宅建業法 実戦篇
案内所等の規制の過去問アーカイブス 平成14年・問42
宅地建物取引業者A (甲県知事免許) が,売主である宅地建物取引業者B (甲県知事免許) から,120戸の分譲マンションの販売代理を一括して受け,当該マンションの所在する場所以外の場所にモデルルームを設けて,売買契約の申込みを受ける場合,宅地建物取引業法の規定によれば,次の記述のうち誤っているものはどれか。なお,当該マンション及びモデルルームは甲県に所在するものとする。(平成14年・問42) |
1.「Aは,モデルルームに自己の標識を掲示する必要があるが,Bは,その必要はない。」 |
2.「Aは,マンションの所在する場所に自己の標識を掲示する必要があるが,Bは,その必要はない。」 |
3.「Aは,モデルルームの場所について,甲県知事に届け出る必要があるが,Bはその必要はない。」 |
4.「Aは,モデルルームに成年者である専任の取引主任者を置く必要があるが,Bはその必要はない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | ○ | ○ |
●問題文の読解 |
B (甲県知事免許) | 甲県内の120戸のマンションの販売代理を一括して依頼 | A (甲県知事免許) ・・・Aは当該マンションの所在する場所以外の場所に単独で モデルルーム(甲県内)を設け,売買契約の申込みを受ける。 |
1.「Aは,モデルルームに自己の標識を掲示する必要があるが,Bは,その必要はない。」 |
【正解:○】 ◆案内所の標識 契約の申込みを受けるモデルルームは契約行為等を行う案内所に該当し,販売代理業者であるAが設置したものです。 モデルルームを設置したAには標識の掲示義務がありますが,そのモデルルームを設置したわけではないBには標識の掲示義務はありません(宅建業法50条1項,施行規則19条1項2号)。 |
2.「Aは,マンションの所在する場所に自己の標識を掲示する必要があるが,Bは,その必要はない。」 |
【正解:×】 ◆一団の宅地・建物の所在する場所の標識 一団の宅地・建物を分譲する場合,当該宅地・建物の所在する場所には,標識を掲示する義務があります(宅建業法50条1項,施行規則19条1項2号)。 このマンションの売主はBですから,当該マンションの所在する場所に標識を掲示しなければならないのはBであり,Aは設置する必要はありません。・・・(*) 本肢は,(*)のAとBが逆になっているので,誤りです。 |
3.「Aは,モデルルームの場所について,甲県知事に届け出る必要があるが,Bはその必要はない。」 |
【正解:○】 ◆50条2項の届出 契約の申込みを受けるモデルルームは契約行為等を行う案内所に該当し,販売代理業者であるAが設置したものです。 モデルルームを設置したAには50条2項の届出義務がありますが,そのモデルルームを設置したわけではないBには50条2項の届出義務はありません。 ●50条2項の届出 宅建業者は,契約行為等を行う案内所・展示会場・出張所(事務所以外で継続的に業務を行うことができる施設を有する場所)〔専任の取引主任者を置く義務のある場所。〕を設置する場合は,あらかじめ,その業務を開始する10日前までに,50条2項の届出を,免許権者及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければなりません(宅建業法50条2項,施行規則19条3項)。
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4.「Aは,モデルルームに成年者である専任の取引主任者を置く必要があるが,Bはその必要はない。」 |
【正解:○】 ◆契約行為等を行う案内所の専任の取引主任者 このモデルルームは販売代理業者であるAが設置したものです。 このモデルルームでは契約行為等を行うため,Aは専任の取引主任者を1名以上置かなければなりません(宅建業法15条1項,施行規則6条の2第3号)。 Bは,契約行為等を行うこのモデルルームをAと共同で設置したわけではないので,専任の取引主任者を置く必要はありません。 |