Brush Up! 宅建業法
正解と解説
宅地建物取引業者の免許制度に関する問題1
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
○ | × | × | × | ○ | × |
1.「宅地建物取引業者の免許の有効期間は5年とするが、免許の更新が
あった場合において、有効期間の満了の日までにその申請について処分がさ
れないときは、従前の免許は、有効期間の満了後もその処分がなされるまで
の間は、なおその効力を有する。」
【正解:○】 本文の記述の通りですが、なおこの場合に免許が更新されたとき、新免許の 有効期間は、その新免許が更新された日から起算されるのではなく、従前の 免許の有効期間の満了の日の翌日から起算され、連続性が保たれているいる ことに注意しましょう。 |
2.「宅地建物取引業者の免許の更新を受けようとする者は、免許の有効期
間満了の日の90日前から30日前までに更新を受けなければならない。」
【正解:×】 免許の有効期間満了の日の90日前から30日前までに“更新”しなければな らないのではなく、この期間は、「更新するための免許申請書の提出期間」 です。 たとえば、従業者が500人いる取引業者であれば、専任の取引主任者だけ でも少なくとも100人はおり、役員その他もたくさんいることでしょう。免 許権者は、そのたくさんの者達が欠格要件にヒッカカッていないか等の調査 をする義務があり、たとえその調査に時間がかかり、そのために免許の有効 期間満了日を過ぎてしまった場合でも前問のように救済はされますが、従前 の免許期間中に処分できるよう「申請書はなるべく早く出せ」という趣旨を 理解しましょう。 |
3.「A県内の本店では建築請負業のみを行い、B県内の支店で宅地建物取
引業を営もうとする者は、B県知事免許を受けなければならない。」
【正解:×】 たとえ本店で直接に宅地建物取引業を営まなくとも、本店は何らかの中枢機能を有するもの(コントロール・センター)であり、宅地建物取引業法上の事務所となります。 したがって、本問の場合は、B県知事ではなく、国土交通大臣免許となります。 もちろん、本店にも最低1名は専任の取引主任者を置かなければなりません。宅地建物取引業を営まない本店でも、代表者・宅地建物取引業担当の役員・会計担当者などは、宅地建物取引業を営む支店を統括していると考えられ、宅地建物取引業に従事している者とみなされます。したがって、宅地建物取引業を営まない本店でも、この従事している者の数に応じた専任の取引主任者が必要になります。 |
●対比問題 | ||||||||||||||||
A県の区域内に本店を,B県の区域内に支店を設置し,本店においては宅地建物取引業を,支店においては建設業務を,それぞれ営もうとする者は,国土交通大臣の免許を受けることができない。(昭和61年・問43) | ||||||||||||||||
【正解:○】意外に間違いやすい問題です。 上の肢問は,本店が宅地建物取引業を営まず支店で宅地建物取引業を営む場合でしたが,この昭和61年の問題では逆の設定になっています。 本店が宅地建物取引業を営み,支店が宅地建物取引業を営まない場合です。 国土交通大臣免許業者になるかどうかは,本店が宅地建物取引業を営むかどうかではなく,支店が宅地建物取引業を営むかどうかで決まります。支店で宅地建物取引業務を営む場合は国土交通大臣免許,営まない場合は本店を管轄する知事の免許になります。 この昭和61年の問題では,支店では宅地建物取引業を営まないので,本店のある区域を管轄する知事,すなわちA県知事が免許権者です。
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4.「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の罪を犯したことに
より、罰金の刑以上に処せられたすべての者は宅地建物取引業者の免許を受
けることができない。」
【正解:×】 いわゆる暴力団員法によって罰金刑に処せられた者であっても、その時より 5年を経過すれば免許を受けられます。 |
5.「宅地建物取引業者が廃業届を提出し,免許の効力を失った場合であっても,
その者は廃業前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内において
は,なお宅地建物取引業者とみなされる。」(H14-44-2)
【正解:○】 免許の効力が失われても、失効前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅建業者であった者またはその一般承継人(相続人)は、なお宅地建物取引業者とみなされます。(法76条) 失効前に取引をしていた相手の保護を図るために、この規定が設けられています。 |
6.「宅地建物取引業者である個人が自らを代表者とする法人にして宅地建物取引業を
営む場合には,2週間以内に変更の届出を行わなければならない。」(昭和55年・問40)
【正解:×】 業者名簿の登載事項の変更の届出は2週間以内ではなく30日以内だろう(法9条)と思ったらダメ。 宅地建物取引業者である個人が自らを代表者とする法人にして宅地建物取引業を営む場合というのは2つのケースが考えられます。どちらでも,免許を受けなければなりません。 〔ケース1〕・個人業者が法人になるとき 〔ケース2〕・現在の個人業者としては別に,法人を新たに作り,その法人でも業者免許をとって宅地建物取引業を行おうとするとき 〔ケース1〕個人業者が法人業者になるときには,営業主体が変わるので,変更の届出ではなく,法人として新たに業者免許を受ける必要があります。 〔ケース2〕別の法人を作ってその法人でも宅地建物取引業を行うからといって,個人業者としての変更の届出をする必要は現行法規ではありません。 |
●類題 |
1.「C県知事の免許を受けている個人の宅地建物取引業者Dが,従前と同一事務所で宅地建物取引業を営む目的で株式会社を設立し,Dがその代表取締役となって業務を行う場合は,その旨をC県知事に届け出なければならない。」(昭和60年・問38) |
【正解:×】 この昭和60年の肢問は,個人業者が法人になるときを扱っています。 |
2.「宅地建物取引業者である個人Bが宅地建物取引業を営む目的で株式会社Cを設立し,Bがその代表取締役となって業務を行う場合,株式会社Cは,宅地建物取引業の免許を受ける必要はない。」(平成3年・問37) |
【正解:×】 |