Brush Up! 権利の変動篇

抵当権の基本確認番外 抵当権と登記の順位の問題

正解・解説


【正解】

×

 同一の不動産についてされた抵当権の登記に関する次の記述は、○か、×か。

1.「登記がされた数個の抵当権の順位は、それらの登記の順位番号による。」昭和58-16-2

【正解:

 登記した権利の順位は,登記記録中,同一区になされた登記の場合は順位番号により,甲区と乙区になされた登記の間ではその受付番号により決まりました(登記規則2条1項)

 抵当権は乙区のみに記載されるので,乙区の中での順位番号によって,順位が決まります。

2.「登記がされた抵当権の変更の付記登記の順位は、その抵当権の設定の登記の順位

による。」昭和58-16-4、類平成4-15-4

【正解:

 抵当権設定登記をした後で,その登記事項に変更があって,その変更した事項を付記登記したものが複数あるときには,これらの付記登記の順位は主登記(抵当権の設定登記)の順位によります。(不動産登記法・4条2項)

本問題は不動産登記法・4条2項の本文「付記登記の順位は主登記の順位による」をソノママ用いたもので,一つの主登記に複数の付記登記がある場合は「付記登記間の順位はその前後による」(不動産登記法・4条2項)ことになります。

この記載例では,伊達正宗・豊臣秀吉の抵当権登記の変更が付記登記でなされて
います。付記登記で記載されている登記の順位はそれぞれの主登記の順位によります。

   【乙   区】  (所有権以外の権利に関する事項)
【順位番号】 【登記の目的】 【受付年月日・受付番号】 【原因】 【権利者その他の事項】

付記1号

抵当権設定  ・・  ・・ 抵当権者 豊臣秀吉

債権額 5,000万円
     ---------

1番抵当権変更  ・・ 一部弁済  債権額 2,000万円 

付記1号

抵当権設定  ・・  ・・ 抵当権者 伊達正宗

債権額 4,000万円
     ---------

2番抵当権変更  ・・ 一部弁済 債権額 1,000万円

*下線のあるものは抹消事項であることを示す。

3.「仮登記がされた所有権移転請求権登記がされた抵当権の順位は、それらの

登記の順位番号による。」昭和58-16-1

【正解:×
所有権移転請求権の仮登記  甲区
抵当権の登記  乙区

 所有権移転請求権の仮登記は甲区に記載され,抵当権設定は乙区に記載されます。

 権利部の同一区になされた登記は順位番号によりますが,相当区が異なる場合は,その登記の優劣は順位番号ではなく受付番号で決まることになっていましたね(登記規則2条1項)

4.「抵当権の順位変更の登記を申請する場合には,申請情報と併せて,順位を変更する

各抵当権の登記名義人が抵当権の設定登記を受けた際の登記識別情報を提供しなけれ

ばならない。」H10-14-4

【正解:

◆順位変更の申請には各抵当権の登記名義人の登記識別情報が必要

 抵当権の順位変更の登記の申請には,順位を変更する各抵当権の登記名義人の登記識別情報を提供する必要があります。(不動産登記法22条,登記令8条1項6号)

抵当権の順位の変更とは,複数の抵当権者の間で,その順位を入れ替えて,抵当権設定登記での順位によらずに変更後の順位によって優先弁済を受けることができるようにするものです。(民法374条1項)

抵当権の順位変更の登記は常に主登記でなされます。(昭和46.10.4民甲3230号通達)

●関連問題
「抵当権の順位の変更の登記は乙区欄に記載されている。」昭和56-16-4
【正解:

5.「不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が登記されていると、これより先に

登記されていた抵当権に対しても優先される。」類・H3-7-3

【正解:

◆先に登記された抵当権に優先する先取特権

不動産保存の先取特権と不動産工事の先取特権が登記されていると、これより先に登記されていた抵当権に対しても優先されます。(民法339条)


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