宅建業法 実戦篇
事務所等の過去問アーカイブス 平成4年・問48
業者名簿・取引主任者証の提示・従業者名簿・従業者証明書
宅地建物取引業法に規定する名簿および証明書に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成4年・問48) |
1.「国土交通大臣及び都道府県知事は,宅地建物取引業者名簿をその閲覧所に備え,請求があったときは,一般の閲覧に供しなければならないが,この名簿には,宅地建物取引業者の業務停止処分の内容も記載される。」 |
2.「取引主任者は,重要事項の説明をするときは,相手方の請求がなくても,取引主任者証を提示しなければならないが,この取引主任者証の表面には,取引主任者の勤務先も記載される。」 |
3.「宅地建物取引業者は,その事務所に従業者名簿を備え,取引の関係者から請求があったときは,その閲覧に供しなければならないが,この名簿には,取引主任者の事務禁止処分の内容も記載される。」 |
4.「宅地建物取引業者の従業者は,宅地建物取引業者の発行する従業者証明書をその業務中携帯し,取引の関係者から請求がなくても,提示しなければならないが,この証明書には,従業者証明書番号も記載される。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
●Comments |
各肢とも,前半と後半でそれぞれ正誤を判断しなければならない問題です。 |
1.「国土交通大臣及び都道府県知事は,宅地建物取引業者名簿をその閲覧所に備え,請求があったときは,一般の閲覧に供しなければならないが,この名簿には,宅地建物取引業者の業務停止処分の内容も記載される。」 |
【正解:○】 ◆宅地建物取引業者名簿 国土交通大臣及び都道府県知事は,宅地建物取引業者名簿をその閲覧所に備え,請求があったときは,一般の閲覧に供しなければなりません(宅建業法・8条,10条)。 この名簿には,宅建業者に指示処分,業務停止処分があったときは,その年月日及び内容が記載されます(施行規則5条2号)。免許を受けている都道府県知事からの処分だけではなく,他の都道府県知事からの処分も記載されます。
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●宅建業法施行規則17条の2 |
(宅地建物取引業者名簿) 第8条 国土交通省及び都道府県に、それぞれ宅地建物取引業者名簿を備える。 2 国土交通大臣又は都道府県知事は、宅地建物取引業者名簿に、国土交通大臣にあつてはその免許を受けた宅地建物取引業者に関する次に掲げる事項を、都道府県知事にあつてはその免許を受けた宅地建物取引業者及び国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内に主たる事務所を有するものに関する次に掲げる事項を登載しなければならない。 一 免許証番号及び免許の年月日 ・法第65条第1項 若しくは第3項に規定する指示 ・宅地建物取引業以外の事業を行なつているときは、その事業の種類 (宅地建物取引業者名簿等の閲覧) |
2.「取引主任者は,重要事項の説明をするときは,相手方の請求がなくても,取引主任者証を提示しなければならないが,この取引主任者証の表面には,取引主任者の勤務先も記載される。」 |
【正解:×】 ◆取引主任者証の提示 取引主任者は,重要事項の説明をするときは,相手方の請求がなくても,取引主任者証を提示しなければいけません(宅建業法・35条4項)。
取引主任者証には,次の事項が記載されています(施行規則14条の11第1項)。
取引主任者証には,取引主任者の勤務先は記載されていないので,後半部分は誤りです。
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3.「宅地建物取引業者は,その事務所に従業者名簿を備え,取引の関係者から請求があったときは,その閲覧に供しなければならないが,この名簿には,取引主任者の事務禁止処分の内容も記載される。」 |
【正解:×】 ◆従業者名簿 宅建業者は,その事務所ごとに従業者名簿を備え,取引の関係者から請求があったときは,その閲覧に供しなければなりません(宅建業法・48条3項,4項)。前半部は正しい記述です。
従業者名簿には,次の事項を記載しなければならないとされています(施行規則17条の2)。
後半部分では,<取引主任者の事務禁止処分の内容も記載される。>としていますが,誤りです。
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●宅地建物取引業者名簿 |
(従業者名簿の記載事項等) 第17条の2 法第48条第3項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 生年月日 2 法第48条第3項 に規定する従業者名簿の様式は、別記様式第8号の2によるものとする。 3 法第48条第3項 に規定する従業者の氏名、住所及び同条第1項 の証明書の番号並びに第1項 各号に掲げる事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに記録され、必要に応じ当該事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもつて法第48条第3項 に規定する従業者名簿への記載に代えることができる。この場合における同条第4項の規定による閲覧は、当該ファイル又は磁気ディスクに記録されている事項を紙面又は入出力装置の映像面に表示する方法で行うものとする。 4 宅地建物取引業者は、法第48条第3項 に規定する従業者名簿(前項の規定による記録が行われた同項のファイル又は磁気ディスクを含む。)を最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。 |
4.「宅地建物取引業者の従業者は,宅地建物取引業者の発行する従業者証明書をその業務中携帯し,取引の関係者から請求がなくても,提示しなければならないが,この証明書には,従業者証明書番号も記載される。」 |
【正解:×】 ◆従業者証明書の提示 従業者証明書は,宅建業者がその従業者全員に携帯させる義務があり,携帯させなければ業務に従事させてはならないことになっています(宅建業法・48条1項)。
従業者は,取引の関係者から請求があったときには,従業者証明書を提示しなければなりませんが,<請求がなくても提示しなければならない>ということはありません(宅建業法48条2項,施行規則17条,別記様式第8号)。したがって,前半は×ということになります。 後半部分の<証明書には,従業者証明書番号も記載される。>は正しい記述です。
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