法令上の制限 基礎編

高さの規制に関する問題1 低層住居専用地域と高さ制限

正解・解説


【正解】

× × × ×

都市計画法の改正により創設された準都市計画区域の区域内でも都市計画区域と同じ規制が適用されます。

次のそれぞれの記述は、建築基準法の規定によれば○か、×か。

1.「第一種低層住居専用地域において、建築物の高さの最高限度は、15mである。」

5-22-1

【正解:×

◆高さ(第一種・第二種低層住居専用地域内の建築物の高さの限度)

 10m または12mのうち都市計画で定められた建築物の高さの限度

 これにより不適切。 

<根拠条文>55条

 ●原則 1)第一種低層住居専用地域の高さ制限は、10mまたは12mのうち、

     当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度

     2) 本来10mなのに12mになる場合

     その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、

     その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物であつて、

     特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと

     認める(許可した)ものの高さの限度は、12 m (55条2項)

 ●例外 この規定を守らなくてもいい場合(10mまたは12mを超えてもよい)

特定行政庁は、この規定による許可をする場合においては、あらかじめ、

 建築審査会の同意を得なければなりません。(55条3項)

 1)その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物

  あつて、低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて

  特定行政庁が許可したもの(建築審査会の同意→特定行政庁の許可)    

 2)学校その他の建築物であつて、その用途によつてやむを得ないと認めて

  特定行政庁が許可したもの(建築審査会の同意→特定行政庁の許可)

【類題】

 第一種低層住居専用地域内において、3階建ての住宅(高さ10m)は、特定行政庁の許可を得なければ、建てることができない。H6-21-1

【正解 : ×

 「3階建て」という部分はヒッカケで入れているだけです。これに惑わされてはいけません。問題を解く上でポイントになるのは高さ10mだけです。

2.「第一種低層住居専用地域内においては、建築物の高さは10mまたは12m

以内に制限されているために、重ねて、道路斜線制限の適用を受けることはな

い。」

【正解:×

◆低層住居専用地域内において、隣地斜線制限はない

  低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定めるとなっています。(第2種では、「主として」がつきます)

 「低層住居専用地域内での高さの制限」〔建築物の高さの制限〕と「斜線制限」〔建築物の各部分の高さの制限〕とは別物です。両方とも、安全と健康のため守らなければならない制限です。

 但し、第一種低層住居専用地域内および第二種低層住居専用地域内においては、「10mもしくは12m」のうち、都市計画で定められた高さを超えてはならないことから

“隣地斜線制限”がありません。

 第一種低層住居専用地域内および第二種低層住居専用地域内において、建築物の各部分の高さの規制があるのは、北側斜線制限・道路斜線制限・日影制限です。

<用語解説>

道路斜線制限前面道路の幅員による建築物の各部分の高さの制限

 建築物の各部分の高さは、建築物の外壁から前面道路の反対側の境界線までの距離により、制限を受ける。

●第一種・第二種低層住居専用地域内の高さ制限のまとめ
高さの限度 10mまたは12mのうち、

当該地域に関する都市計画において定められた

建築物の高さの限度

北側斜線制限 低層住居専用地域、中高層住居専用地域のみに適用。

日照の確保を目的

道路斜線制限 全用途地域および用途地域の指定のない都市計画区域に適用。
隣地斜線制限 ・低層住居専用地域では

絶対的高さの制限があるため、隣地斜線の適用はない。

・下記の数字より低い建築物には適用がないため。

 住居系の適用地域=立上り20 m または一部で 31 m

 その他の地域=立上り31 m

日影制限

▼低層住居専用地域では

軒の高さが7mを超えるか、又は、地階を除いて3階以上の建物

▼低層住居専用地域以外の適用区域では高さが10 m超

(低層住居専用地域以外の5つの住居系+近隣商業+準工業

+用途地域の指定のない都市計画区域)

●ゴロ合わせ 奈々さんは、十兆円 or 7軒、3階、十兆円

3.「第一種低層住居専用地域内において、隣地斜線制限(建築基準法第56条

第1項第2号の制限をいう。)は、適用される。」H6-21-3

【正解:×シツコイ?

◆低層住居専用地域内において、隣地斜線制限はない

 低層住居専用地域では絶対的高さの制限(10mまたは12m)があって、隣地斜線制限の立ち上がりの20mまたは31mより低いため、隣地斜線制限の適用はありません。

4.「第一種低層住居専用地域内又は第二種低層住居専用地域内において、

日影規制(建築基準法第56条の2の制限をいう。)の対象となるのは、軒の高さが7m

又は高さが10mを超える建築物である。」

【正解:×

◆日影規制  奈々さんは、十兆円

 このゴロ合わせで、しっかり覚えてください。  

▼低層住居専用地域

軒の高さが7mを超えるか、又は、地階を除いて3階以上の建物

 →これにより不適切。

▼低層住居専用地域以外の適用区域では高さが10 m超

(低層住居専用地域以外の5つの住居系+近隣商業準工業

用途地域の指定のない都市計画区域)

<参考>

◆都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域にも高さの規制はあるか

 両区域以外の区域内の建築物に係る制限(法68条の9)

都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物又はその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる。これについては、施行令136条の2の8参照

〔施行令136条のの2の8〕

1.建築物又はその敷地と道路との関係 法第43条から第45条までの規定による制限より厳しいものでないこと。

2.建築物の容積率の最高限度 用途地域の指定のない区域内の建築物についての法第52条の規定による制限より厳しいものでないこと。

3.建築物の建ぺい率の最高限度 用途地域の指定のない区域内の建築物についての法第53条の規定による制限より厳しいものでないこと。

4.建築物の高さの最高限度 地階を除く階数が2である建築物の通常の高さを下回らない数値であること。

5.建築物の各部分の高さの最高限度 用途地域の指定のない区域内の建築物についての法第56条の規定による制限〔隣地斜線制限・道路斜線制限・北側斜線制限〕より厳しいものでないこと。

6.日影による中高層の建築物の高さの制限 用途地域の指定のない区域内の建築物についての法第56条の2の規定による制限より厳しいものでないこと。

◆準都市計画区域の区域内にも高さの規制

 都市計画法の改正により創設された「準都市計画区域」内に、都市計画区域内と同様の建築基準法による規制が適用されることになり(法第41条の2)

高さの規制、容積率、建ぺい率なども規制を受けることになりました。


引き続き、高さ規制の問題2を解く

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