法令上の制限 基礎編

建築基準法・建築確認の問題1

●建築確認申請まで

正解・解説


【正解】

× × × ×

都市計画法の改正により創設された準都市計画区域の区域内でも都市計画区域とほぼ同じ規制が適用され、建築確認の規定も適用されます。

建築基準法の規定によれば、次の記述は○か、×か。

1.「人口10万人以上の市は、その長の指揮監督の下に、建築確認に関する事務

をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。」H9-24-1

【正解:×

◆建築主事

・政令で指定する人口25万人以上の市 → 建築主事を置かなければならない

・上記以外の市町村 →建築主事を置くことができる
                (都道府県知事と協議して,その同意を得ることが必要)

都道府県 → 建築主事を置いた市町村の区域外の建築確認に関する事務を
          つかさどらせるために建築主事を置かなければならない

 特定行政庁は、その所轄区域を分けて、その区域を所轄する建築主事を指定することができます。

 建築主事は、市町村又は都道府県の職員で、国土交通大臣又は国土交通大臣が指定する機関が行う資格検定に合格し、国土交通省の建築基準適合判定資格者登録簿に登録されている者の中から、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命じます。(建築基準法・4条6項)

確認検査員(指定確認検査機関の確認検査業務を行う者)も国土交通省の建築基準適合判定資格者登録簿に登録されている者でなければなりません。指定確認検査機関は最低でも2人以上、この確認検査員を置かなければいけません。

<念のため>特定行政庁の定義(法2条33号) ⇒ 特定行政庁の所在地

 1.建築主事を置く市町村の区域では、市町村長

 2.その他の市町村の区域では、都道府県知事

【類題】

「都道府県、指定都市、中核市、特例市及び事務処理市町村には、その長

の指揮監督の下に、建築確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事

を置かなければならない。」

【正解:×

 建築主事は、都道府県には必ず置かなければなりませんが、その他であって

も置くことはできます。

 しかし、政令で定める人口25万人以上の市でなければ、置くことは義務付け

られてはいません。

2.「建築主は、新築工事に着手する前に、床面積の合計が10平方メートルを超え

る場合は建築工事届を都道府県知事に、原則として提出しなければならないが、

建築確認が不要な時はこの限りではない。」【類題】 H8-23-1

【正解:×

◆建築工事届、建築物除却届(法15条-届出及び統計-)

 建築主が建築物を建築しようとするときは、床面積の合計が10平方メートルを超える場合には建築工事届を建築主事を経由して都道府県知事に、提出しなければなりません。これは、建築確認が不要な場合でも必要です

  当該確認申請と同時に指定確認検査機関からの確認済証の交付を受けた場合においては、遅滞なく行わなければなりません(施行規則・8条3項)

 都道府県知事は、この届出や報告に基づき、建築統計を作成し、これを国土交通大臣に送付し、かつ関係書類を国土交通省令で定める期間保管しなければいけません。

<参考>建築物除却届

 建築物の除却工事(床面積の合計が10平方メートルを超える場合)をしようとするときも、施工者は建築主事を経由して都道府県知事に、提出しなければなりません。

公示施工者の必要な措置

第90条(工事現場の危害の防止)

1  建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。

2  前項の措置の技術的基準は、政令で定める。

3  第三条第二項及び第三項、第九条(第十三項及び第十四項を除く。)、第九条の二、第九条の三(設計者及び宅地建物取引業者に係る部分を除く。)並びに第十八条第一項及び第十四項の規定は、第一項の工事の施工について準用する。


3.「建築物の敷地は、建築基準法上の道路(自動車専用道路などを除く)に2m

以上接しなければならないが、これを満たしていない場合でも建築確認のときに、

建築主事が裁量で判断するため、建築確認申請の前に、あらかじめ特定行政庁

の許可をとる必要はない。」

【正解:×

◆接道義務の許可は、建築確認申請の前に←スキームの変化に注意

 接道義務の但し書を適用するかどうか(接道義務を果たしていなくても問題がないか)の判断は、改正前は、主に建築主事が裁量で行ってきました。しかし、平成11年5月1日施行の建築基準法改正で、建築確認申請の前に、特定行政庁の許可をとらなければいけなくなりました。

 この接道義務の但し書に関する許可申請では、建築物の内容についても提出することになっています。但し書を適用するかどうかの判断に、建築物の種類や規模、位置なども必要な為です。

 建築確認・検査は、主に「技術的な基準の適合性のチェックだけを行う」ことになり
これまで建築確認で行ってきた「裁量を伴う判断」は行政側で行う事になりました。
(民間の指定確認検査機関でも建築確認・検査を行う事になったということにも関連します)

 接道義務の但し書以外にも、建築確認の前に、特定行政庁などの許認可をとっておかなければならないものは他にもありますので、ご注意下さい。

<参照条文>

 建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。(43条1項)

4.「特定行政庁は、政令で定めるところにより、当該市町村又は都道府県の吏員

のうちから確認検査員を命じ、緊急の必要がある場合は、建築基準法の規定又は

規定に基づく許可に違反した建築物又は建築物の敷地の、仮の、使用禁止又は

使用制限の命令を行うなどの特定行政庁の権限を行わせることができる。」

【正解:×

◆建築監視員確認検査員

 確認検査員とは、指定確認検査機関の確認検査業務を行う者のことであり、

本問の記述は、特定行政庁の任命する建築監視員に関するものです。

混同しないように注意しましょう。 

5.「建築基準法でいう建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、又は

移転することをいう。」

【正解:

◆建築の定義

 建築とは、建築物を「新築」し、「増築」し、「改築」し、又は「移転」する

4つのことをいいます。(建築基準法・2条13項)

改築 建築物の全部、又は一部を建て直すこと。

(従前の建築物の用途、構造、規模が著しく異ならないこと)

移転 同一敷地内で建築物を解体せず、別の位置に移すこと

(道路を挟んだ場合は、「新築」になります)

主要構造部 壁、柱、はり、床、屋根、階段の6つ。
大規模の修繕 主要構造部の1種類以上に行う過半の修繕
大規模の模様替え 主要構造部の1種類以上に行う過半の模様替え

引き続き、建築確認の問題2を解く

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