Brush Up! 権利の変動篇
正解・解説
連帯債務に関する問題5 平成3年・問6
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | ○ | ○ |
A及びBは,Cの所有地を買い受ける契約をCと締結し,連帯して代金を支払う債務を負担している。この場合,民法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。(平成3年・問6) |
1.「Aの債務が時効により消滅したときは,Bは,Aの負担部分について支払いを免れる。」
(昭和59年)
【正解:○】 ◆時効の完成した債務者の負担部分を引いたものが連帯債務になる A 消滅時効完成 連帯債務者の1人Aのために消滅時効が完成したときは、他の債務者は、Aの負担部分だけ債務を免れます。(439条) ▼例えば、連帯債務が4,000万円のときに、Aについて消滅時効が完成した場合(AとBの負担割合は同じ1/2とします。) BはAの負担割合の2,000万円について時効の完成を援用することができます。 債権全額4,000万円からAの負担部分の2,000万円を減じた額2,000万円を負担することになります。 4,000万円−2,000万円=2,000万円 |
2.「CがAに対して期限の猶予をしたときは,Bの債務についても,期限が猶予される。」
【正解:×】 ◆期限の猶予は、ほかの債務者には効力を生じない A Cから期限の猶予 債権者が連帯債務者の1人Aに、期限の猶予をしても、他の連帯債務者Bには効力を生じません。(440条) |
3.「CがBに対して支払いを請求して,Cの代金債権の消滅時効が中断されたときは,
Aの債務についても,中断される。」(昭和59年、平成元年)
【正解:○】 ◆債務者の1人に請求すると、他の債務者も消滅時効が中断 B Cから履行請求→Aに履行請求したのと同じ効果 連帯債務者の1人Bに対する履行の請求は、他の連帯債務者Aに対しても効力を生じ、Aの債務の消滅時効も中断されます。(434条) |
4.「Aが債務を承認して,Cの代金債権の消滅時効が中断されたときでも,Bの債務
については,中断されない。」(昭和59年、平成元年)
【正解:○】 ◆債務者の1人が承認しても、他の債務者には消滅時効が中断しない A 債務を承認 → ほかの債務者の消滅時効は中断しない。 連帯債務者の1人AがCに対して債務の承認をして消滅時効が中断した(147条3号)としても、他の連帯債務者には効力を生じないのでBの債務の消滅時効を中断しません。(440条) |