Brush Up! 宅建業法篇

正解・解説

処分・罰則規定に関する問題2


【正解】

× ×

宅地建物取引業法に規定する 監督処分・罰則に関する次の記述は、○か×か。

1.「宅地建物取引業者又はその従業者等は、その知り得た秘密を守る規定

に違反しても、それにつき告訴がなければ罰に処せられない。」

【正解:

 秘密を守る規定に違反したとき、50万円以下の罰金に処せられることがあ

りますが、被害者等からの訴えがなければ罪に問えません

 参考までに、このような罪を“親告罪”といいます。

2.「国土交通大臣は、すべての取引主任者に対して、都道府県知事は、

の登録を受けている取引主任者及び当該都道府県の区域内で、その事務を行

う取引主任者に対して、取引主任者の事務に関し、必要があると認めるとき

は、その事務につき必要な報告を求めることができるが、当該取引主任者が

求められた報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき、50万円以下の過料に処

せられる。」

【正解:×

 宅地建物取引業法によって取引“主任者”が受ける罰則で一番重いのが、

この「報告義務違反」です。

 しかし、50万円以下の過料ではなく、「罰金」に処せられます。

≪確認≫

科料・罰金・・・刑罰

過料・・・刑罰ではありません。

3.「国土交通大臣は、宅地建物取引業を営むすべての者に対して、都道府

県知事は、その免許した宅地建物取引業者に対して、必要があると認めると

き、その職員に事務所その他、その業務を行う場所に立ち入り、帳簿、書類

その他業務に関する物件を検査させることができ、検査を拒んだ者は50万円

以下の罰金に処せられる。」

【正解:×

 国土交通大臣の場合は、宅地建物取引業を営むすべての者に対して検査さ

せることができます。

 しかし、都道府県知事の場合、その対象となる宅地建物取引業者は、その

“免許”した宅地建物取引業者ではなく、当該都道府県の「区域内」で宅地

建物取引業を営む者です。(免許した宅建業者だけでなく,国土交通大臣免許業者や

ほかの都道府県知事免許業者も,対象になります。)

 なお、検査を拒んだ者は、設問文の記述の通り50万円以下の罰金に処せら

れます。

4.「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者

が、その業務に関し、一定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほ

か、その法人又は人に対しても罰金刑を科されることがある。」

【正解:

 「不正手段により免許を受けた場合」「無免許営業した場合」「名義貸しな

どをした場合」、その行為者を罰するばかりでなく、その行為者につき

相当の注意及び監督が尽くされたことの証明がなければ、その法人又は人に対し

ても罰金刑が科せられます。

<補足>平成18年12月20日施行の改正

 改正により,法人業者の代表者・代理人・従業者が以下の行為をした場合は,両罰規定としてその法人に罰金1億円以下が科せられることになりました。

 ・不正手段による免許取得の禁止に違反,

 ・無免許営業の禁止に違反

 ・免許の名義貸しの禁止に違反

 ・業務停止処分に違反,

 ・47条1号の事実の不告知・不実の告知の禁止に違反

両罰規定

個人業者  行為者の受けるべき罰金刑
法人業者  一定の行為に違反  1億円以下の罰金刑
 上記以外  行為者の受けるべき罰金刑

●法改正
 平成18年の改正により,罰則が強化されました。

 罰金の引き上げ 300万円・200万円・100万円・50万円

 両罰規定の強化 法人では,代表者・代理人・従業者が

 <不正手段による免許取得の禁止,無免許営業の禁止,免許の名義貸しの禁止,業務停止処分に違反,47条1号の事実の不告知・不実の告知の禁止に違反>

 の場合は,罰金1億円以下が科せられることになりました。


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