Brush Up! 権利の変動篇
正解・解説
無効と取消の基本問題
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
× | × | ○ | ○ | × |
1.「取消すことのできる法律行為は,何人によっても取消しできる。」
【正解:×】 取消権のある者は,制限行為能力者か瑕疵(キズ)のある意思表示をした者(詐欺・強迫を受けて意思表示したもの,その代理人・承継人(相続人等)に限られています。(120条) |
2.「取消しできる行為は,取消したときより将来に向けて無効となるが,追認したときは、 |
【正解:×】 取消,または追認の効果は,原則として初めに遡ります。(121条,122条) 追認では,第三者の権利を害することができないという規定があります。 |
3.「取消すことのできる権利は、追認することのできるときより5年間、 |
【正解:○】 「追認することのできるとき」とは, 1)制限能力者が能力を回復したとき(または未成年者が成年者になったとき)のことであり, 2)詐欺・強迫の場合は,詐欺・強迫を脱した後(詐欺・強迫があったと気付いて)とされ, 取消権の行使期間をそれより5年と定めています。 また,「行為のときより」とは、 1)能力を回復しない制限行為能力者のままであったなら,行為のときから, 2)詐欺・強迫の行為があったときから を意味し,取消権の行使期間をそれより20年と定めています。(126条) |
4.「不法の条件を付した法律行為は、無効である。」
【正解:○】 不法条件をつけた法律行為は,条件のみが無効となるのではなく,「法律行為全体が無効」となります。(例:あの店を営業妨害してくれたら金を出す) 同じく不法行為をしないことを条件とする行為も無効となります。(132条) 参考までに,これらの条件によって既に支払ってしまったときは,返還の請求はできません(不法原因給付)。(708条) ≪参考≫公序良俗に反する法律行為も無効です。(90条) |
5.「停止条件付き法律行為は、条件成就のときよりその効力を停止し、解除条件付き
法律行為は、条件成就のときよりその効力が発生する。」
【正解:×】 「停止条件付き」とは,条件成就までは停止していることで,成就したらGO,(法律行為の効力発生) 「解除条件付き」とは,条件が成就したらSTOPです。(法律行為の効力の消滅) |
●条件付法律行為 |
◆停止条件付法律行為 ・・・条件が成就することにより法律行為の効力が発生する。 条件成就 条件成就までは停止していることで、成就したらGO!! (法律行為の効力発生) ◆解除条件付法律行為 ・・・条件が成就することにより現在効力のある法律行為が消滅する。 条件成就 条件が成就したらSTOP!! (法律行為の効力の消滅) 註 『〜ならば・・・する。』 ⇒ 停止条件か解除条件かの判断は,「〜ならば」を見るのではなく,「・・・する」で判断します。「・・・する」が「法律行為の効力が消滅すること」を意味している場合は解除条件になります。 |