できる」ことを証明して、「主たる債務者の財産から執行せよ」と主張できる検索の抗弁権がありますが、連帯保証人には認められていません。(454条)


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