宅建業法 実戦篇
案内所等の規制の過去問アーカイブス 平成16年・問43
宅地建物取引業者A (甲県知事免許) が甲県に建築した一棟100戸建てのマンションを,宅地建物取引業者B (国土交通大臣免許) に販売代理を依頼し,Bが当該マンションの隣地 (甲県内) に案内所を設置して契約を締結する場合,宅地建物取引業法 (以下この問において「法」という。) の規定によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。(平成16年・問43) |
1.「A及びBは当該マンションの所在する場所について,法第50条第1項に規定する標識をそれぞれ掲示しなければならない。」 |
2.「A及びBはその案内所について,それぞれの法第50条第1項に規定する標識に専任の取引主任者の氏名を記載しなければならない。」 |
3.「Bはその案内所に,業務に従事する者5人につき,専任の取引主任者を1人置かなければならない。」 |
4.「Bは法第50条第2項に定める届出を,その案内所の所在地を管轄する甲県知事及び甲県知事を経由して国土交通大臣に,業務を開始する10日前までにしなければならない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
●問題文の読解 |
A (甲県知事免許) | 100戸のマンションの販売代理を依頼 | B (国土交通大臣免許) ・・・Bは当該マンションの隣地 (甲県内) に 契約行為等を行う案内所を設置 |
1.「A及びBは当該マンションの所在する場所について,法第50条第1項に規定する標識をそれぞれ掲示しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆一団の宅地・建物の所在する場所の標識 このマンションはAが売主ですから,当該マンションの所在する場所に標識を掲示しなければならないのはAであり,Bは設置する必要はありません(宅建業法50条1項,施行規則19条1項2号)。したがって,本肢は誤りです。 |
2.「A及びBはその案内所について,それぞれの法第50条第1項に規定する標識に専任の取引主任者の氏名を記載しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆案内所の標識の記載事項−専任の取引主任者の氏名 この案内所は,代理業者であるBが設置したものですから,標識を掲示しなければならないのはBであり,Aは標識を設置する必要はありません(宅建業法50条1項,施行規則19条1項4号)。したがって,本肢は誤りです。 Bは,この案内所で契約行為等を行うので,専任の取引主任者を1名以上置かなければならず(宅建業法15条1項,施行規則6条の2第3号),標識にも専任の取引主任者の氏名を記載する義務があります(施行規則19条2項5号,別記様式11号の2)。 |
3.「Bはその案内所に,業務に従事する者5人につき,専任の取引主任者を1人置かなければならない。」 |
【正解:×】 ◆契約行為等を行う案内所の専任の取引主任者は1名以上 契約行為等を行う案内所や展示会場などでは,専任の取引主任者を1名以上置けばよいので(宅建業法15条1項,施行規則6条の2第3号),本肢は誤りです。 |
4.「Bは法第50条第2項に定める届出を,その案内所の所在地を管轄する甲県知事及び甲県知事を経由して国土交通大臣に,業務を開始する10日前までにしなければならない。」 |
【正解:○】 ◆50条2項の届出は業務を開始する10日前まで 宅建業者は,契約行為等を行う案内所・展示会場・出張所(事務所以外で継続的に業務を行うことができる施設を有する場所)〔専任の取引主任者を置く義務のある場所。〕を設置する場合は,あらかじめ,その業務を開始する10日前までに,50条2項の届出を,免許権者及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければなりません(宅建業法50条2項,施行規則19条3項)。
国土交通大臣免許業者の場合,国土交通大臣及び当該場所の所在地を管轄する都道府県知事に対して届け出ますが(宅建業法・50条2項,施行規則19条3項), 国土交通大臣への届出は,その届出に係る業務を行う場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して行います(宅建業法・50条2項,78条の3第2号)。
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