Brush Up! 権利の変動篇
正解・解説
請負に関する問題5
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
請負契約における請負人の担保責任に関する次の記述は、民法の規定及び判例によれば、○か、×か。(平成元年・問8) |
1.「完成した目的物に瑕疵があり、請負人が修補義務を負う場合において、その
修補が可能なものであっても、注文者は、瑕疵の修補に代えて、直ちに損害賠償
の請求をすることができる。」
【正解:○】
『瑕疵の修補請求をしないで、損害賠償請求』、『瑕疵の修補請求+損害賠償請求』のどちらもできます。 ▼仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は請負人に対して相当の期限を定めてその瑕疵の修補請求をすることができます。(民法634条1項) ただし、その瑕疵が重要ではないのに過分の費用がかかるものには、瑕疵の修補請求をすることができません。この場合は、損害賠償の請求ができます。 |
2.「完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な瑕疵があるとき
は、注文者は、瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが、契約を
解除することができる。」
【正解:×】 請負契約では、目的物に瑕疵がある場合は、注文者は以下の三つの法的な措置がとれます。
重大な瑕疵があって契約をした目的を達成できなければ、注文者は、契約を解除することができますが、民法635条但書では、建物その他土地の工作物については、瑕疵があり契約をした目的が達成できなくても注文者は解除できないとしています。 本設問では、土地工作物の建築請負であることにより、注文者は、瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできますが、契約を解除することはできません。 |
3.「完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物が
引渡しを受けてから3年目に瑕疵により損傷したときは、注文者は、その時から
2年以内に修補又は損害賠償の請求をすることができる。」
【正解:×】 土地の工作物が、瑕疵のために滅失または損傷したときは、その時から1年内に、注文者が担保責任について権利を行使することが必要です。 (民法638条2項)
▼売買契約の瑕疵担保責任と違うのは、次の2点です。 ・瑕疵は隠れた瑕疵に限らないこと。 ・注文者の善意・無過失は不要であり、注文者が瑕疵を知らないことに過失があっても請負人は担保責任を負います。 【原題】毀損したときは ⇒ 改正により「損傷したときは」と変更しました。 |
4.「完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において、その物に契約
をした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは、注文者は、契約の解除を
することができる。」
【正解:×】 請負契約では、目的物に瑕疵がある場合は、注文者は以下の三つの法的な措置がとれます。
重大な瑕疵があって契約をした目的を達成できなければ、注文者は、契約を解除することができますが、民法635条但書では、建物その他土地の工作物については、瑕疵があり契約をした目的が達成できなくても注文者は解除できないとしています。 |