宅建業法 実戦篇
広告規制の過去問アーカイブス 平成9年・問43
報酬の限度額・広告の開始時期の制限・誇大広告等の禁止
宅地建物取引業者Aがその業務に関して広告を行った。この場合,宅地建物取引業法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。 (平成9年・問43) |
1.「Aが宅地の売買の媒介をするに当たり,特に依頼者から依頼されて特別の広告を行った場合には,当該売買が不成立に終わったときでも,Aは,その広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることができる。」 |
2.「Aがマンションを分譲するに当たり,建築確認を申請していたが,建築確認を受ける前であったので,「売買契約は,建築確認を受けた後に締結する」 旨を明記して広告を行ったときも,Aは,宅地建物取引業法に違反する。」 |
3.「その広告により,販売する建物の形質について,実際のものより著しく優良又は有利であると現実に人を誤認させなくても,通常誤認させるような表示であれば,当該広告は,誇大広告に該当する。」 |
4.「Aが販売する意思のない物件について行った 「販売する」 旨の広告は,著しく事実に相違する広告に該当し,このためAは監督処分の対象になるが,罰則の適用を受けることはない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「Aが宅地の売買の媒介をするに当たり,特に依頼者から依頼されて特別の広告を行った場合には,当該売買が不成立に終わったときでも,Aは,その広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることができる。」 |
【正解:○】 ◆依頼されて特別の広告を行った場合の広告料金相当額 媒介・代理をするに当たって,依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることができます(平成16.2.18,国土交通省告示第100号)。 このため,売買が不成立に終わったときに,報酬を受領することは当然できませんが,その広告の料金に相当する額を依頼者から受け取ることはできます。 |
2.「Aがマンションを分譲するに当たり,建築確認を申請していたが,建築確認を受ける前であったので,「売買契約は,建築確認を受けた後に締結する」 旨を明記して広告を行ったときも,Aは,宅地建物取引業法に違反する。」 |
【正解:○】 建物の建築工事完了前は,建築確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ,広告をすることはできません(宅建業法33条)。 「売買契約は,建築確認を受けた後に締結する」 旨を明記して広告を行ったときでも,宅建業法に違反します。 |
3.「その広告により,販売する建物の形質について,実際のものより著しく優良又は有利であると現実に人を誤認させなくても,通常誤認させるような表示であれば,当該広告は,誇大広告に該当する。」 |
【正解:○】 ◆誇大広告等の禁止 宅建業者は,その業務に関して広告をするときは,著しく事実に相違する表示をし,又は実際のものよりも著しく優良であり,若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはいけません(宅建業法32条)。 現実に人を誤認させなくても,通常誤認させるような表示であれば,当該広告は,誇大広告に該当し,宅建業法に違反します。 |
4.「Aが販売する意思のない物件について行った 「販売する」 旨の広告は,著しく事実に相違する広告に該当し,このためAは監督処分の対象になるが,罰則の適用を受けることはない。」 |
【正解:×】 ◆著しく事実に相違する広告 販売する意思のない物件について行った 「販売する」 旨の広告は,著しく事実に相違する広告に該当し,誇大広告等の禁止に違反します。 誇大広告等の違反については,監督処分の対象になり,罰則の適用を受けるので,本肢は誤りです。
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