Brush Up! 宅建業法

正解・解説

重要事項説明に関する問題4

あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の認可を受けた認可宅建業者の取引一任代理等の場合には、重要事項説明とその書面、契約書面、媒介書面なとが免ぜられています


【正解】

×

 宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述は、

宅地建物取引業法の規定によれば、○か、×か。

1.「宅地建物取引業者が重要事項の説明義務に違反したとき指示処分

ほか、1年以内の業務停止処分、悪質であれば免許の取消処分がされ、重要

な事項について故意に事実を告げなかった場合、2年以下の懲役若しくは300

万円以下の罰金、又はこれが併科される。」

【正解:

重要事項の説明義務に違反したときは、

指示処分1年以内の業務停止処分、悪質であれば免許取消処分をされ、

また、「一定の事実」につき故意に(知っていながら)事実を告げず、又は

不実(ウソ)を告げた場合、設問文の記述にある罰則に処されます。

注意!

 (35条)要事項の説明義務・・・重要事項で知らない(過失)ものがあって、説明しても、
                    違反する。(無過失責任)

 (47条1号)要な事項の告知義務・・・故意で告げなかったときは違反する。

重要な事項の告知義務≫ 

宅建業法第47条1号の規定

 宅地建物取引業者は,その業務に関して,宅地建物取引業者の相手方等に対し,次に掲げる行為をしてはならない。

1号 宅地若しくは建物の売買,交換若しくは賃借の契約の締結について勧誘をするに際し,又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため,次のいずれかに該当する事項について,故意に事実を告げず,又は不実のことを告げる行為

イ 第35条第1項各号又は第2項各号に掲げる事項
ロ 第35条の2各号に掲げる事項
ハ 第37条第1項各号又は第2項各号(第1号を除く。)に掲げる事項
ニ イからハまでに掲げるもののほか,宅地若しくは建物の所在,規模,形質,現在若しくは将来の利用の制限,環境,交通等の利便,代金,借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であって,宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの

重要な事項とは何か

 重要な事項 (1) 35条・・・重要事項の説明を義務付け

          (2) 47条1号・・・ 事実の不告知、不実の告知 を禁止

宅建業法では、このように「重要な事項」について二重の規定を設けています

 35条と47条1号の位置付けとしては、35条は「少なくともこれだけは」という事項を最小限定型化したもの、47条1号は購入意思に重大な影響を与える事項と考えられます。

(宅建業法35条においては、「重要事項」という表記は、35条のタイトル部分に「重要事項の説明等」とあるだけで、35条本文では、「次に掲げる事項」および「これらの事項」という表現になっています。) 

47条1号二の告知義務の対象とされているもの

 告知の対象となるものについては、具体的には、以下のものが該当するとされています。

消費税(35条の「代金及び交換差金以外に授受される金額」には該当しないが、47条1項の対象にはなるとされています。)

・建物賃貸借において、当該建物が借地上の建物である旨および借地権の内容(建設省通達平成3.12.7)

既存不適格物件である場合(中古物件では、建築当時指定された建蔽率・容積率・用途・建物の高さの制限と現在指定されている内容が異なる為に、増築・改築・再建築のときに、現在と同規模・同一用途の建築物が建築できない場合)

・土地・建物の売買において、土地の一部に地役権・地上権の設定がある場合

隣接地に建築計画がある場合(日照・通風・眺望に影響がでてくる)

・過去に、自殺や火事があった物件

・その他、周辺環境市町村の開発指導要項など

◆宅建の本試験に出題された47条1号二の「重要な事項」

平成12年問35肢1・・・建物賃借の媒介、「建物の近隣にゴミ集積場所を設置する計画」

平成11年問42肢3・・・宅地売買の媒介、「当該宅地に対抗力のある借地権をもつ第3者」

秘密保持義務(45条、75条の2)と重要な事項の告知義務

  重要な事項の告知義務が優先されます。

35条と47条1号の対比(宅建業法に明文化されているもの)

35条(重要事項の説明) 47条1項(事実の不告知禁止)
説明内容 35条で定められている 範囲は広い
説明の方法 35条で定められている 定まってはいない
違反 故意または過失あるとき 故意
監督処分 業務停止

免許取消(情状が特に重いとき)

業務停止

免許取消(情状が特に重いとき)

罰則 なし(条文には、ない) 2年以下の懲役もしくは

300万円以下の罰金

または併科(80条)

2.「宅地建物取引業者は、造成工事完了前における宅地に関し、重要事項

の説明をする場合、造成工事完了時における当該宅地に接する道路の構造及

び幅員の概要を説明しなければならない。」

【正解:

未完成宅地に関し、重要事項の説明をする場合、設問文にある事項は説明し

なければなりません。

3.「宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買契約が成立する前に、その

相手方に対し、営業保証金を供託した供託所及びその供託額、若しくは社団

法人である宅地建物保証協会の社員であるときは、当該社団法人の名称及び

その弁済限度額を説明しなければならない。」

【正解:×

説明が義務付けられているのは、

ア.営業保証金を供託した

  ・「供託所」

  ・供託所の「所在地」

イ.宅地建物保証協会の社員の場合は、

  ・当該社団法人の「名称」

  ・当該法人の「所在地」

  ・その供託した法務大臣及び国土交通大臣の定める「供託所」

  ・当該供託所の「所在地」

であり、“供託額”等の説明義務は課されていません


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