宅建業法 実戦篇
媒介契約の過去問アーカイブス 平成13年・問38
宅地建物取引業者Aが,BからB所有の土地付建物の売却の媒介を依頼され,媒介契約を締結した場合に開する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。(平成13年・問38) |
1.「AB間で媒介契約が締結されたときは,Aは遅滞なく宅地建物取引業法第34条の2の規定に基づく媒介契約の内容を記載した書面を作成し,記名押印して,Bに交付しなければならない。」 |
2.「AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合,Aは契約の相手方を探すため,当該物件につき必要な事項を,媒介契約締結の日から休業日数を徐き7日以内 (専属専任媒介契約の場合は5日以内) に指定流通機購に登録しなければならない。」 |
3.「Aが当該物件を売買すべき価額に対して意見を述べるときは,Bに対してその根拠を明らかにしなければならない。」 |
4.「AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合,その有効期間の満了に際して,Bからの更新の甲出がなくても,その有効期間を自動的に更新するためには,当該契約の締結時にあらかじめBの承諾を得ておかなければならない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「AB間で媒介契約が締結されたときは,Aは遅滞なく宅地建物取引業法第34条の2の規定に基づく媒介契約の内容を記載した書面を作成し,記名押印して,Bに交付しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆媒介書面の記名押印と交付 宅建業者は,媒介契約が締結されたときは,遅滞なく,媒介契約の内容を記載した書面〔媒介書面〕を作成し,記名押印して,依頼主に交付しなければならないので(宅建業法34条の2第1項),本肢は正しい記述です。 |
2.「AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合,Aは契約の相手方を探すため,当該物件につき必要な事項を,媒介契約締結の日から休業日数を徐き7日以内 (専属専任媒介契約の場合は5日以内) に指定流通機購に登録しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆指定流通機構への登録 宅建業者は,専任媒介契約(または専属専任媒介契約)を締結したときは,契約の相手方を探索するため,国土交通省令で定める期間内に,当該専任媒介契約(または専属専任媒介契約)の目的物である宅地又は建物につき,所在,規模,形質,売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を,「指定流通機構」に登録しなければなりません(宅建業法34条の2第5項)。 また,登録をした宅建業者は,登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければなりません(宅建業法34条の2第6項)。
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3.「Aが当該物件を売買すべき価額に対して意見を述べるときは,Bに対してその根拠を明らかにしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆根拠の明示義務 宅建業者は,売買すべき価額又は評価額について意見を述べるときは,その根拠を明らかにしなければなりません(宅建業法34条の2第2項)。 この規定に違反したときは,罰則はありませんが,業務停止処分を受けることがあります(宅建業法65条2項)。 |
4.「AB間の媒介契約が専任媒介契約である場合,その有効期間の満了に際して,Bからの更新の甲出がなくても,その有効期間を自動的に更新するためには,当該契約の締結時にあらかじめBの承諾を得ておかなければならない。」 |
【正解:×】 ◆自動更新の特約はできない 専任媒介契約,専属専任媒介契約の有効期間は3ヵ月を超えることができず,依頼者の申出によってのみ3ヵ月を超えない範囲で更新することができます(宅建業法34条の2第3項,第4項)。 あらかじめ依頼主の承諾を得ていたとしても,自動更新する旨の特約をすることはできない【自動更新の特約をしても無効になる】ので,本肢は誤りです(宅建業法34条の2第9項)。 |
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