宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 平成3年・問40
主任者証の提出と返還・亡失による再交付での返納・登録の移転での引換え交付・
書換え交付
宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成3年・問40) |
1.「都道府県知事は,事務の禁止の処分をした取引主任者から取引主任者証の提出を受けた場合において,当該事務の禁止の期間が満了したときは,直ちに当該取引主任者証を当該取引主任者に返還しなければならない。」 |
2.「取引主任者は,取引主任者証を亡失してその再交付を受けた場合において,亡失した取引主任者証を発見したときは,速やかに,発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。」 |
3.「取引主任者は,登録の移転の申請とともに取引主任者証の交付の申請をしたときは,速やかに,取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。」 |
4.「取引主任者は,その住所を変更したときは,遅滞なく,変更の登録の申請をする必要があるが,取引主任者証の書換え交付を申請する必要はない。」改 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「都道府県知事は,事務の禁止の処分をした取引主任者から取引主任者証の提出を受けた場合において,当該事務の禁止の期間が満了したときは,直ちに当該取引主任者証を当該取引主任者に返還しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆返還の請求があったときは直ちに返還する−事務禁止期間の満了
取引主任者は事務禁止処分を受けたときは,直ちに,取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません(宅建業法22条の2第7項)。⇒違反すると10万円以下の過料 都道府県知事は,事務禁止期間が満了した場合に,提出者から返還の請求があったときは,直ちに,当該取引主任者証を返還しなければなりません(宅建業法22条の2第8項)。
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2.「取引主任者は,取引主任者証を亡失してその再交付を受けた場合において,亡失した取引主任者証を発見したときは,速やかに,発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆亡失した主任者証を発見−直ちに返納 取引主任者は,取引主任者証を亡失してその再交付を受けた場合に,亡失した取引主任者証を発見したときは,速やかに,発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければなりません(宅建業法施行規則14条の15第4項)。⇒違反しても罰則はない。 ●取引主任者証の返納
※取引主任者証が効力を失ったとき・・・有効期間の更新をしなかった場合など。 |
●10万円以下の過料 (宅建業法86条) |
・登録が消除されたとき,取引主任者証が効力を失ったときに返納しなかった。
・事務禁止処分を受けたときに取引主任者証を提出しなかった。 ・重要事項の説明をするときに,取引主任者証を提示しなかった。 ・宅地建物取引業協会及び宅地建物取引業協会連合会でない者がそれらの名称を用いたとき。〔名称の使用制限〕 |
3.「取引主任者は,登録の移転の申請とともに取引主任者証の交付の申請をしたときは,速やかに,取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆登録の移転とともに取引主任者証の交付申請をしたとき−引換え交付
取引主任者が,登録の移転の申請とともに取引主任者証の交付の申請をしたときは,現に有する取引主任者証と引換えに新たな取引主任者証が交付されます(宅建業法施行規則14条の14)。 登録の移転によって移転前の取引主任者証は効力を失っているので返納する義務がありますが,返納してしまうと取引主任者の手元に取引主任者証がないために,新たな取引主任者証の交付を受けるまでは重要事項の説明等の取引主任者の事務ができないことになるので,引換え交付にしているわけです。
●このほかの引換え交付 ▼汚損または破損を理由とする再交付では,汚損しまたは破損した取引主任者証と引換えに新たな取引主任者証が交付されます(宅建業法施行規則14条の15第3項)。 ▼取引主任者証の有効期間の申請による新たな取引主任者証は,現に有する取引主任者証と引換えに交付されます(宅建業法施行規則14条の16第3項)。 ▼取引主任者証の書換え交付では,現に有する取引主任者証と引換えに新たな取引主任者証が交付されます(宅建業法施行規則14条の13第3項)。 |
4.「取引主任者は,その住所を変更したときは,遅滞なく,変更の登録の申請をする必要があるが,取引主任者証の書換え交付を申請する必要はない。」改 |
【正解:×】 ◆取引主任者が氏名 or 住所を変更 ⇒ 変更の登録・書換え交付の申請
取引主任者は,氏名及び住所を変更したときは,遅滞なく,変更の登録の申請をするとともに,取引主任者証の書換え交付を申請しなければなりません(宅建業法施行規則14条の13第1項)。 ▼書換え交付は,原則として,取引主任者証用写真を添付して申請し,現に有する取引主任者証と引換えに新たな取引主任者証が交付されます。 しかし,住所のみの変更の場合は,取引主任者証用写真を添付する必要はなく,現に有する取引主任者証の裏面に変更した住所を記載することをもって代えることができます(宅建業法施行規則14条の13第2項,第3項)。
▼本籍を変更したときは,遅滞なく,変更の登録の申請をしなければいけませんが,本籍の変更では取引主任者証の書換え交付を申請する必要はありません。本籍は,取引主任者証の記載事項ではないからです(宅建業法施行規則14条の11第1項)。 |
●取引主任者証の記載事項 (施行規則14条の11第1項) |
・取引主任者の氏名,生年月日,住所
・登録番号,登録年月日 ・取引主任者証の交付年月日 ・取引主任者証の有効期間の満了する日 |