税法その他 直前対策編
景品表示法 問題1
●景品表示法と内閣総理大臣
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | ○ | × |
5 | 6 | 7 | 8 |
× | × | × | ○ |
不当景品類及び不当表示防止法に関する、次のそれぞれの記述は、○か、×か。 |
1.「不当景品類及び不当表示防止法は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類
及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を
阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を
保護することを目的とする。」
【正解:○】
◆景品表示法の目的 改正後の第1条です。 ≪参考≫ 「事業者間の公正な競争を確保し、もって一般消費者の利益を保護すること」を目的としています。(景品表示法・旧1条) |
●条文確認 |
(目的)
第1条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。
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2.「宅地建物取引業者が広告等において表示している物件が、その内容について
実際のものより著しく優良であると消費者に誤認させたとしても、当該物件に瑕疵が
なければ、不当表示となるおそれはない。」H4-32-3
【正解:×】
◆実際のものより著しく優良であると消費者に誤認させた場合→不当表示のおそれ <表示の定義> この法律で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行なう広告その他の表示であって、内閣総理大臣が指定するものをいう。 第2条4項 |
3.「内閣総理大臣は、宅地建物取引業者の行為が景表法の規定に違反すると
認めるときは、当該業者に対し、その行為の差止め等の必要な事項を命ずることが
できるが、その命令は、当該違反行為が既になくなっている場合においても、する
ことができる。」H4-32-4 【類題】H6-32-2
【正解:○】
◆当該違反行為が既になくなっている場合でも、措置命令が出せる 内閣総理大臣は、景品表示法第4条(不当な表示の禁止)の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対して措置命令≪改正前は、「排除命令」≫をすることができます。その違反行為が既になくなっている場合でも、事業者に対して排除命令を出せます。景品表示法6条1項 措置命令が出されると、宅地建物取引業者は、その行為の差止め、訂正広告、その他必要な措置を行う事を義務付けられます。再発防止のための措置や一般の消費者への周知のため、その違反行為が既になくなっている場合でも、事業者に対して措置命令を出しているわけです。 |
4.「内閣総理大臣は、措置命令をしたときにはその旨告示しなければならない。」
【正解:×】
◆弁明の機会の付与 措置命令をしたときに、その旨の告示をしなければならないという規定はありません。 |
●措置命令に違反したとき |
(罰則)
第15条 第6条の規定による命令に違反した者は、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。
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5.「内閣総理大臣は、宅地建物取引業者に対し景表法第6条の規定に基づく
措置命令をした場合、当該業者に係る宅地建物取引業の免許をした国土交通大臣
又は都道府県知事に対し、その免許を取り消すよう通知しなければならない。」改正
H4-32-1
【正解:×】
◆措置命令 内閣総理大臣は、措置命令をしたときに、免許を取消しについて免許権者に通知するという規定はありません。 |
●法改正 |
第6条(措置命令) 内閣総理大臣は、第3条の規定による制限〔景品類の制限及び禁止〕若しくは禁止又は第4条第1項の規定〔不当な表示の禁止〕に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、次に掲げる者に対し、することができる。 |
第3条(景品類の制限及び禁止) 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。 |
第4条(不当な表示の禁止) 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの |
(公聴会等及び告示)
第5条 内閣総理大臣は、第2条第3項若しくは第4項若しくは前条第1項第3号の規定による指定若しくは第3条の規定による制限若しくは禁止をし、又はこれらの変更若しくは廃止をしようとするときは、内閣府令で定めるところにより、公聴会を開き、関係事業者及び一般の意見を求めるとともに、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
2 前項に規定する指定並びに制限及び禁止並びにこれらの変更及び廃止は、告示によつて行うものとする。
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6.「宅地建物取引業者は、土地及び建物の売買に際し、購入者に景品類を提供
するときは、その旨をあらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならない。」
H4-32-2
【正解:×】
◆景品類の提供を届出する義務はない 景品類を提供するときに、あらかじめ内閣総理大臣に届出する規定はありません。 |
7.「内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認める
ときは、景品類の最高額を制限する事はできるが、景品類の提供を禁止すること
はできない。」
【正解:×】
◆景品類の提供の禁止 公正取引委員会は、不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認めるときは ・景品類の価額の最高額、総額、種類、提供の方法、 その他景品類の提供に関する事項を制限する ・景品類の提供を禁止する この2つをすることができます。 (景品表示法3条) |
8.「不当景品類及び不当表示防止法での景品類とは、顧客を誘引するための
手段として、その方法が直接的であるか、間接的であるかを問わず、くじの方法に
よるかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(不動産に関する
取引を含む)に附随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益で
あって、内閣総理大臣が指定するものをいう。」
【正解:○】
◆景品類の定義 景品表示法2条3項そのままの記述です。 「内閣総理大臣が指定する」という点がポイントです。 |
●都道府県知事の指示 |
第8条(都道府県知事の指示) 都道府県知事は、第3条の規定による制限若しくは禁止又は第4条第1項の規定に違反する行為があると認めるときは、当該事業者に対し、その行為の取りやめ若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を指示することができる。その指示は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、することができる。
第9条(内閣総理大臣への措置請求) 都道府県知事は、前条の規定による指示を行つた場合において当該事業者がその指示に従わないとき、その他同条に規定する違反行為を取りやめさせるため、又は同条に規定する違反行為が再び行われることを防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 前項の規定による請求があつたときは、内閣総理大臣は、当該違反行為について講じた措置を当該都道府県知事に通知するものとする。
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●権限の委任 |
(権限の委任) 第12条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。 2 消費者庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を公正取引委員会に委任することができる。 3 公正取引委員会は、前項の規定により委任された権限を行使したときは、速やかに、その結果について消費者庁長官に報告するものとする。 (内閣府令への委任) |