Brush Up! 宅建業法

正解・解説

重要事項説明に関する問題3

あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の認可を受けた認可宅建業者の取引一任代理等の場合には、重要事項説明とその書面、契約書面、媒介書面なとが免ぜられています


【正解】

 宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述は、

宅地建物取引業法の規定によれば、○か、×か。

1.「宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物売買、交換若しくは貸借

相手方、若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る

売買、交換若しくは貸借の各当事者に対し、その者が取得し、又は借りよう

としている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立する

までの間に、取引主任者をして、所定事項を記載した書面を交付させ、取引

主任者証を提示することにより、説明をさせなければならず、当該書面には

取引主任者が記名押印しなければならない。」

【正解:

設問文を読んでいて頭がクラクラしてきませんか?これが重要事項説明の条文

を用いて35条の趣旨をまとめたものです。

≪読み方≫

接続詞に注意して読むとわかります

大項目A 又は 大項目B → AかBのどちらか

小項目a 若しくは 小項目b→ aかbのどちらか

中項目を繋げる場合にも、若しくはを使います。

上の条文では、小項目だけでなく、中項目を繋げる場合にも用いています。

例 a 若しくはb又はA又はB・・・「aかbのどちらか」、「A」、「B」の三つの中のどれか

 条文の「その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し」という文言から、具体的には、重要事項の説明をする相手方等は以下のように解釈されます。
1) 宅地若しくは建物 の 売買、交換若しくは貸借の相手方、若しくは代理を依頼した者

⇒ 「買主」、「交換の当事者」、「売買の代理を依頼した買主、交換の代理を依頼した交換の当事者、貸借の代理を依頼した借主」を意味します。貸借での貸主は宅建業法上規制がないので、宅建業者自ら貸主の場合は、35条の重要事項説明は義務付けられていません。

2) 宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者

⇒ 売買の媒介をした場合の買主、交換の媒介をした場合の交換の両当事者、貸借の媒介をした場合の借主

2.「宅地建物取引業者は、重要事項の説明にあたり、代金、交換差金借賃

以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的は、記載して説明しな

ければならないが、代金及び借賃の額は記載して説明しなくてもよい。」

【正解:

 「重要事項の説明」とは、売買契約等が成立する“前”に、対象物件の物

理的形状、法令上の制限等を説明し、相手方の購買意欲等をソソる段階であ

り、「代金、交換差金借賃以外に授受される金銭(手付金、敷金等)の額

は、意思決定をするにつき、文字通り重要な事項であるため、説明しなけれ

ばなりません(「手付金は決定した代金額の2割」「敷金は決定した月額家

賃の3カ月分」など)

 しかし、重要事項の説明段階(=契約成立前)では、代金及び借賃の額は

マダ決定されていない(実務者の方要注意!)ので、記載して説明できるは

ずもなく、たとえ、業者がパンフレットなどを提示し、代金額“なる”もの

を説明しても、それは、あくまでも当該取引業者の“希望価格”であり、決

定された代金額ではありません。

 なお、代金額及び家賃は、決定された後に、37条書面に記載されます。

3.「宅地建物取引業者は、借地借家法第22条に規定する、存続期間を50年

以上とする貸借(定期借地権)契約に係る重要事項の説明にあたり、その内

容は記載し、説明しなければならない。」

【正解:

設問文の記述の通りです(施行規則16条の4の3第7号)

●条文確認

(法第三十五条第一項第十四号 の国土交通省令で定める事項)

第十六条の四の三  法第三十五条第一項第十四号 の国土交通省令で定める事項は、宅地の売買又は交換の契約にあつては第一号及び第二号に掲げるもの建物の売買又は交換の契約にあつては第一号から第五号までに掲げるもの宅地の貸借の契約にあつては第一号、第二号及び第七号から第十二号までに掲げるもの建物の貸借の契約にあつては第一号から第四号まで及び第六号から第十一号までに掲げるものとする。

一  当該宅地又は建物が宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第二十条第一項により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨

二  当該宅地又は建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 (平成十二年法律第五十七号)第六条第一項 により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨

三  当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容

四  当該建物(昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が建築物の耐震改修の促進に関する法律 (平成七年法律第百二十三号)第四条第一項 に規定する基本方針のうち同条第二項第三号 の技術上の指針となるべき事項に基づいて次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容

 イ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第七十七条の二十一第一項 に規定する指定確認検査機関

 ロ 建築士法 (昭和二十五年法律第二百二号)第二条第一項 に規定する建築士

 ハ 住宅の品質確保の促進等に関する法律 (平成十一年法律第八十一号)第五条第一項 に規定する登録住宅性能評価機関

 ニ 地方公共団体

五  当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第五条第一項 に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨

六  台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況

七  契約期間及び契約の更新に関する事項

八  借地借家法 (平成三年法律第九十号)第二条第一号 に規定する借地権で同法第二十二条 の規定の適用を受けるものを設定しようとするとき、又は建物の賃貸借で同法第三十八条第一項 若しくは高齢者の居住の安定確保に関する法律 (平成十三年法律第二十六号)第五十六条 の規定の適用を受けるものをしようとするときは、その旨

九  当該宅地又は建物の用途その他の利用に係る制限に関する事項(当該建物が区分所有法第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるときにあつては、第十六条の二第三号に掲げる事項を除く。)

十  敷金その他いかなる名義をもつて授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項

十一  当該宅地又は建物(当該建物が区分所有法第二条第一項 に規定する区分所有権の目的であるものを除く。)の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)

十二  契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容

16条の4の3の整理
宅地の売買又は交換

の契約(媒介・代理含む)

・造成宅地防災区域内にあるときは、その旨

・土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨

建物の売買又は交換

の契約(媒介・代理含む)

・造成宅地防災区域内にあるときは、その旨

・土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨

・石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容

・耐震診断を受けたものであるときは、その内容

・住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨

宅地の貸借の契約

の媒介・代理

・造成宅地防災区域内にあるときは、その旨

・土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨

・契約期間及び契約の更新に関する事項

・定期借地権である旨

当該宅地の用途その他の利用に係る制限に関する事項

・契約終了時において精算することとされている金銭の精算に
関する事項

・管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名・住所
(法人にあつては、その商号又は名称,その主たる事務所の所在地)

・契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を
定めようとするときは、その内容

建物の貸借の契約

の媒介・代理

・造成宅地防災区域内にあるときは、その旨

・土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨

・石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容

・耐震診断を受けたものであるときは、その内容

・台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況

契約期間及び契約の更新に関する事項

・定期建物賃貸借,終身の住宅の賃貸借である旨

当該建物の用途その他の利用に係る制限に関する事項
(マンション等での専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めを除く。)

・契約終了時において精算することとされている金銭の精算に
関する事項

・管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名・住所
(法人にあつては、その商号又は名称,その主たる事務所の所在地)

4.「宅地建物取引業者は、借地借家法第38条に規定する、期間の定めのあ

る建物の貸借(定期建物賃貸借)契約に係る重要事項の説明にあたり、その

内容は記載し、説明しなければならない。」

【正解:

設問文の記述の通りです。


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