宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 平成2年・問37
事務禁止期間満了後の登録の移転と再登録・登録の基準(欠格要件)・
宅地建物取引主任者資格登録 (以下「登録」という。) に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成2年・問37) |
1.「取引主任者Aが、その事務に関し不正な行為をしたため、登録を受けている甲県知事から平成2年7月1日以後3ヵ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け,同年8月1日以後乙県内の事務所勤務となった場合,Aは,同年10月に乙県知事に登録の移転を申請することができる。」 |
2.「宅地建物取引業者B社が,不正の手段により免許を受けたとして,平成2年7月1日甲県知事から免許の取消処分の聴聞の期日及び場所を公示され,聴聞の期日前に相当の理由なく合併により消滅した場合,同年6月1日までの同社の取締役であったCは,同年10月に登録を受けることができない。」 |
3.「取引主任者Dが,その事務に関し不正な行為をしたため,甲県知事から平成2年7月1日以後6カ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け,同年10月1日その処分に違反したとして登録を消除された場合,Dは,同年12月に登録を受けることはできない。」 |
4.「取引主任者Eが,その事務に関し不正な行為をしたため,甲県知事から平成2年7月1日以後6カ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け,同年8月1日Eの申請に基づく登録の消除が行われた場合,Eは,同年12月に登録を受けることができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「取引主任者Aが、その事務に関し不正な行為をしたため、登録を受けている甲県知事から平成2年7月1日以後3ヵ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け,同年8月1日以後乙県内の事務所勤務となった場合,Aは,同年10月に乙県知事に登録の移転を申請することができる。」 |
【正解:○】 ◆事務禁止処分を受けている間は,登録の移転をすることはできない。 事務禁止処分 乙県の事務所に 登録の移転 ―●――――――●――――――――●――――――――― 事務禁止処分の間〔本肢では,7/1〜9/30〕は登録の移転をすることはできませんが(宅建業法19条の2但書),事務禁止処分は9月30日で満了しているので,Aは,10月に乙県知事に登録の移転を申請することができます。
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2.「宅地建物取引業者B社が,不正の手段により免許を受けたとして,平成2年7月1日甲県知事から免許の取消処分の聴聞の期日及び場所を公示され,聴聞の期日前に相当の理由なく合併により消滅した場合,同年6月1日までの同社の取締役であったCは,同年10月に登録を受けることができない。」 |
【正解:○】 ◆聴聞の公告後,相当な理由なく合併により消滅した法人の役員だった者 取締役を退任 聴聞の公示 登録を受けることができるか? ―●――――――●――――――――●――――――――― 公示後,聴聞の日の前に 法人が,不正手段により免許を受けたとして免許取消し処分の聴聞の期日・場所が公示された日から処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に,相当な理由なく合併により消滅したときは,公示日前60日以内にその法人の役員であった者等は消滅の日から5年間,宅建業の免許を受けることも,また取引主任者の登録を受けることもできません(宅建業法18条1項4号の3,5条1項2号の3)。 本肢でのCは,聴聞の公示日より30日前まで役員であったので,登録の欠格要件に該当し,法人の消滅から5年を経過していない10月に登録を受けることはできません。
●補足・・・上記の法人の役員だった者が,役員または政令で定める使用人のうちにある法人は,上記の法人の消滅の日から5年間は宅建業の免許を受けることはできません。 |
3.「取引主任者Dが,その事務に関し不正な行為をしたため,甲県知事から平成2年7月1日以後6カ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け,同年10月1日その処分に違反したとして登録を消除された場合,Dは,同年12月に登録を受けることはできない。」 |
【正解:○】 ◆事務禁止処分に違反して登録消除処分 事務禁止処分 登録消除処分 登録を受けることができるか? ―●――――――●――――――――●――――――――― 取引主任者が事務禁止処分を受け,その処分に違反したとして登録消除されたときは,登録消除処分のあった日から5年間,登録を受けることはできません(宅建業法18条1項6号)。
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4.「取引主任者Eが,その事務に関し不正な行為をしたため,甲県知事から平成2年7月1日以後6カ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け,同年8月1日Eの申請に基づく登録の消除が行われた場合,Eは,同年12月に登録を受けることができる。」 |
【正解:×】 ◆事務禁止処分を受けている間に,本人の申請により登録消除された者 事務禁止処分 登録消除処分 登録を受けることができるか? 事務禁止期間中,登録の移転の申請はできませんが,登録の消除を申請することはできます。 事務禁止期間中に申請により登録消除された者は,事務禁止期間中は再登録の申請をすることはできません(宅建業法18条1項8号,22条1号)。⇒しかし,事務禁止期間が満了すれば,再登録を申請することができます。 本肢の場合,事務禁止期間は7/1〜12/31であり,12月はまだ事務禁止期間が満了していないので,再登録の申請をすることはできません。したがって,本肢は誤りです。
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