宅建業法 実戦篇
営業保証金の過去問アーカイブス 平成4年・問43
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成4年・問43) |
1.「宅地建物取引業者は,主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合,主たる事務所について営業保証金を供託し,その旨を届け出ても,従たる事務所の営業保証金を供託し,その旨を届け出ない限り,主たる事務所で営業を開始してはならない。」★ |
2.「宅地建物取引業者は,一団の宅地を分譲するため,専任の取引主任者を設置すべき案内所を設けた場合,その業務を開始するまでに,その案内所に係る営業保証金を供託し,その旨を届け出なければならない。」 |
3.「宅地建物取引業者は,宅地建物取引業に関し不正な行為をしたため,免許を取り消されたときは,その営業保証金を取り戻すことができない。」 |
4.「宅地建物取引業者が免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合において,その情状が重いときは,その免許をした国土交通大臣又は都道府県知事は,届出をすべき旨の催告をすることなく,その免許を取り消すことができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
1.「宅地建物取引業者は,主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことについて免許を受けた場合,主たる事務所について営業保証金を供託し,その旨を届け出ても,従たる事務所の営業保証金を供託し,その旨を届け出ない限り,主たる事務所で営業を開始してはならない。」 |
【正解:○】 ◆主たる事務所と従たる事務所 本肢の場合,主たる事務所と従たる事務所を設けて営業を行うことで免許を受けているので,主たる事務所のみについて営業保証金を供託した旨の届出をしただけでは事業を開始することはできません。 本肢の場合,従たる事務所についても営業保証金を供託した旨の届出をしなければ,主たる事務所・従たる事務所とも,営業を開始することはできません(宅建業法25条2項,5項)。
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2.「宅地建物取引業者は,一団の宅地を分譲するため,専任の取引主任者を設置すべき案内所を設けた場合,その業務を開始するまでに,その案内所に係る営業保証金を供託し,その旨を届け出なければならない。」 |
【正解:×】 ◆契約行為等を行う案内所について営業保証金を供託する必要はない 営業保証金の供託は,主たる事務所と従たる事務所について行います。 |
3.「宅地建物取引業者は,宅地建物取引業に関し不正な行為をしたため,免許を取り消されたときは,その営業保証金を取り戻すことができない。」 |
【正解:×】 ◆免許取消になっても,取り戻しはできる 宅建業者は,免許取消処分を受けても,営業保証金を取り戻すことができます。この場合でも,原則どおり,営業保証金の還付を受ける権利がある者に対して,6月を下らない一定期間内に申し出る旨を公告し,その期間内に申出がなかったときに,取り戻すことができます(宅建業法30条1項,2項)。 |
4.「宅地建物取引業者が免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合において,その情状が重いときは,その免許をした国土交通大臣又は都道府県知事は,届出をすべき旨の催告をすることなく,その免許を取り消すことができる。」 |
【正解:×】 ◆催告しても,供託した旨の届出がないときは,免許を取り消すことができる 宅建業者が免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合は,免許権者 (国土交通大臣又は都道府県知事) は届出をすべき旨の催告をし,催告が到達した日から1ヵ月以内に供託した旨の届出がないときには,免許を取り消すことができます(宅建業法25条6項,7項)。 本肢では,<催告をすることなく,その免許を取り消すことができる>としているので,誤りです。 |