宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 平成6年・問36 死亡等の届出
破産手続開始の決定・成年被後見人・欠格要件に該当する刑罰・免許取消
宅地建物取引主任者Aが死亡等一定の事由に該当するに至った場合の届出に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法によれば,正しいものはどれか。(平成6年・問36) |
1.「Aが死亡したときはその相続人が,Aについて破産手続開始の決定があったときはA自らが,届出をしなければならない。」 |
2.「Aが成年被後見人となったときはその保佐人が,被保佐人となったときはその後見人が,届出をしなければならない。」 |
3.「Aが公職選挙法に違反して禁錮刑に処せられた場合,Aは,届出をしなければならないが,刑法第247条の罪 (背任罪) を犯して罰金刑に処せられた場合は,その必要はない。」 |
4.「Aが不正の手段により宅地建物取引業の免許を取得したとして,その免許を取り消されたときは,Aは,届出の必要はない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
1.「Aが死亡したときはその相続人が,Aについて破産手続開始の決定があったときはA自らが,届出をしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆死亡,破産手続開始の決定 資格登録簿に登録された者〔登録者・取引主任者〕が死亡した場合,その相続人は,その事実を知った日から30日以内に,登録を受けている都道府県知事に届け出なければいけません(宅建業法21条1号)。 また,資格登録簿に登録された者〔登録者・取引主任者〕が破産者になった場合〔破産手続開始の決定があったとき〕,本人が,その日から30日以内に,登録を受けている都道府県知事に届け出なければいけません(宅建業法21条2号,18条1項3号)。 どちらの場合も,届出を受けて,登録は消除されることになります。 |
2.「Aが成年被後見人となったときはその保佐人が,被保佐人となったときはその後見人が,届出をしなければならない。」 |
【正解:×】 ◆成年被後見人,被保佐人 資格登録簿に登録された者〔登録者・取引主任者〕が,成年被後見人になったときはその成年後見人が,被保佐人になったときはその保佐人が,その日から30日以内に,登録を受けている都道府県知事に届け出なければいけません(宅建業法21条2号,18条1項2号)。 本肢では,届け出る人が逆になっているので,誤りです。 |
3.「Aが公職選挙法に違反して禁錮刑に処せられた場合,Aは,届出をしなければならないが,刑法第247条の罪 (背任罪) を犯して罰金刑に処せられた場合は,その必要はない。」 |
【正解:×】 ◆欠格要件に該当する刑罰 登録の欠格事由になる刑罰を受けた場合,本人が30日以内に,登録を受けている都道府県知事に届け出なければいけません(宅建業法21条2号,18条1項5号,5号の2)。 禁錮刑を受けた場合はどのような罪でも欠格要件になり,また刑法の背任罪での罰金刑を受けた場合も欠格要件になるので,どちらも届け出なければなりません。
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●罰金刑で欠格要件になるもの | |
登録を受けている者が以下の罪や違反により罰金刑を受けると欠格要件に該当し,本人は30日以内に,登録を受けている都道府県知事に届け出なければいけません(宅建業法21条2号,18条1項5号の2)。
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4.「Aが不正の手段により宅地建物取引業の免許を取得したとして,その免許を取り消されたときは,Aは,届出の必要はない。」 |
【正解:×】 ◆不正手段による免許取消処分 登録を受けている者が宅建業者や法人の役員である場合に,その宅建業者や法人が不正手段による免許取得で免許が取消された場合は,本人が30日以内に,登録を受けている都道府県知事に届け出なければいけません(宅建業法21条2号,18条1項4号)。
▼不正手段等による免許取得で免許が取消された宅建業者や,不正手段等による免許取得で免許が取り消された法人で聴聞の公示日前60日以内に役員であった者は,免許取消の日から5年を経過しないと,宅建業の免許や取引主任者の登録を受けることはできません。 |
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