税法その他 基礎編

地価公示の問題2(不動産鑑定評価の基本)

正解・解説


【正解】

×

次のそれぞれの記述は、地価公示法の規定によれば○か、×か。

1.「不動産鑑定士が公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合、公示価格を

指標としなければならない。」

【正解:×

◆不動産鑑定士の鑑定評価の規準

 指標ではなく「規準」です。

 つまり「公示価格を、指標(目安・目標)とするよりも厳密に扱いなさい

と定めているわけです。

<参考>

宅地建物取引業者が、土地の取引を行う場合は、公示価格を規準とする必要は

なく、「指標」とすればよい、とされています。

2.「公示区域内の使用または収益の制限をする権利が存する土地を公共事業

の用に供するため取得する場合、当該権利を消滅するための対価を含んで取得

価格を定めなければならない。」

【正解:

◆公共事業の用に供する土地の取得価格の算定の準則(9条)

設問文の記述のとおりです。

土地収用法その他の法律によって、土地を収用することができる事業を行う者は、

公共事業用地の取得価格算定のときには、公示価格を規準としなければなりませ

んが、その取得価格を算定するときに、当該土地に関して地上権その他当該土地の

使用又は収益を制限する権利が存する場合は、当該権利を消滅させるための対価

を含むとなっています。

<参考>公示価格の効力

収用する土地に対する補償金額の算定の準則(10条)

 収用委員会が、公示区域内(規制区域を除く)の土地について、事業認定の

告示の時における相当な価格を算定するときは、公示価格を規準として算定した

当該土地の価格を考慮しなければいけません。

3.「取引事例比較法は、多くの取引事例を収集し、同類型の不動産について

必要な補正・修正をして比準価格を求める方法である。」

【正解:

◆取引事例比較法

 取引事例比較法は、多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、こ

れらに係る取引価格に必要に応じて事情補正・時点修正を行い、かつ地域要因

の比較・個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考慮し、これによっ

対象不動産の試算価格(比準価格)を求める、という鑑定評価の方式です。

 取引事例比較法は、近隣地域又は同一需給圏内の類似地域等において、対象

不動産と類似の不動産の取引が行われている場合に有効です。

4.「収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろう収益に着目し、その

価格を求める手法であり、公共・公益の目的に供されている不動産には適用さ

れないが、自用の住宅地の価格を求める場合には適用される。」

【正解:

◆収益還元法

 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される収益の総和

を求めるものであり、純利益(=総利益―総費用)を還元利回りで還元して対

象不動産の試算価格(収益価格)を求める、という鑑定評価の方式です。

 収益還元法は、賃貸用不動産・一般企業用の不動産の価格を求める場合に特

に有効です。

 また、公共・公益目的の不動産(学校、公園等)“以外”のものにはすべて

適用すべきであり、自用の住宅地といえども賃貸を想定することにより適用さ

れます。

5.「標準地の鑑定評価を行った不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価額

その他の国土交通省令で定める事項を記載した鑑定評価書を提出しなければならない。

また、正当な理由なく、その鑑定評価に際して知ることのできた秘密を漏らしてはいけない。」

【正解:

 本問題文の記述の通りです。 


引き続き、地価公示の問題3を解く

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