正解・解説
手付(手附)の額の制限/他に関する問題4
【正解】
1 | 2 | 3 |
○ | ○ | × |
1.「宅地建物取引業者がみずから売主となって、宅地建物取引業者でない
買主と宅地建物の売買契約を締結した場合、損害賠償額の予定の特約をしな
かったとき、当事者は、実損額を立証すれば、その額を請求することができ
る。」
【正解:○】 損害賠償額の予定をしたら変えることはできませんが、予定しなかったとき は、民法の原則に戻り、損害の額とその発生が相手方の責任がある等を立証 すれば、実損額を請求できます。 |
2.「宅地建物取引業者が、保険事業者との間に保証保険契約を締結して行
う手付金の保全方法は、売買契約を行う当該物件の工事完成の前後を問わず
適用される。」
【正解:○】 保険事業者(生命保険会社・損害保険会社)による保証保険は、工事完了前 の物件、工事完成後の物件のどちらの手付金の保全措置にも適用されます。 |
<参考> ◆「保管」…工事完了後の手付金等についてのみ適用 売主業者が、その手付金等を「保管機関」に保管してもらったら、もう保 管されたお金は、業者が物件を“引き渡す”まで1円も使うことができませ ん。 ◆「保全」…売買契約を行う当該物件の工事完成の前後を問わず適用 それが銀行等による「保証書」を発行しての保全の措置であろうと、保険 事業者による「保険証書」の交付による保全の措置だとしても、保全の措置 さえしておけば、その手付金等は“業者が自由に使えるもの”となります。 →しかし、どの銀行や保険会社でもスンナリ「保全」してくれるワケではない →保全したくても「保全措置」がとれないのが現状 →そこで「保管」の制度(工事完了後の手付金等についてのみ適用) →それがイヤなら、規定の額より少ない金額の“手付金等”の受領であきら める(それなら「保全」も「保管」もする必要はない) <もう少し突っ込んで>詳しくは基本書で確認して下さい ◆宅地建物取引業者のする『保全』の措置 [1]“保全”と呼ばれるものはココで行われる ア.「銀行」その他の金融機関…出資金の総額が5,000万円以上のもの イ.大臣による「指定保証機関」…資本金5,000万円以上の株式会社 ウ.「保険事業者」…生命保険会社、損害保険会社 エ.「保証協会」…社団法人に限られる [2]“保管”と呼ばれるものはココで行われる ア.「保証協会」…社団法人に限られる イ.大臣による「指定保管機関」…資本金5,000万円以上の株式会社 |
3.「宅地建物取引業者がみずから売主となる割賦販売のとき、業者は、代
金額の10分の3を超える額の金銭を受領する前に、引渡し等の売主義務を
行わなければならない。」
【正解:×】 宅地建物取引業者がみずからが売主として割賦販売を行うときには、代金 額の10分の3を超える額の金銭を受領する“前”に、原則として「登記そ の他」まで含めた“引渡し”の売主の義務を履行しなければなりません。 つまり、たとえ買主は「単に鍵などの引渡だけ」を受けていても、「登記」がなければ、売 主による二重売買、又は売主が倒産した場合、買主保護に欠けることになるからです。 ▼国土交通省,不動産適正取引推進機構の解釈としては,宅建業法上の「引渡し」とは登記まで完了していることを意味するとしています。 |