宅建業法 実戦篇
保証協会の過去問アーカイブス 平成7年・問49
甲県知事の免許を受けている宅地建物取引業者Aが,宅地建物取引業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。) の社員となった場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。(平成7年・問49) |
1.「Aは,社員となった日から2週間以内に,保証協会に対して弁済業務保証金分担金を納付しなければならず,この期間内に納付しないときは社員としての地位を失う。」 |
2.「Aと宅地建物取引業に関し取引をした者は,Aが保証協会の社員になる前に取引をした者を除き,その取引により生じた債権について,保証協会に対し弁済業務保証金の還付を請求することができる。」 |
3.「Aが保証協会の社員としての地位を失ったときは,その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならず,この期間内に供託しないときは甲県知事から業務停止処分を受けることがある。」 |
4.「Aが保証協会の社員としての地位を失ったため営業保証金を供託したときは,保証協会は,弁済業務保証金の還付請求権者に対する公告を行うことなく,Aに対し弁済業務保証金分担金を返還することができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「Aは,社員となった日から2週間以内に,保証協会に対して弁済業務保証金分担金を納付しなければならず,この期間内に納付しないときは社員としての地位を失う。」 |
【正解:×】 ◆弁済業務保証金分担金は加入しようとする日までに納付 弁済業務保証金分担金は,保証協会に加入しようとする日までに納付しなければなりません(宅建業法64条の9第1項1号)。 「社員となった日から2週間以内に納付する」とする本肢は誤りです。
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2.「Aと宅地建物取引業に関し取引をした者は,Aが保証協会の社員になる前に取引をした者を除き,その取引により生じた債権について,保証協会に対し弁済業務保証金の還付を請求することができる。」 |
【正解:×】 ◆還付請求権者−保証協会の社員になる前に取引した者も含まれる 宅建業者が保証協会の社員になる前に宅建業に関して取引をした者も,その取引により生じた債権について,弁済を受ける権利があります。(宅建業法64条の8第1項)。 弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは,保証協会の認証を受けて,法務大臣又は国土交通大臣の定める供託所に対し還付請求をしなければなりません(宅建業法64条の8第1項,2項,64条の7第2項,弁済業務保証金規則2条1項)。
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3.「Aが保証協会の社員としての地位を失ったときは,その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならず,この期間内に供託しないときは甲県知事から業務停止処分を受けることがある。」 |
【正解:○】 ◆社員の地位を失ったときの営業保証金の供託は1週間以内 宅建業者が保証協会の社員としての地位を失ったときは,その地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託し,供託した旨を免許権者に届け出なければなりません(宅建業法64条の15)。 地位を失った日から1週間以内に供託しないときは業務停止処分を受けることがあります。
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4.「Aが保証協会の社員としての地位を失ったため営業保証金を供託したときは,保証協会は,弁済業務保証金の還付請求権者に対する公告を行うことなく,Aに対し弁済業務保証金分担金を返還することができる。」 |
【正解:×】 ◆還付請求権者に対する公告をしなければ,分担金の返還をすることはできない 宅建業者が保証協会の社員としての地位を失ったため営業保証金を供託したときも,保証協会は,弁済業務保証金の還付請求権者に対する公告を行わなければ,当該宅建業者に対して弁済業務保証金分担金を返還することはできません(宅建業法64条の11第4項)。
▼還付請求権者に対する公告を行うのは宅建業者ではなく,保証協会であることに注意。 |
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