Brush Up! 権利の変動篇

保証債務 連帯保証 連帯債務 ― 多数当事者の債権債務関係

50問時代の全問題(単独問題)収録

⇒ 平成17年4月1日施行の民法改正により,
『保証契約は、書面※でしなければ、その効力を生じない』とされました。(446条2項)
※電磁的記録によってなされたときは書面によってなされたものとみなす。(446条3項)


●メッセージ
 多数当事者の債権関係(民法427条〜465条)とは、複数の人が債権者または債務者の一方または双方になっている場合をいいます。

 宅建の試験では、この中で主に、保証債務(446条〜465条)連帯債務(432条〜445条)という、債権担保制度として「人的担保」の機能を果たしているものが出題されます。(このほかには、分割債務(427条)が、平成2年問7肢1に出題。)

 出題されるパターン : 債権者−債務者●〜●(複数)

 多数当事者の債権関係では、通常の債権のように、債権者・債務者が一人ではないので、特別な取扱いをする必要があります。

・債権者は履行請求、債務者は弁済、をどのようにしたらよいのか。

・複数の債務者のうちの一人に生じた、債権の効力に影響を及ぼす事由(弁済、時効の中断と完成など) が生じたときに、ほかの債務者にどのよう影響を及ぼすのか。

・複数の債務者のうちの一人が弁済をしたときにほかの債務者に対してどのようにして、いくら求償できるのか。(債務の分担割合)

 これがどのようになっているのかを、きちんと整理しておきましょう。

このセクションは、学習時には"やりにくい"感じを与えますが、予備校などの自己採点集計では、正答率は意外に高く、7割前後になります。

■ 多数当事者の債権関係の基本問題

2003/04/17 履行請求に関する基本問題 (4問) 平成2年

■ 連帯債務

2004/04/13 連帯債務に関する基本問題 (4問) 昭和47年・一部改題

2001/06/05 連帯債務に関する問題1 (4問) 平成8年

2003/04/20 連帯債務に関する問題2 (4問) 昭和55年・問8

2003/04/20 連帯債務に関する問題3 (4問) 昭和59年

2003/04/20 連帯債務に関する問題4 (4問) 平成元年

2003/04/20 連帯債務に関する問題5 (4問) 平成3年

2003/04/20 連帯債務に関する問題6 (4問) 平成13年

■ 単純保証と連帯保証の基本問題

2004/03/01 保証に関する基本問題  (4問) 平成15年 保証と連帯保証 (昭和48年)

2004/03/01 単純保証に関する問題  (4問) 昭和41年

2004/03/01 単純保証に関する問題  (4問) 昭和45年

2004/03/07 連帯保証に関する問題  (4問) 昭和44年

2004/03/01 単純保証に関する問題  (4問) 基本問題

2004/03/01 単純保証に関する問題  (4問) 債権譲渡・法定代位の基本問題

■ 保証債務(単純保証)

2001/06/04 保証債務に関する問題1 (4問) 平成6年

2003/04/22 保証債務に関する問題2 (4問)  昭和58年

2003/04/22 保証債務に関する問題3 (4問)  昭和60年

2003/04/22 保証債務に関する問題4 (4問)  昭和63年

2003/04/22 保証債務に関する問題5 (4問)  昭和50年

■ 連帯保証

2004/05/09 連帯保証人の主張できるもの (4問) 昭和48年

2001/06/04 連帯保証に関する問題1 (4問)   平成5年

2001/06/05 連帯保証に関する問題2 (4問)   平成10年

2003/04/22 連帯保証に関する問題3 (4問)   平成7年

2001/06/05 連帯保証に関する複合問題 (4問) 平成6年 抵当権との複合問題・代位

2005/05/22 連帯保証と連帯債務の対比問題 (4問) 平成16年

2007/05/11 連帯保証と連帯債務の対比問題 (4問) 平成18年

2009/03/28 連帯保証と連帯債務の対比問題 (4問) 平成20年

●基本問題・重点対策・速読チェック 

2003/04/22 連帯保証に関する基本問題1 (4問) 昭和53年 1.3.4 速読

2003/04/22 連帯保証に関する基本問題2 (4問) 昭和55年・問9 1.3.4 速読

2003/04/22 連帯保証に関する基本問題3 (4問) 昭和52年 2.3.4 速読

2003/04/22 連帯保証に関する基本問題4 (4問) 昭和57年 1.3  速読

 保証債務について
お金を相手に貸す場合に、相手が返さないという事態に備える方法として、担保権を設定すること(物的担保)保証人を立てる方法(人的担保)とがあります。どちらも債権の確保のためのものですが、違いを押さえておく必要があります。

 物的担保特定財産から優先弁済を受けるのに対して、人的担保保証人の全ての財産を引き当てにするところに特色があります。

今回は、保証人に絞って説明します。

保証人…他人(主債務者)の債務の履行を保証する旨、債権者と契約した人です。(民法446条参照)

 つまり、保証契約(単純保証)とは、主たる債務者が債務を履行しない場合、代りにその債務を履行することを約束する保証人と債権者との間の契約のことです。(連帯保証では、債権者は、債務者・連帯保証人のどちらからでも自由に履行を請求できることに注意。)

 ⇒ 平成17年4月1日施行の民法改正により,『保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。電磁的記録でされた場合も書面でされたものとみなす。』となりました。

 保証人は、主債務者に頼まれてなることが多いので、主債務者との約束だと錯覚しがちですが、実際には主たる債務とは別の契約であることに注意しましょう。(←これが区別できないと学習を進めていく上で支障をきたすので、これだけはしっかり覚えて下さい!)

保証人の無限責任

 保証人の無限責任は、主債務者が破産した時のことを考えるとはっきりします。
仮に主債務者が破産申し立てをして、免責決定が出たらどうなるか?

破産者税金や罰金などの例外を除いて、支払う責任がなくなる

保証人…保証人の責任には何の影響もないので、なお保証債務を履行しなければならない。(無限責任)

似たようなものとして、物上保証人というのがあります。

物上保証人債務者のために担保を提供した第三者のことを言います。(民法369条参照)(債務者以外の第三者が自己所有の不動産に抵当権設定者となる場合など)

 債務者が債務を履行しない場合に、抵当権の実行などで責任をとるだけで、直接「自分の債務」を履行するわけではありません。(有限責任)

■ 出題歴

  19年 20年 21年
 連帯債務 ○6
 保証債務
 連帯保証 ○6
 総合問題

  6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
 連帯債務 ○4 ○4 ○6
 保証債務 ○9 ☆7
 連帯保証 ○5 ○3 ○4 ○7 ○6 ○7
 総合問題 ○6

  6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
 連帯債務 ○4 ○4 ○6
 保証債務 ○9 ☆7
 連帯保証 ○5 ○3 ○4 ○7 ○6 ○7
 総合問題 ○6

   57年 58年 59年 60年 61年 62年 63年 1年 2年 3年 4年 5年
 連帯債務 ○9 ○10 ○6
 保証債務 ○7 ○11 ○9
 連帯保証 ○4 ○4
 総合問題 ○7

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