税法その他 基礎編

登録免許税の問題2

登録免許税の軽減措置 住宅用家屋の軽減税率

正解・解説


【正解】

× × × × × ×

     改正後の本則  特例措置  住宅軽減税率
 所有権の保存  0.4%  0.2%  0.15%
 所有権の移転  2 %  1 %  0.3%
 抵当権の設定  0.4%  0.4%  0.1%

住宅用家屋の所有権の保存登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の適用

に関する次の記述は、○か×か。

住宅用家屋の税率の軽減措置 所有権保存登記

 この軽減措置を受けるための要件は、次の通りです。

    →土地には適用されないことに注意。

1.個人であること →法人はダメ。

2.自分の住宅として使用すること →併用住宅・賃貸住宅はダメ。

3.家屋の床面積(登記簿の面積がと50平方メートル以上であること →上限なし

4.住宅を新築し新築後1年以内にする保存登記

  または

  建築後未使用の住宅を取得し、取得後1年以内にする保存登記

1.「この税率の軽減措置は、従業員の社宅として新築した住宅用家屋について

法人が受ける登記には適用されない。」H10-26-1

【正解:

◆法人はダメ 

2.「この税率の軽減措置は、既にこの税率の軽減措置の適用を受けたことのある

者が受ける登記には適用されない。」H10-26-2

【正解:×

既にこの税率の軽減措置の適用を受けたことがあっても構わない。

 上にあげた要件さえ、揃っていればよい。

3.「この税率の軽減措置は、鉄筋コンクリート造の住宅用家屋の登記にのみ適用

があり、木造の住宅用家屋の登記には適用されない。」H10-26-3

【正解:×

◆個人の住宅に供される1棟の家屋で新築、or 建築後未使用のものの取得

では構造は関係なく要件が揃っていれば、適用される。

▼専ら当該個人の住宅の用に供される一棟の家屋では、構造の制限はない。

▼新築の区分所有建物の独立した部分の所有権保存の場合は、

  ・「耐火・準耐火建築物」と「準耐火建築物に準ずる耐火性能を有するものとして

  国土交通大臣の定める基準に適合するもの」の2つに区分けされている。

など、一戸建てよりも少し基準が厳しい。

 (租税特別措置法・施行令41条1号・2号)

4.「この税率の軽減措置は、その登記を受ける年分の合計所得金額が 3,000万

円超である個人が受ける登記には適用されない。」H10-26-4

【正解:×

◆所得によって軽減措置が受けられないと言う事はない

5.「この税率の軽減措置は、住宅金融公庫の融資対象住宅の登記に対しては、

適用されない。」H1-30-4

【正解:×

◆要件を満たせば、住宅金融公庫の融資対象でも適用される 

6.「この税率の軽減措置は、住宅用家屋の取得後6月を経過した後に受ける保存登記

に対しては適用されない。」

【正解:×

◆新築後、or 建築後未使用のものの取得後、1年以内ならいつでもよい 

7.「この税率の軽減措置は、家屋の床面積(登記簿の面積)が50平方メートルを

超える住宅用家屋の登記であることが要件の一つになっている。」類・H1-30-2

【正解:×

家屋の床面積(登記簿の面積)50平方メートル以上が要件(上限なし) 

 本設問文では、50平方メートルを「超える」となっているため、不適切。

住宅用家屋の税率の軽減措置 所有権移転登記〔売買又は競落によるもの〕

 ⇒ 平成23年3月31日までに新築または取得した場合

●建築後未使用の住宅を取得し、取得後1年以内にする移転登記

●個人が一定の中古住宅を取得して取得後1年以内にする所有権移転登記

 この2つとも、税率の軽減措置を受けるための要件は、次の通りです。

1.個人であること →法人はダメ。

2.自分の住宅として使用すること →賃貸住宅はダメ

3.家屋の床面積(登記簿の面積)が50平方メートル以上であること→上限ナシ

(マンションなどの区分所有の耐火性のあるものでは、自己の居住部分の床面積が登記面積50平方メートル以上)

4.中古住宅では、その取得の日以前20年以内に建築されたものであること

  (建物登記簿に記載された構造が鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造その他の財務省令で定めるものである家屋にあつては、25年以内)

 ただし、耐震性を有する既存住宅〔地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の既存住宅〕の場合は、築年数を問わず、適用されることに注意。

     ***

●住宅取得資金の貸付等に係る抵当権の設定登記

 新築・取得資金の貸付に係る債権を保全する為の、上記の住宅を目的とした抵当権の設定の登記で、新築後または取得後1年以内に行うものについても、税率の軽減措置があります。

税率の軽減措置

 住宅用家屋の所有権保存登記・移転登記・抵当権の設定登記の税率軽減は、住宅だけで土地には適用されません。(●平成15年4月1日以降は,売買による取得に限定され,相続や贈与で取得した住宅用家屋には適用されない。)

<サンプル>

 50平方メートル以上の一戸建ての未使用の新築住宅を

 敷地の土地と合わせて、自己自身の居住用として購入し、

 所有権移転登記するときの登録免許税の軽減措置

・「住宅」・・・住宅用家屋の税率の軽減

       課税標準 × ▼税率 = 税額

                   ↑ココの税率が低くなる

                    所有権の保存登記 0.15 % (0.4 %)

                    所有権の移転登記 0.3 % (2 %)

                    抵当権の設定登記 0.1 % (0.4%)

                                      ( )内は本則

・「土地」・・・税率の軽減は、緊急措置の「本則の1/2」のみです。(非・住宅と同じ)

       課税標準 × ▼税率 = 税額

                   ↑所有権の移転登記 1% (2%)

                    所有権の保存登記 0.2 % (0.4 %)

                    抵当権の設定登記 0.4 % (0.4%)

                                   ( )内は本則

    本則の1/2の特例税率  住宅用家屋の軽減税率
 住宅  ・・・・・・  ある
 非・住宅  ある  ない
 土地  ある  ない
●所有権移転登記の復習
相続または法人の合併による移転の登記

遺贈、贈与、その他無償名義による移転の登記

・共有物の分割による移転の登記(分筆前の共有持分に応じた部分)

売買その他の原因による移転の登記

など


引き続き、登録免許税の問題3を解く

登録免許税のトップに戻る

法令上の制限・税法その他編のトップに戻る