Brush Up! 権利の変動篇

正解・解説

相隣関係・囲繞地 (いにょうち)通行権のアーカイブス1


【正解】

×

次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。(昭和62・問9)

1.「隣地の柿の木の枝が境界線を越えて自己の所有地に入ってきた場合は,その

柿の木の所有者にその枝を切らせることができる。」(平成11)

【正解:

 隣地の竹木の枝が境界線を越えて自己の所有地に入ってきた場合は,その竹木の所有者にその枝を切らせることができる。(民法233条1項) ←昭和62年出題

⇔対比

 隣地の竹木の根が境界線を越えて自己の所有地に伸びてきた場合は,その竹木の根をこちらで截取(せっしゅ)することができる。(民法233条2項)←平成11年出題

    → 竹木の所有者に切らせることができる

―――――――――――――――――――――――

    → 自分で切り取ることができる
   

2.「土地の分割により,新たに公路に通じない袋地を生じた場合,当該袋地の所有

者は,公路に出るため,他の分割者の所有地を通行することができるが,この場合

には償金を支払わなければならない。」(昭和42,平成11)

【正解:×

 一筆の土地が同時に分筆されて袋地が生じた場合は、当該袋地の所有者は、分割前に一筆の土地であった、他の分割者の所有地についてだけ、償金を支払うことなく、通行することができ、必要であれば通路を開設することができます(民法213条1項)

 本肢では、「償金を支払わなければならない」となっているので、×です。

3.「土地の所有者は,隣地との境界付近において建物を築造する場合には,必要な

範囲内で当該隣地の使用を請求することができる。」(昭和38,平成11)

【正解:

 土地の所有者は,隣地との境界または境界付近において,障壁や建築物を築造する場合には,必要な範囲内で当該隣地の使用を請求することができます。(民法209条)

4.「袋地の所有者は,公路に至るために囲繞地を通行する権利があるが,通行の場所

及び方法は,囲繞地 (いにょうち)にとって最も損害の少ないものとしなければならない。」
(昭和42,平成11)

【正解:

 袋地の所有者は,公路に至るために囲繞地を通行する権利がある(210条1項)が,

・通行の場所及び方法は,囲繞地にとって最も損害の少ないものとしなければならない。(211条1項)

・通行権を有する者は,通行地の損害に対して償金を支払うことが必要で,通路の開設のために生じた損害を除いて1年ごとに償金を支払うことができる。(212条)


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