宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 昭和57年・問37 主任者の法定設置数
宅地建物取引業法第15条に規定する専任の取引主任者に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和57年・問37) |
1.「本店で直接宅地建物取引業を行わない場合,その本店には専任の取引主任者を設置する必要はない。」 |
2.「法人の役員は専任の取引主任者になることはできない。」 |
3.「宅地建物取引業者の業務に従事する者が11名いる支店には,専任の取引主任者を3名設置しなければならない。」 |
4.「同一会社の隣接する二つの事務所の専任の取引主任者は,同一の者が兼任することができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「本店で直接宅地建物取引業を行わない場合,その本店には専任の取引主任者を設置する必要はない。」 |
【正解:×】 ◆本店で宅建業を営まない場合 本店で宅建業を行わない場合,本店にいる者でも,<個人業者のときはその本人,法人であれば代表者,宅建業担当の役員,宅建業の会計担当者,宅建業の広告専門の担当者>等は宅建業の業務に従事する者とされており(国土交通省の見解),その従事者数に見合った5人に1人以上の割合の専任の取引主任者が必要になります。 宅建業を営まない本店で必要とされる専任の取引主任者数は,宅建業に従事するとみなされる者の数により,ケースバイケースですが,最低でも1人の専任の取引主任者を設置しなければならないことになります。 したがって,本肢の<本店には専任の取引主任者を設置する必要はない。>という記述は誤りです。 |
2.「法人の役員は専任の取引主任者になることはできない。」 |
【正解:×】 ◆法人の役員 宅建業者本人や法人の役員<監査役は含まない。>が取引主任者であるときは,それらの者が自ら主として従事する事務所等では専任の取引主任者とみなされます。(宅建業法・15条2項) |
3.「宅地建物取引業者の業務に従事する者が11名いる支店には,専任の取引主任者を3名設置しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆専任の取引主任者の法定設置数 専任の取引主任者は,事務所ごとに,宅建業の従事者5人に1人以上の割合で設置しなければならないので, 従事者が11人のときは,11÷5=2.2 ⇒ 小数点第一位を切り上げて 3人になる。 したがって,本肢は正しく,正解肢となります。 ▼専任の取引主任者の法定設置数に不足が生じた場合,2週間以内に必要な措置を執らなければいけません。(宅建業法・15条3項)
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4.「同一会社の隣接する二つの事務所の専任の取引主任者は,同一の者が兼任することができる。」 |
【正解:×】 ◆同一会社で,2以上の事務所の専任の主任者を兼任することはできない 専任の取引主任者は,事務所ごとに設置しなければならないので,同一会社の2つの事務所の専任の取引主任者を同一の者が兼任することはできません。 |