宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 平成元年・問40 取引主任者証
主任者証の返納・従業者証明書の提示・法定講習・登録の移転
宅地建物取引主任者証 (以下この問において「取引主任者証」という。) に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成元年・問40) |
1.「宅地建物取引主任者は,登録が消除されたときは,速やかに,取引主任者証を廃棄しなければならない。」 |
2.「宅地建物取引主任者は,取引の関係者から従業者証明書の提示の請求があったときは,取引主任者証の提示をもってこれに代えることができる。」 |
3.「宅地建物取引主任者が,取引主任者証の交付を受けた後,6月以内に行われる国土交通省令で定める講習を受けなければ,当該交付を受けた取引主任者証は,その効力を失う。」 |
4.「宅地建物取引主任者が登録の移転をしたときに,当該登録移転前に交付を受けていた取引主任者証は,その効力を失う。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
1.「宅地建物取引主任者は,登録が消除されたときは,速やかに,取引主任者証を廃棄しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆主任者証の返納 取引主任者証は,登録が消除されたとき,又は取引主任者証が効力を失ったときに,速やかに,交付を受けた都道府県知事に返納しなければいけないことになっています(宅建業法・22条の2・第6項)。 『廃棄する』という本肢は誤りです。
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2.「宅地建物取引主任者は,取引の関係者から従業者証明書の提示の請求があったときは,取引主任者証の提示をもってこれに代えることができる。」 |
【正解:×】 ◆従業者証明書の提示 宅建業者は,従業者に,従業者証明書を携帯させる義務があり,携帯させなければその者を業務に従事させてはいけません(宅建業法48条1項)。 また,従業者は,取引の関係者の請求があったときは,その従業者であることを証する証明書を提示しなければなりません(宅建業法48条2項)。 取引主任者は,取引の関係者から請求があったときは,取引主任者証を提示しなければなりません(宅建業法22条の4第2項)が,従業者証明書の提示とは別の規定なので,取引主任者証の提示をもって従業者証明書の提示にすることはできないので,本肢は誤りです。 取引主任者証には,勤務する宅建業者の名称などは記載されていないので,取引主任者証だけでは,その宅建業者の従事者であるかどうかはわかりません。 |
3.「宅地建物取引主任者が,取引主任者証の交付を受けた後,6月以内に行われる国土交通省令で定める講習を受けなければ,当該交付を受けた取引主任者証は,その効力を失う。」 |
【正解:×】 ◆主任者証交付申請時の知事指定の講習の受講義務 本肢では,<主任者証の交付を受けた後,・・・講習を受けなければ,・・・主任者証は,その効力を失う>となっていますが, 知事指定の講習は,主任者証の交付申請前6月以内に行われるものを受講しなければならない〔宅建試験に合格して1年以内に交付申請する場合は受講する必要はない。〕 ので,本肢は誤りです 主任者証の交付を申請するには,原則として,登録している知事が指定する講習 (交付申請前6月以内に行われるもの,他の道府県内で行われるものでも,登録をしている知事が指定していれば受講できる。) を受講する必要があります。(宅建業法・22条の2第2項)。
▼更新時の講習 主任者証の有効期間の更新を受けようとする者は,登録している知事が指定する講習 (更新の申請前6月以内に行われるもの) を受講しなければいけません。(宅建業法・22条の3第2項) |
4.「宅地建物取引主任者が登録の移転をしたときに,当該登録移転前に交付を受けていた取引主任者証は,その効力を失う。」 |
【正解:○】 ◆登録の移転後の従前の主任者証の効力 登録の移転があったときは,従前の登録地で交付された取引主任者証はその効力を失います(宅建業法・22条の2・第4項)。 登録の移転の申請とともに登録の移転後の新しい主任者証の交付申請をすると,従前の主任者証と引換えに新しい主任者証が交付されます(施行規則・14条の14)。 この新しい主任者証の有効期間は,従前の主任者証の有効期間が経過するまでの期間になります(宅建業法・22条の2・第5項)。
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