宅建業法 実戦篇
事務所等の過去問アーカイブス 平成12年・問42 帳簿・従業者名簿・
次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。(平成12年・問42) |
1.「宅地建物取引業者は,その業務に関する各事務所の帳簿を一括して主たる事務所に,従業者名簿を各事務所ごとに備えなければならない。」 |
2.「宅地建物取引業者は,その業務に関する帳簿を,各事業年度の末日をもって閉鎖し,閉鎖後5年間(当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものについては10年間)当該帳簿を保存しなければならない。」 |
3.「宅地建物取引業者は,その業務に従事する者であっても,アルバイトとして一時的に事務の補助をする者については,従業者名簿に記載する必要はない。」 |
4.「宅地建物取引業者は,宅地建物取引業法第49条の規定に違反して業務に関する帳簿を備え付けなかったときでも,罰金の刑に処せられることはない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「宅地建物取引業者は,その業務に関する各事務所の帳簿を一括して主たる事務所に,従業者名簿を各事務所ごとに備えなければならない。」 |
【正解:×】 ◆帳簿・従業者名簿は,事務所ごとに備え付ける 宅建業者は,事務所ごとに,『業務に関する帳簿』と『所定の様式の従業者名簿』の両方とも,備えなければなりません(宅建業法48条3項,49条)。 どちらも,一括して主たる事務所に備え付けることはできないので,本肢は誤りです。 |
2.「宅地建物取引業者は,その業務に関する帳簿を,各事業年度の末日をもって閉鎖し,閉鎖後5年間(当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものについては10年間)当該帳簿を保存しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆帳簿は閉鎖後5年間保存 宅建業者は,事務所ごとに,業務に関する帳簿を備え,その帳簿には,宅建業に関し取引のあったつど,その年月日,取引に係る宅地・建物の所在・面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければなりません(宅建業法49条,施行規則18条1項)。 この帳簿は,各事業年度の末日をもって閉鎖し,閉鎖後5年間保存(当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)しなければならないものとされています(施行規則18条3項)。
●従業者名簿と帳簿の対比 1) 保存期間
※当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間保存。 2) 監督処分と罰則
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3.「宅地建物取引業者は,その業務に従事する者であっても,アルバイトとして一時的に事務の補助をする者については,従業者名簿に記載する必要はない。」 |
【正解:×】 ◆従業者の範囲 アルバイトとして一時的に事務の補助をする者であっても,宅建業の業務に従事しているのならば,従業者名簿に記載しなければならないので(宅建業法48条3項),本肢は誤りです。 ▼アルバイトで従事者の範囲に入らないのは,宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者の場合です(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)。 |
●宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 |
2 業務に従事する者の範囲について(規則第6条の3関係) (1) 宅地建物取引業のみを営む者の場合について 原則として、代表者、役員(非常勤の役員を除く。)及びすべての従業員等が含まれ、受付、秘書、運転手等の業務に従事する者も対象となるが、宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者はこれに該当しないこととする。 (2) 他の業種を兼業している者の場合について 代表者、宅地建物取引業を担当する役員(非常勤の役員及び主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く。)及び宅地建物取引業の業務に従事する者が含まれ、宅地建物取引業を主として営む者にあっては、全体を統括する一般管理部門の職員も該当することとする。 |
4.「宅地建物取引業者は,宅地建物取引業法第49条の規定に違反して業務に関する帳簿を備え付けなかったときでも,罰金の刑に処せられることはない。」 |
【正解:×】 ◆罰則−帳簿を備え付けなかったとき 宅建業者が業務に関する帳簿を備え付けなかったときは,監督処分として指示処分の対象となり,罰則として50万円以下の罰金に処せられるので,本肢は誤りです。 |
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