宅建業法 実戦篇
媒介契約の過去問アーカイブス 平成15年・問43 指定流通機構
宅地建物取引業者Aが,B所有の宅地の売却の媒介の依頼を受け,Bと専任媒介契約 (以下この問において「媒介契約」という 。 ) を締結した場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。(平成15年・問43) |
1.「Aは,媒介により,売買契約を成立させたが,Bから媒介報酬を受領するまでは,指定流通機構への当該契約成立の通知をしなくてもよい。 」 |
2.「Bから指定流通機構には登録しなくてもよい旨の承諾を得ていれば,Aは当該宅地に関する所定の事項について,指定流通機構に登録しなくてもよい。 」 |
3.「 Aは契約の相手方を探索するため,当該宅地に関する所定の事項を媒介契約締結日から7日(休業日を含む 。 ) 以内に指定流通機構に登録する必要がある。 」 |
4.「媒介契約の有効期間の満了に際して,BからAに更新の申出があった場合 (その後の更新についても同様) ,3月を限度として更新することができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
1.「Aは,媒介により,売買契約を成立させたが,Bから媒介報酬を受領するまでは,指定流通機構への当該契約成立の通知をしなくてもよい。 」 |
【正解:×】 ◆契約成立の通知 宅建業者は,専任媒介契約を締結したときは,契約の相手方を探索するため,当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき,所在・規模・形質・売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を,「指定流通機構」に登録しなければなりません(宅建業法34条の2第5項)。 宅建業者は,登録に係る宅地又は建物の売買又は交換の契約が成立したときは,遅滞なく,その旨を当該登録に係る指定流通機構に通知しなければならないので(宅建業法34条の2第7項),本肢は誤りです。 |
2.「Bから指定流通機構には登録しなくてもよい旨の承諾を得ていれば,Aは当該宅地に関する所定の事項について,指定流通機構に登録しなくてもよい。 」 |
【正解:×】 ◆指定流通機構への登録義務 宅建業者は,専任媒介契約を締結したときは,契約の相手方を探索するため,当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき,所在・規模・形質・売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を,「指定流通機構」に登録しなければなりません(宅建業法34条の2第5項)。 依頼者から,登録しなくてもよい旨の承諾を得ていても,指定流通機構に登録しなければならないので,本肢は誤りです。 ▼登録をした宅建業者は,登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければなりません(宅建業法34条の2第6項)。 ▼肢1と肢2は時系列で言えば逆の順序ですが,宅建試験ではこのような時系列に反した問題設定がよくあります。 |
3.「 Aは契約の相手方を探索するため,当該宅地に関する所定の事項を媒介契約締結日から7日(休業日を含む 。 ) 以内に指定流通機構に登録する必要がある。 」 |
【正解:×】 ◆指定流通機構への登録は,専任媒介では7日以内−休業日は算入しない− 専任媒介契約では,媒介契約締結日から7日(休業日を除く 。 ) 以内に指定流通機構に登録しなければなりません(宅建業法34条の2第5項,施行規則15条の8)。 本肢では,「休業日を含む。」としているので,誤りです。
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4.「媒介契約の有効期間の満了に際して,BからAに更新の申出があった場合 (その後の更新についても同様) ,3月を限度として更新することができる。」 |
【正解:○】 ◆依頼主の申出により更新することができる 専任媒介契約の有効期間は3月を超えることができず,これより長い期間を定めても,3月に短縮されます(宅建業法34条の2第3項)。 有効期間は,依頼者の申出により更新することができますが,更新の時から3月を超えることはできません(宅建業法34条の2第4項)。本肢は正しい記述です。 |