宅建業法 実戦篇
媒介契約の過去問アーカイブス 平成9年・問36 34条の2書面
宅地建物取引業者Aは,売主Bとの間で,宅地の売買の専任媒介契約を締結し,宅地建物取引業法第34条の2の規定に基づく媒介契約の内容を記載した書面(以下この問において「34条の2書面」という。)を交付した。この場合,同法の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。 (平成9年・問36) |
1.「Aが,34条の2書面に記載した宅地を売買すべき価額について意見を述べる場合は、その根拠を書面により明らかにしなければならない。」 |
2.「Bが宅地建物取引業者である場合でも,Aは,34条の2書面に,Bが他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を記載しなければならない。」 |
3.「Bが宅地建物取引業者である場合は,専任媒介契約締結時にあらかじめBの申出があれば,「契約の有効期間は3月を超えない範囲内で自動更新する」旨約定し,それを34条の2書面に記載することができる。」 |
4.「Aが,取引主任者でない従業者をして,Aの名で34条の2書面に記名押印させた場合,Aは,業務の停止などの監督処分を受けることがある。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「Aが,34条の2書面に記載した宅地を売買すべき価額について意見を述べる場合は、その根拠を書面により明らかにしなければならない。」 |
【正解:×】 ◆根拠の明示 宅建業者が,依頼主に,媒介書面〔34条の2書面〕に記載した宅地又は建物を売買すべき価額又は評価額について意見を述べるときは,その根拠を明らかにしなければなりません(宅建業法34条の2第2項)。 |
2.「Bが宅地建物取引業者である場合でも,Aは,34条の2書面に,Bが他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を記載しなければならない。」 |
【正解:○】 依頼主が宅建業者であっても,34条の2の規定は全て適用され,媒介書面〔34条の2書面〕も所定の事項を記載して交付しなければなりません。 専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結したときは,媒介書面には,依頼主が他の宅建業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を記載しなければならないので,本肢は正しい記述です(宅建業法34条の2第1項7号,施行規則15条の7)。
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3.「Bが宅地建物取引業者である場合は,専任媒介契約締結時にあらかじめBの申出があれば,「契約の有効期間は3月を超えない範囲内で自動更新する」旨約定し,それを34条の2書面に記載することができる。」 |
【正解:×】 ◆自動更新する旨の特約はできない 専任媒介契約,専属専任媒介契約の有効期間は3ヵ月を超えることができず,依頼者の申出によってのみ3ヵ月を超えない範囲で更新することができます(宅建業法34条の2第3項,第4項)。 <契約の有効期間を3月を超えない範囲内で自動更新する>旨の特約をすることはできないので,本肢は誤りです。⇒ 肢2で見たように,宅建業者が依頼者であっても,34条の2の規定が適用されるので,自動更新の特約をすることはできない。 |
4.「Aが,取引主任者でない従業者をして,Aの名で34条の2書面に記名押印させた場合,Aは,業務の停止などの監督処分を受けることがある。」 |
【正解:×】 ◆34条の2書面⇒業者が記名押印 専任の取引主任者に34条の2の書面の記名押印をさせなければならないという規定はないので,本肢は誤りです。 34条の2の書面は,媒介契約締結後に,遅滞なく,宅建業者が記名押印して,依頼者に交付することになっています〔業者の代理人として従業員が記名押印する場合もある。〕 |
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