宅建業法 実戦篇
保証協会の過去問アーカイブス 平成12年・問45
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。) に加入している場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成12年・問45) |
1.「Aは,宅地建物取引業を行うに当たり保証協会へ加入することが義務付けられているが,一の保証協会の社員となった後に,重ねて他の保証協会の社員となることはできない。」 |
2.「Aは,保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けたときは,その通知を受けた日から2週間以内に,通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない」 |
3.「Aが,保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で,その通知を受けた日から2週間以内に,通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないとき,Aは,社員の地位を失う。」 |
4.「保証協会は,Aがその一部の事務所を廃止したため弁済業務保証金分担金をAに返還しようとするときは,弁済業務保証金の還付請求権者に対し,一定期間内に保証協会の認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「Aは,宅地建物取引業を行うに当たり保証協会へ加入することが義務付けられているが,一の保証協会の社員となった後に,重ねて他の保証協会の社員となることはできない。」 |
【正解:×】 ◆営業保証金と保証協会の社員のどちらかを選択する この問題は「前半が誤り,後半は正しい。」のイジワル問題です。 宅建業者は,<営業保証金>を供託するか,<保証協会>の社員になるか,どちらかでよいので,前半の『保証協会へ加入することが義務付けられている』は誤りです。 後半部分の『一の保証協会の社員となった後に,重ねて他の保証協会の社員となることはできない』は正しい記述です(宅建業法64条の4第1項)。 問題の誘導文では,『保証協会に加入している場合』となっているので,どうしても後半に気を取られてしまいがちです。ウッカリ間違いの多い問題でタチが悪いと思います。 |
2.「Aは,保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けたときは,その通知を受けた日から2週間以内に,通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない」 |
【正解:○】 ◆還付充当金の納付 宅建業者は,保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けたときは,その通知を受けた日から2週間以内に,通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければなりません(宅建業法64条の10第1項,第2項)。 ▼2週間以内に納付しないときは,保証協会の社員の地位を失います(宅建業法64条の10第3項)。 |
3.「Aが,保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で,その通知を受けた日から2週間以内に,通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しないとき,Aは,社員の地位を失う」 |
【正解:×】 ◆特別弁済業務保証金 保証協会から特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知を受けた場合で,その通知を受けた日から1ヵ月以内に,通知された額の特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければいけません。 1ヵ月以内に納付しないときは,社員の地位を失います(宅建業法64条の12第4項)。 本肢では,「2週間以内に納付しないとき」となっているので,誤りです。 ●特別弁済業務保証金分担金 保証協会は,弁済業務保証金の還付があって,還付された額の弁済業務保証金を供託する場合に,積立ていた弁済業務保証金準備金を充ててもなお不足するときは, その不足額に充てるため,社員に対し,弁済業務保証金分担金の額に応じて,特別弁済業務保証金分担金を保証協会に納付すべきことを通知します(宅建業法64条の12第3項)。 |
4.「保証協会は,Aがその一部の事務所を廃止したため弁済業務保証金分担金をAに返還しようとするときは,弁済業務保証金の還付請求権者に対し,一定期間内に保証協会の認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない」 |
【正解:×】 ◆一部の事務所を廃止したときの分担金の返還では,公告をする必要はない 保証協会は,社員が社員の地位を失ったときは,当該社員であつた者に係る宅建業に関する取引により生じた債権に関し還付を受ける権利を有する者に対し,6月を下らない一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければなりません。(宅建業法64条の11第3項)。 しかし,社員が一部の事務所を廃止したために弁済業務保証金分担金を返還しようとするときには,還付請求権者に対して公告をする必要はないので,本肢は誤りです。 |
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