Brush Up! 権利の変動篇

正解・解説

連帯債務に関する問題4 平成元年・問10


【正解】

× × ×

A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。この場合、民法の規定によれば、次の記述は○か、×か。(平成元年・問10)

1.「CがAに対して代金支払いの請求をしても、Cの代金債権の消滅時効は、Bに

ついては中断されない。」(昭和59年、3年)

【正解:×

◆債務者の1人に請求すると、他の債務者も消滅時効が中断

     A Cから履行請求→Bに履行請求したのと同じ効果
   /
                   
   \
     B         Bも消滅時効中断

 連帯債務者の1人Aに対する履行の請求は、他の連帯債務者Bに対しても効力を生じ、Bの債務の消滅時効が中断されます。(434条)

2.「売買契約を締結する際、Aに錯誤があって、AC間の売買契約が無効であった

としても、BC間の売買契約は、無効とはならない。」

【正解:

◆債務者の1人が無効になっても、ほかの債務者も無効にはならない

     A Aの錯誤により無効
   /
  
   \
     B 

 連帯債務は、債務者の数に応じた数個の独立した債務と考えられます。ABとも別個の契約をして連帯債務者になることも可能です。(通説)

 連帯債務では、債権者は、各連帯債務者の債務に別々の条件や期限をつけることもできるし、異なった利息をつけることもできます。

 したがって、連帯債務者の1人に、契約の無効または取消の原因があっても、他の連帯債務者の債務の効力が妨げられることはなく、影響はありません。

 このことは、一個の契約によりABが連帯債務を負担した場合でも変わりません。(433条)

3.「AがCに対して債務を承認すると、Cの代金債務の消滅時効は、Bについても

中断される。」(昭和59年、平成3年)

【正解:×

◆債務者の1人が承認しても、他の債務者には消滅時効が中断しない

     A 債務を承認 → ほかの債務者の消滅時効は中断しない。
   /
  
   \
     B 

 連帯債務者の1人AがCに対して債務の承認をして消滅時効が中断した(147条3号)としても、他の連帯債務者には効力を生じないのでBの債務の消滅時効を中断しません。(440条)

4.「Cが死亡し、Aがその相続人としてその代金債権を承継しても、Bの代金債務は、

消滅しない。」(昭和55年)

【正解:×

◆混同

     A Cを相続する混同により、債務は消滅Bの負担部分を求償できる
   /
  
   \
     B 

 債権と債務が同一人に帰したとき、その債権は消滅し、このことを混同と言います。(民法520条)

 連帯債務者の1人とその債権者との間に、混同が生じると、その債務者は債務を全額、弁済したものとみなされ、連帯債務は消滅します。(民法438条)

Cを相続したAは、債務の全額を1人で弁済したときに準じて、他の連帯債務者に対し、その負担部分に応じて償還を求めることができます。


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