法令上の制限 基礎編
建築基準法・建築確認と建築協定
●建築協定(1) 平成5年・問24
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | × | × |
建築基準法の規定によれば、次の記述は○か、×か。 |
1.「建築協定を締結するには、当該建築協定区域内の土地(借地権の目的となっている土地はないものとする)の所有者の、全員の合意が必要である。」 |
【正解:○】
◆全員の合意 建築協定を締結しようとするときは、反対者に協定を守らせることは不適切であるため、所有権者等の「全員の合意」が必要です。 なお借地権の目的になっている土地があるときは、借地権のある土地の所有者ではなく、当該借地権者の合意があればよいとされています。 つまり、借地権の目的となっていない土地の所有者と の全員の合意によって、建築協定は誕生します。 しかし、“廃止”のときは、“過半数の合意”をもって廃止する、となっており、全員の合意は必要とされていないことに注意しましょう。(出題歴あり) |
2.「建築協定は、当該建築協定区域内の土地の所有者が1人の場合でも、定めることができる。」 |
【正解:○】
◆一人協定 建築協定区域や建築物に関する基準、その他を定めた「建築協定書」を作成し、特定行政庁の認可を受ければ、所有者1人でも、建築協定を定めることができます。 (いわゆる一人協定)(76条の3) <関連> 「一人協定」は、認可の日から3年以内に協定区域内の土地に“2以上の土地の所有者等が存することとなった時”から効力を生じます。 つまり、1人のままでは効力を発しない、ということです。 |
3.「建築協定は、建築物の敷地、位置及び構造に関して定めることができるが、用途に関しては定めることができない。」 |
【正解:×】
◆建築協定書 建築協定の目的とすることのできるものは、環境、利便の維持・増進のため定められたその区域内における建築物の「敷地」「位置」「構造」「形態」「意匠」「建築設備」又は「用途」に関しても定めることができ、これによって、その区域にふさわしくない用途の建築物を排除することもできます。 (例) 建築協定書は、 建築物の基準、協定の有効期間、協定違反があった場合の措置 を定め、その代表者によって特定行政庁に提出し、その認可を受けます。(70条1項) (当該建築協定区域が建築主事を置く市町村の区域外にあるときは、その所在地の市町村の長を経由して、特定行政庁に提出) |
4.「建築協定は、特定行政庁の認可を受ければ、その認可の公告の日以後新たに当該建築協定区域内の土地の所有者となった者に対しても、その効力が及ぶが、借地権者になった者、建築協定の目的となっている建築物の借主になった者には及ばない。」改 |
【正解:×】
◆建築協定の効力 認可決定した建築協定区域内の土地を買った者(承継人)にも、建築協定の効力は及び、当然その協定に従ってもらいます(イヤなら買うな!)。(75条) また、借地権者になった人(70条3項)、 にも建築協定の効力は及び、守らなければいけません。 (この理由は、1人協定を考えてみるとわかります。1人協定を作成した人だけに効力が及ぶのでは、そもそも協定を作った意味がありません。) |