正解・解説

監督・罰則規定に関する問題5


【正解】

× ×

1.「都道府県知事は、当該都道府県の区域内において、他の都道府県知事

の登録を受けている取引主任者が他人に自己の名義の使用を許し、当該他人

がその名義を使用して取引主任者である旨の表示をしたとき、当該取引主任

者に対し必要な指示をすることができ、その指示に従わない場合は、当該取

引主任者の登録を消除することができる。」

【正解:×

他県登録の取引主任者に対してできることは、「1年以内の取引主任者事務

の禁止」であり、登録は他県にされているので、登録の消除はできません。

2.「都道府県知事は、その登録を受けている取引主任者の登録を消除しよ

うとするときは、行政手続法第3条1項の規定による意見陳述のための手続の

区分にかかわらず聴聞を行わなければならない。」

【正解:

宅地建物取引業者や取引主任者を処分するときは、行政手続法よりも、この

宅地建物取引業法が優先適用されることになります。

<特別講義>「聴聞」

◆大臣・知事は、次の処分を行おうとする場合は、予め「聴聞」を行わなけ

 ればなりません。

 ア.指示の処分

 イ.業務の停止命令

 ウ.業者免許の取消

 エ.取引主任者への指示

 オ.取引主任者への事務禁止

 カ.取引主任者の登録消除

◆大臣・知事が次の処分をした場合には、その旨を「公告」しなければなり

 ません。

 ア.“業者”の停止命令

 イ.“業者”免許の取消

◆「聴聞」

[1]聴聞を行う場合、「大臣」「知事」は“処分の理由”と“聴聞の期日”

 を、期日の1週間前までに、呼び出す前に“通知”をして、かつその期日

 と場所を“公示”する必要がある。

[2]聴聞会に、

 <業者や主任者が来ない+必要書類(陳述書等)を提出しない

 →聴聞を行わずに処分できる

[3]公示した日から30日を経過しても、処分すべき者の所在が判明しない

 →聴聞を行わずに処分できる

[4]“免許の取消処分の聴聞の期日と場所が公示”された日から、その処分

 をする日までの間に「理由なく廃業した業者」は、免許を取り消されたも

 のとみなされ、その廃業の日から5年間は、免許の申請ができなくなる。

 主任者の登録の消除に関する扱いも同様。

[5]法人である業者の役員の「退職した日」が、“処分のための聴聞の期日

 及び場所の公示”があった日から60日前(以内)であれば、これは逃げる

 ことができない。

3.「取引主任者は、常時宅地建物取引主任者証を携帯し、取引の関係者か

ら請求があったとき提示することを要し、これに違反したとき、10万円以下

の過料に処せられることがある。」

【正解:×

◆宅地建物取引主任者が「10万円以下の過料」に処せられる場合

 →いずれも“監督処分ナシ”

 ア.事務禁止処分による主任者証の提出義務違反

 イ.重要事項説明での主任者証の提示義務違反

 ウ.消除・失効による主任者証の返納義務違反

本問の場合、「イと似ているかな・・・?」と思いがちですが、提示すべき

場合の違いをよ〜く比較してみて下さい。

<参考>

従業者証明書携帯義務違反」の場合は、“業者”が処分・罰則を受けるこ

とになります。

 (監督処分)業務停止命令

 (罰  則)50万円以下の罰金 (83条1項2号)

→従業者が「従業者証明書」を“いつ携帯し”“いつ提示するのか”につい

ても必ず基本書などで確認しておきましょう。

4.「宅地建物取引主任者は、正当な理由がある場合でなければ、取引業務

を補助したことについて、知り得た秘密を漏らしてはならず、取引主任者で

なくなった後であっても同様とする。」

【正解:

 宅地建物取引業者の使用人とその他の従業者には、本文の記述のような義

務が課されており、取引主任者も使用人等に該当するため、同じ義務を負う

ことになります。

 なお、「秘密を守る義務違反」(親告罪)に違反した場合には、50万円以

下の罰金に処せられます。 (83条1項3号)


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