法令上の制限 基礎編
建築基準法・建築確認の問題3
●建築確認と指定確認検査機関
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
× | × | ○ | ○ | × | × | × | × |
都市計画法の改正により創設された準都市計画区域の区域内でも都市計画区域とほぼ同じ規制が適用され、建築確認の規定も適用されます。 |
建築基準法の規定によれば、次の記述は○か、×か。 |
1.「建築主事は、建築確認申請を受理したとき、原則として4日以内に確認の審査を
しなければならないが、一定の大型建築物等については、14日以内とされている。」
【正解:×】
◆建築主事が建築確認申請を受理してから「確認の審査」をするまでの期間
まとめると ・原則(小型建物等)……7日以内 ・一定の大型の建築物等…35日以内 <関連URL> |
2.「建築主は、建築主事が確認の申請について不適合の処分をした場合、
当該建築主事を置く都道府県又は市区町村の長に対し、審査請求をすること
ができる。」H5-21-4改、【類題】H9-24-4
【正解:×】
◆審査請求→建築審査会→口頭審査→裁決→再審査請求(国土交通大臣へ) 建築主は、建築主事が確認の申請について不適合の処分をした場合、不服があるときは当該建築主事を置く都道府県又は市町村の建築審査会に対し、審査請求をすることができます。 指定確認検査機関の不適合の処分について不服があるときは、当該処分に係る建築物又は工作物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対して審査請求をすることができます。 建築審査会は、裁決を行う前に、公開による口頭審査を開き、審査請求を受理した日から1ヶ月以内に裁決をすることになっています。(建築基準法94条) さらに、建築審査会の裁決にも不服がある場合は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができます。(建築基準法95条) |
3.「指定確認検査機関は、中間検査、完了検査を引き受けた場合、その旨を建築
主事に通知しなければならない。また、この通知は引受けを行った日から7日以内
で、かつ、当該工事(中間検査においては特定工程の工事)が完了してから4日以
内に行わなければならない。」
【正解:○】
◆建築主事への通知 引受けを行った日から7日以内で、かつ、当該工事(中間検査においては特定工程の工事)が完了してから4日以内に、建築主事へ通知する事になっています。
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4.「指定確認検査機関は、確認済証、中間検査合格証、検査済証を交付したときは、
7日以内に、国土交通省令に規定する報告書および書類によって、特定行政庁に
その旨を報告しなければならない。」
【正解:○】
◆特定行政庁への報告
●中間検査・完了検査の流れ
◆特定行政庁 vs 指定確認検査機関 特定行政庁は、所管区域内で指定確認検査機関が行った確認検査に疑義がある場合、指定確認検査機関に必要な措置をとるよう指示することができる。 特定行政庁は、指定確認検査機関から確認済証交付の報告を受けた後、その建築物の計画が建築基準関係規定に適合していないと認める場合は、その旨を指定確認検査機関と建築主に通知し、この通知によって、その確認済証は失効する。(取消しということ) |
5.「建築主事が建築確認したときの確認済証は建築主事名で交付されるが、
指定確認検査機関が建築確認したときの確認済証は確認を行った確認検査員の
名で交付される。」
【正解:×】
◆指定確認検査機関の交付する確認済証 指定確認検査機関が建築確認したときの確認済証は確認を行った確認検査員の名ではなく、指定確認検査機関の名で交付されます。 確認済証を交付したときは、交付の日から7日以内に特定行政庁に報告する事になっています。 |
6.「建築物を用途変更して、その用途に供する部分の床面積が100平方メートル
を超える特殊建築物とする場合、工事が完了したときは、建築主事の検査を申請
しなければならない。」
【正解:×】
◆用途変更での完了検査はない+建築確認の準用 建築物を用途変更して、その用途に供する部分の床面積が100平方メートルを超える特殊建築物とする場合には、実は完了検査の申請を行うのではなく、建築主事へ届け出ることになっています。つまり、完了検査はありません。(87条1項) 実は、用途に供する部分の床面積が100平方メートルを超える、特殊建築物への用途変更は、建築確認(6条1項)の規定を「準用する」ことになっているため、別扱いなのです。 なお、この建築確認の準用は、政令で指定された工作物や建築設備にも適用されることになっています。 建築設備 87条の2、施行令146条 (昇降機など) 工作物 88条、施行令138条 (2m超擁壁・4m超広告塔・6m超煙突・8m超高架水槽等・ 15m超鉄柱及び木柱) |
7.「原則として、確認済証の交付を受けた後でなければ、当該建築工事に着工
することはできないが、例外規定があり、確認の申請をしたにもかかわらず、規定
の期間内に確認がないときは、建築主は、確認申請した建築計画に限定したもの
を行うのならば、建築工事に着工してもよい、とされている。」
【正解:×】
◆確認済証交付後のみ、着工できる 確認済証の交付を受けた後でなければ、当該建築工事に着工することはできません。また、本問のような例外規定もありません。(建築基準法6条6項) 建築確認の趣旨は、その建築計画において、その建築物や敷地、構造・建築設備が建築基準法令の規定に適合するかチェックする為のものであり、確認なしに着工を許す事はできません。 |
8.「指定確認検査機関とは、建築主事に代わって、建築物の確認又は検査(中間
検査・完了検査)を行う民間の機関であるが、1の都道府県の区域において確認
検査の業務を行おうとする場合も、2以上の都道府県の区域において確認検査の
業務を行おうとする場合と同じく、国土交通大臣が指定するものである。」
【正解:×】
◆指定確認検査機関の指定(6条の2の2項) 指定確認検査機関は、指定の申請の際に、業務区域を定めなければいけません。 業務区域がどの区域かによって、指定の申請先が異なっているからです。 1の都道府県の区域において確認検査の業務を行おうとする場合→都道府県知事 2以上の都道府県の区域において確認検査の業務を行おうとする場合→国土交通大臣 指定確認検査機関の指定状況 |
●指定確認検査機関創設の背景 |
平成10年の建築基準法改正で、指定確認検査機関という制度ができましたが、
この背景の一つには、建築主事や建築行政職員数の絶対的な不足がありました。 平成8年のデータでは、日本全体で以下のようになっていました。 ・建築着工件数 年間約110万件 ・建築主事数 約1,800人 →建築主事1人当たり年間600件 ・諸外国に比較しても建築行政職員数が少なかったこと。 (人口10万人当たり 日本 5.8人、アメリカ 25.7人、オーストラリア 23.0人) |