税法その他 基礎編
地価公示の問題1
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
× | × | × | × | ○ |
次のそれぞれの記述は、地価公示法の規定によれば○か、×か。 |
1.「都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行う者は、取引の対
象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価
格を規準として取引を行うよう努めなければならない。」
【正解:×】
◆土地の取引を行う者の責務(1条の2) 公示された価格を“規準”ではなく“指標”(目標・目安)として取引を行 うよう努めなければなりません。 「一般の土地取引では、公示価格を“指標”としなさいよ」と言っているの ですが、“規準”となると「より厳密に扱え!」という意味になってしまいます。 <関連> ◆公示価格を“規準”として扱わなければならない場合 ア.不動産鑑定士が、公示区域内の土地について正常な価格を求めるとき。 イ.土地収用法等により土地を収用できる事業を行う者が、土地の取得価格を 定めるとき。 ウ.土地収用法の規定により、事業認定の告示時における土地の相当な価格を 算定するとき。 |
2.「土地鑑定委員会は、都市計画区域内の標準地について、年1回、単位面積当たり
の正常な価格を判定し、これを公示するが、都市計画区域外の土地については標準地
とすることはできない。」法改正
【正解:×】
◆標準地の価格の判定の公示 土地鑑定委員会は、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域「公示区域」(国土利用計画法の規制区域を除く)内の標準地について価格を判定を行うのであり、都市計画区域外も含まれるので誤りです。 <参考> ◆標準地の数(2001年度) 全国31,000地点のうち 市街化区域………………25,142地点 市街化調整区域………… 1,692地点 その他の都市計画区域… 4,166地点 ◆地価公示法 第2条1項 土地鑑定委員会は、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(国土利用計画法の規定により指定された規制区域を除く)内の標準地について、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士又は不動産鑑定士補の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日(1月1日)における当該標準地の単位面積(1平方メートルあたりの正常な価格)を判定し、これを公示するものとする。 →標準地の価格判定の基準日は1月1日 →条文上では、監視区域、注視区域は標準地から除外されてはいない。 |
●土地鑑定委員会 |
土地鑑定委員会は、委員7名(6人は非常勤)をもって組織され、不動産の鑑定 評価に関する事項又は土地に関する制度について学識経験を有する者のうちから、 両議院の同意を得て、国土交通大臣が任命します。 土地鑑定委員会は、国土交通省内に置かれています。 |
3.「標準地における正常な価格とは、当該土地に地上権等の収益を制限する
権利が存在する場合、その権利があるものとして判定される。」
【正解:×】
◆正常な価格 たとえ土地上に建物があっても、たとえ地上権その他の権利がついていても、 すべて「更地」として判定されます。→「更地評価」と覚えましょう。 |
4.「標準地は、不動産鑑定士が自然的・社会的条件からみて類似の利用価値を
有すると認められる地域において、土地の利用状況・環境等が通常と認められる
一団の土地において選定する。」
【正解:×】
◆標準地の選定 標準地(最も標準的な使用がされている土地)の選定は、不動産鑑定士がするのではなく、「土地鑑定委員会」が行います。 (不動産鑑定士は、土地鑑定委員会によって選定された標準地の鑑定評価を行います。) 標準地は、土地鑑定委員会が、 自然的及び社会的条件から見て、類似の利用価値を有すると認められる地域に おいて、土地の利用状況、環境、地積、形状等が通常と認められる一団の土地 について選定します。(地価公示法3条、施行規則2条) <一団の土地とは> 同一利用者により、一つの利用目的に供されている一区画の土地を意味します。 |
5.「地価公示は、毎年1月1日時点の標準地の単位面積あたりの正常な価格を
公示するものであり、この公示価格は官報で公示されるほか、関係市町村の一定
の事務所において閲覧できる。」
【正解:○】本問題文の記述の通りです。
◆条文上での公示→官報と一定の事務所での閲覧 地価公示法での条文では、公示は「官報」(6条)、「一般の閲覧」(7条)の2つに なっています。 ●一般の閲覧(7条) 土地鑑定委員会から関係市町村に送付されるのは、 公示した事項のうち当該市町村が属する都道府県に存する標準地に係る部分を 記載した書面、及び当該標準地の所在を表示する図面 (県単位の図書である事に注意。) であり、これを関係市町村の長は市町村の事務所において一般の閲覧に供さな ければいけません。 施行令第1条2項によれば、「図書を一般の閲覧に供すべき期間は、当該図書の 送付を受けた日から3年」となっています。 (実際は、都道府県庁や公立図書館の一部などでも閲覧できますが、これは条文で の一般の閲覧とは又別のものです。) ●官報(6条) 土地鑑定委員会は、標準地の単位面積あたりの正常な価格を判定したときは、すみやかに官報で以下の事項を官報で公示しなければなりません。 1.標準地の所在の郡、市、区、町村及び字並びに地番 2.標準地の単位面積あたりの価格及び価格判定の基準日 3.標準地の地積及び形状 4.標準地及びその周辺の土地の利用の現況 5.その他国土交通省令で定める事項
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