法令上の制限 基礎編

建ぺい率に関する問題1 建ぺい率の基礎知識

正解・解説


【正解】

×
×

建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合)に関する次の記述は、

建築基準法の規定によれば○か、×か。

1.「建ぺい率は、前面道路の幅員に応じて、制限されることはない。」H2-23-1

【正解:

◆前面道路幅による建ぺい率の変化ナシ

 容積率では、前面道路の幅員に応じて、最高限度が変わることがありますが、

建ぺい率ではありません。

【類題】 数字が入って惑わせている問題

 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(「建ぺい率」という。)は、当該建築物の前面道路の幅員が12m未満である場合においては、その幅員に応じて、制限される。 

【正解 : ×】 H8-24-3

2.「建築物を建築する場合、その敷地が街区の角にある敷地として特定行政庁

の指定を受けているとき、建ぺい率の最高限度は20パーセント増加する。」H10-22-2改

【正解:×

◆角地指定のプレミアム・ポイントは1/10加算

 特定行政庁による角地指定(またはこれに準じる敷地)では、

その地域の建ぺい率の最高限度に1/10加算したものが

建ぺい率の最高限度になります。

 宅建の試験では、このようにパーセントを使うこともあります。

3.「街区の角にある敷地で特定行政庁が指定するものの内にある耐火建築物

については、その地域の建ぺい率の最高限度の数値に1/10を加えた数値がその

敷地全体の建ぺい率の最高限度になる。」【類題】H1-20-4

【正解:

◆防火地域+耐火建築物

 「角地+耐火建築物」では、

防火地域+耐火建築物」のプレミアム・ポイントの1/10は加算されません

本設問では、角地指定のプレミアム・ポイントの1/10のみの加算になります。

 このテのヒッカケは、宅建試験の最も得意とするところです。注意しましょう。

例えば、

 防火地域+耐火建築物→× 残念!! プレミアム・ポイント 1/10なし

 防火地域+耐火建築物→× 残念!! プレミアム・ポイント 1/10なし

のようなものにも、気をつけてください。

耐火建築物 耐火建築物
防火地域    ×
防火地域  ×  ×

4.「防火地域内で、かつ、建ぺい率の限度が8/10とされている近隣商業地域内にある

耐火建築物については、建ぺい率制限は適用されない。」'02法改正

【正解:

防火地域+耐火建築物建ぺい率8/10の地域内制限ナシ(10/10)

原則 角地のみ 防火+耐火のみ 角地防火+耐火
第1種住居地域

第2種住居地域

準住居地域

準工業地域

5/10

6/10

8/10

+1/10

のみ加算

(都市計画で

建ぺい率の限度が

8/10ではないとき)

+1/10のみ加算

(都市計画で

建ぺい率の限度が

8/10のとき)

建ぺい率制限は

適用されない 10/10

(都市計画で

建ぺい率の限度が

8/10ではないとき)

+2/10加算

(都市計画で

建ぺい率の限度が

都市計画で8/10のとき)

建ぺい率制限は

適用されない 10/10

近隣商業地域

6/10

8/10

商業地域

8/10

+1/10

のみ

建ぺい率制限は

適用されない 10/10

建ぺい率制限は

適用されない 10/10

「建ぺい率制限は適用されない」・・・宅建試験で表現する「制限ナシ」

 一度見ておけば、大丈夫です。これはよく誤解されて、「その区域の建蔽率が適用されない」というふうに、思ってしまうことがあります。ご注意のほどを。

5.「建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合、その敷地内の建築物全部

が耐火建築物であるときは、その敷地はすべて防火地域内にあるものとみなさ

れる。」

【正解:

◆防火地域+耐火建築物

1) この条件がそろえば、建ぺい率が「10分の1」オマケされ、(プレミアム・ポイント)

また、建ぺい率が8/10の地域にあれば、建ぺい率規定は適用されません

10/10にできます'02法改正

建ぺい率8/10

の場合がある地域

 第1種住居地域・第2種住居地域・  

 準住居地域・近隣商業地域・準工業地域

建ぺい率が8/10

のみの地域

 商業地域

2) そして、建築物が複数の区域にまたがる場合は、

      防火地域+準防火地域

      防火地域+防火地域に指定されていない区域

では、その建築物全てにわたって、防火地域にあるとみなされ、その建築物全体には、防火地域の規制が適用されました。防火地域の面積にはよらないことを復習しておきましょう。

1)2)により、敷地のどこに建築物を建築するかで、建ぺい率の最高限度まで変わってしまうことに気づいていただければ、本設問の役目は終わります。

 当然の事ですが、防火地域ではない敷地のほうに建築物を建ててしまえば、このプレミアム・ポイントはつきません。したがって、本設問のケースでは少しでも防火地域に建築物がかかるようにしておけば、最高限度に建築物が建てられることになります。

6.「公園内にある建築物で、特定行政庁が、安全上、防火上及び衛生上支障がない

と認めて認可したものについては、建ぺい率制限は適用されない。」H1-20-2改

【正解:

◆建ぺい率制限が適用されない場合→建ぺい率を10/10にできる場合

(法53条5項) '02法改正

建ぺい率8/10の地域内で、かつ防火地域にある耐火建築物
交番・公衆便所・公共用歩廊その他これに類する建築物
公園・広場・道路等の内にある建築物で、特定行政庁

安全上、防火上及び衛生上支障がないと認め

あらかじめ建築審査会の同意を得て認可したもの

7.「建築物の敷地が第一種中高層住居専用地域と第一種住居地域にわたり、

かつ、当該敷地の過半が第一種中高層住居専用地域にある場合は、当該敷地

が第一種中高層住居専用地域内にあるものとみなして、建ぺい率に係る制限が

適用される。」H2-23-2

【正解:×

◆複数の用途地域→加重平均

 面積の過半の用途地域の建ぺい率の最高限度が適用されるのではなく

 その用途地域の建築面積/敷地面積×その用途地域の建ぺい率の最高限度

を別々に計算して、合計する方法(加重平均)で算出します。


引き続き、建蔽率と用途地域を解く

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