法令上の制限 基礎編

開発許可に関する問題5

正解・解説

開発許可申請の手続


【正解】

× × ×

●開発許可と基準
市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域

 都市計画区域及び準都市計画区域外

29条のどれかに該当 → 開発許可不要

(両区域外では、29条の2項のどれかに該当)

33条の一般的基準に適合 → 開発許可

市街化調整区域

29条のどれかに該当 → 開発許可不要
建築物・第1種特定工作物 33条の一般的基準に適合

かつ34条の基準のどれかに該当 → 開発許可

第2種特定工作物 33条の一般的基準に適合 → 開発許可

次のそれぞれの記述は、都市計画法の規定によれば○か、×か。

1.「開発許可の申請の際、申請者が当該区域内の土地のすべてを所有して

いる必要はないが、区域内の土地所有者等の権利者全員の同意を得ている必

要がある。」

【正解:×

 「全員」ではなく、「相当数」の同意があればOKです。(33条1項14号)

<条文のチェック>

 当該開発行為をしようとする土地若しくは当該開発行為に関する工事をしようとする土地の区域内の土地又はこれらの土地にある建築物その他の工作物につき当該開発行為の施行又は当該開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること(33条1項14号)

●過去問類題
1.「開発区域内の土地の全部について所有権を有している者でなければ、開発許可を受けることはできない。」【正解:×

2.「開発区域の申請は、自己が所有していない土地については、することはできない。」

【正解:×

3.「開発許可を申請しようとする者は、当該開発行為をしようとする土地の相当部分について、所有権を取得していなければならない。」【正解:×

2.「開発許可を申請した場合、開発許可をしようとする土地等について開発行為の

施行又は開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意

を得ていなければ許可を受けることはできない。」

【正解:

 本設問の記述の通りです。(33条1項14号)

●過去問類題
1.「開発許可を申請しようとする者は、当該開発区域に隣接する土地について権利を有する者の相当数の同意を得なければならない。」

【正解:×隣接する土地について権利を有する者の相当数の同意という条文はありません。

3.「開発許可を受けようとする者は、予定建築物の用途、構造及び設備を記載した

申請書を提出しなければならない。」

【正解:×

 開発区域内において予定されている建築物または特定工作物の用途については、記載しなければなりませんが、構造及び設備は記載する必要はありません

 開発登録簿でも、予定建築物の構造及び設備は登録事項ではありません

●過去問類題
1.「開発許可を受けようとする者は、開発区域内において予定される建築物の用途、高さ及び階数を記載した申請書を、都道府県知事に提出しなければならない。」

【正解:×予定される建築物の高さ及び階数は記載事項ではありません。

2.「開発申請書には、予定建築物の用途のほか、その構造、設備及び予定建築価額を記載しなければならない。」

【正解:×構造、設備及び予定建築価額は記載事項ではありません。

4.「開発許可を受けようとする者が都道府県に提出しなければならない申請書には、

開発行為に関する設計、工事施行者等を記載しなければならない。」

【正解:

 開発許可を受けようとする者は、開発行為に関する設計、工事施行者等を記載しなければならなりません。

<参考> 開発許可の申請書に記載する事項(出題歴あり)(30条1項、2項)
1.開発区域(開発区域を工区に分けたときは、開発区域及び工区)

  位置、区域および規模  

2.予定建築物・特定工作物の用途

  (構造・設備は記載する必要ナシ)←平成7年

  (高さや階数は記載する必要ナシ)←平成2年

  (予定建築価額は記載する必要ナシ)←平成13年

3.開発行為に関する設計←平成8年

 (設計に係る設計図書は、

 開発区域の面積が 1 ha以上の開発行為に関する工事の場合は、

 国土交通省令で定める資格を有する者の作成したもの。) (法31条,施行規則18条)

 ▼設計図書は、開発行為に関する工事のうち国土交通省令で定めるものを実施する

  ため必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書

4.工事施行者←平成8年

  (開発行為に関する工事の請負人又は

   請負契約によらないで自らその工事を施行する者をいう。)

5.その他国土交通省令で定める事項

  (着工・完了の予定年月日、居住用・業務用の区別、市街化調整区域の

   場合はその理由等、資金計画―自己居住・業務の目的では不要―)

6.このほかには、

  ・関連する公共施設の管理者の同意を得たことを証する書面

  ・開発行為によって設置される公共施設を管理する者との協議の経過を示す書面

  ・その他国土交通省令で定める図書

を添付しなければなりません。(30条2項)

5.「一定の規模以上の開発行為にあっては、環境を保全するため、開発区域に

おける植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が

講ぜられるように設計が定められていなければ、開発許可を受けることができない。」

【正解:

 本設問の記述の通りです。(33条1項9号)

<施行令>覚える必要はありません。

 第23条の3  法第33条第1項第9号の政令で定める規模は、1ヘクタールとする。ただし、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため特に必要があると認められるときは、都道府県知事は、都道府県の規則で、区域を限り、0.3ヘクタール以上1ヘクタール未満の範囲内で、その規模を別に定めることができる。

設計の指定 (都市計画法33条1項)
7 開発区域内の土地が、地盤の軟弱な土地、がけ崩れ又は出水のおそれが多い土地その他これらに類する土地であるときは、地盤の改良、擁壁の設置等安全上必要な措置か講ぜられるように設計が定められていること

9 政令で定める規模(1 ha)以上の開発行為にあつては、開発に域及びその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的及び第2号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること

10.政令で定める規模(1 ha)以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、第2号イからニまでに掲げる事項を勘案して、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されるように設計が定められていること。

11.政令で定める規模以上の開発行為にあつては、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等からみて支障がないと認められること。

 このほかにもありますが、後で補充することにします。最近これと類似の出題があります。(平成12年)

6.「開発許可の申請書には、開発行為に関係がある公共施設の管理者と、

当該開発行為により設置される公共施設の管理者となる者との協議の経過を

示す書面を添付しなければならない。」

【正解:×

 新・旧の管理者同士が“協議”をするのではなく、

   開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、

   現在の管理者とは「協議して同意を得る」、

   将来の管理者となる者とは「協議

が必要です。

 この説明だけではわかりにくいと思いますので、次をよくお読み下さい。

<開発許可申請前に必要なこと>

ア.同意書

  開発行為によって影響が出ることが予想される「既存の公共施設」があ

  る場合、その公共施設の管理者と「協議して同意」を得ておく必要があります。

イ.協議書

  開発行為によって「新たに設置される公共施設」がある場合、その公共

  施設を将来管理することとなる者、その他、義務教育設置者、水道、ガス、

  電気事業者等と「協議」しておく必要があります。

ウ.同意書

  工事の妨げとなる土地・建物・工作物等の関係権利者の「相当数の同意」

  得ておく必要があります。よくあるのが“自治会の同意”


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