宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 平成16年・問34
登録の移転・変更の登録・欠格要件・更新
宅地建物取引主任者資格登録(以下 この問において「登録」という。) 及び宅地建物取引主任者証 (以下この問において「取引主任者証」という。) に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。(平成16年・問34) |
1.「取引主任者A (甲県知事登録) が,宅地建物取引業者B社 (乙県知事免許) に従事した場合,Aは乙県知事に対し,甲県知事を経由して登録の移転を申請しなければならない。」 |
2.「取引主任者Cが,宅地建物取引業者D社を退職し,宅地建物取引業者E社に就職したが,CはD社及びE社においても専任の取引主任者ではないので,宅地建物取引主任者資格登録簿の変更の登録は申請しなくてもよい。」 |
3.「Fは,不正の手段により登録を受けたとして,登録の消除の処分の聴聞の期日及び場所が公示された後,自らの申請により,登録が消除された。Fは,登録が消除された日から5年を経過せずに新たに登録を受けることができる。」 |
4.「取引主任者Gは,取引主任者証の有効期間内に更新をせず,有効期間の満了日から2週間後に取引主任者証の交付を受けた。その2週間の間にGに重要事項説明を行わせた宅地建物取引業者H社は業務停止処分を受けることがある。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
1.「取引主任者A (甲県知事登録) が,宅地建物取引業者B社 (乙県知事免許) に従事した場合,Aは乙県知事に対し,甲県知事を経由して登録の移転を申請しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆登録の移転 登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事し,又は従事しようとするときは,登録の移転の申請をすることができますが,義務ではなく,任意なので,本肢は誤りです(宅建業法19条の2)。 ▼登録の移転は,当該登録をしている都道府県知事を経由して,移転しようとする都道府県の知事に申請するので,後半の部分は正しい記述です。 |
2.「取引主任者Cが,宅地建物取引業者D社を退職し,宅地建物取引業者E社に就職したが,CはD社及びE社においても専任の取引主任者ではないので,宅地建物取引主任者資格登録簿の変更の登録は申請しなくてもよい。」 |
【正解:×】 ◆変更の登録 取引主任者が従事する宅建業者を変更したときは,遅滞なく,変更の登録を申請しなければいけません(宅建業法20条)。 Cは,専任の取引主任者であるか否かに関係なく,変更の登録を申請しなければならないので,本肢は誤りです。 ▼勤務する宅建業者の商号又は名称及び免許証番号は,宅地建物取引主任者資格登録簿の登載事項になっていますが,従事する宅建業者の専任の取引主任者であるかどうかは資格登録簿の登載事項にはなっていません(宅建業法18条2項,施行規則14条の2第5号)。 ⇒ 宅地建物取引業者名簿では「専任の取引主任者の氏名」は登載事項になっています(宅建業法8条2項6号)。また,従事者名簿では,「取引主任者であるか否か」が記載されます(宅建業法48条3項,施行規則17条の2第1項3号)。 |
3.「Fは,不正の手段により登録を受けたとして,登録の消除の処分の聴聞の期日及び場所が公示された後,自らの申請により,登録が消除された。Fは,登録が消除された日から5年を経過せずに新たに登録を受けることができる。」 |
【正解:×】 ◆不正手段より登録を受けたことにより登録消除−登録の欠格要件 「不正の手段により登録を受けた」,「不正手段により主任者証の交付を受けた」,「指示処分に該当して情状が特に重い」,「事務禁止処分に違反した」として,登録消除処分の聴聞の期日及び場所が公示された後,処分が決定する日までの間に,自らの申請により,登録が消除された場合,登録が消除された日から5年を経過しなければ,新たに登録を受けることはできません(宅建業法18条1項7号)。 |
4.「取引主任者Gは,取引主任者証の有効期間内に更新をせず,有効期間の満了日から2週間後に取引主任者証の交付を受けた。その2週間の間にGに重要事項説明を行わせた宅地建物取引業者H社は業務停止処分を受けることがある。」 |
【正解:○】 ◆主任者証の有効期間の更新を受けていない者は取引主任者ではない 取引主任者証の有効期間の更新を受けていない者は取引主任者ではありません(宅建業法15条1項本文括弧書,22条の3)。 取引主任者ではない者に重要事項説明を行わせたGは,業務停止処分の対象になります(宅建業法65条2項2号)。 |