法令上の制限 基礎編

開発許可に関する問題2

特定工作物

正解・解説


【正解】

× × ×

●特定工作物の定義と開発許可の面積要件
 特定工作物の定義開発許可が必要となる面積要件を混同しないようにしてください。

 第一種特定工作物,第二種特定工作物とも,各区域で開発許可が必要な面積規模に達していれば,開発許可が必要です。

 各区域で開発許可が必要な面積規模に達していなければ,開発許可は不要です。

●開発許可と基準
市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域

 都市計画区域及び準都市計画区域外

29条のどれかに該当 → 開発許可不要

(両区域外では、29条の2項のどれかに該当)

33条の一般的基準に適合 → 開発許可

市街化調整区域

29条のどれかに該当 → 開発許可不要
建築物・第1種特定工作物 33条の一般的基準に適合

かつ34条の基準のどれかに該当 → 開発許可

第2種特定工作物 33条の一般的基準に適合 → 開発許可

次のそれぞれの記述は、都市計画法の規定によれば○か、×か。

1.「市街化調整区域内において、アスファルトプラントを建設するための開発行為は

開発許可を要しない。」

【正解:×

 アスファルトプラントは第一種特定工作物(周辺地域の環境悪化をもたらすおそれ

のあるもの)であり(法第4条、施行令第1条第1項)、市街化調整区域内では、

その建設のための開発行為は面積には関係なく、原則として許可を要します

都市計画事業の開発行為、非常災害の応急措置として行われるものなど、法29条、43条1項で適用が除外されているものを除きます。)

第一種特定工作物の例 ・アスファルトプラント
・コンクリートプラント
・クラッシャープラント
・コンクリート、アスファルトコンクリートの粉砕施設
・危険物の貯蔵又は処理に供する工作物

第一種特定工作物の定義には、面積要件はありません。

2.「第二種特定工作物とは、ゴルフコース、その他1ヘクタール以上の野球場、

庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他運動・レジャー施設又は墓園のことをいう。」

【正解:

 これは都市計画法施行令第1条2項の規定ですが、「第二種特定工作物」とは、

大雑把にいえば、大規模な工作物のことで、周辺地域の出水、溢水等の災害、樹木の乱伐等の環境破壊をもたらすおそれのあるものをいいます。

 なお、定義では、ゴルフコースだけは面積要件が外されています

第二種特定工作物の定義 ゴルフコース面積を問わず

ゴルフコース以外1 ha 以上 

3.「区域区分が定められていない都市計画区域内の農地において、野球場を建設

するため 2 ha の規模の開発行為を行う場合は、原則として開発許可を受けなければ

ならない。」(H10-18-3)

【正解:

 野球場を建設のため2 ha の開発行為

 → 1 ha 以上なので、この野球場は第2種特定工作物に該当します。

   また、区域区分が定められていない区域では、3,000平方メートル以上の開発行為
   は、開発許可が必要です。

   したがって、開発許可を必要とします

4.「市街化調整区域内で行われる開発区域の面積が 1 ha 未満のミニゴルフコース

の建設のための開発行為は、開発許可が不要である。」(H5-18-1)

【正解:×

・市街化調整区域においては、開発規模に関係なく、原則として開発許可を必要とします。

・「第二種特定工作物」の定義では、ゴルフコースだけは面積要件が外されています

つまり、面積が1 ha 未満でも開発許可を受けなければいけません。 

●類題
1.「都市計画区域及び準都市計画区域外の区域で行われる面積が1ヘクタールのミニゴルフコースの建設のための開発行為は、開発許可を要しない。」

【正解:×

 法改正で、都市計画区域及び準都市計画区域外の区域(両区域外)でも、1 ha以上は、開発許可を必要とすることになり、不適。

5.「市街化調整区域内で行われる開発区域の面積が1 ha 以上の私立大学の野球場

の建設のための開発行為は、開発許可が不要である。」(H5-18-2)

【正解:×

◆29条の開発許可不要−学校の施設

 市街化調整区域においては、開発規模に関係なく、原則として開発許可を必要とします。

 野球場は、「第二種特定工作物」なので、原則として開発許可が必要です。

 面積が1 ha 以上の野球場→「第二種特定工作物

●このセクションで間違いやすい点
 特定工作物の定義市街化調整区域内での開発許可申請の要否各区域での開発許可申請の面積要件を混同しないように区別してください。

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