宅建業法 実戦篇
営業保証金の過去問アーカイブス 昭和59年・問36
A県知事の免許を受けた宅地建物取引業者Bの営業保証金の供託に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和59年・問36) |
1.「Bが,免許を受けた日から3ヵ月以内に営業保証金の供託をした旨の届出をしないときは,A県知事はその届出をすべき旨の催告をしなければならず,その催告から1ヵ月以内にBが届出をしないときは,A県知事はBの免許を取り消すことができる。」 |
2.「Bは,営業保証金を,現金ではなく,国債証券・地方債証券その他国土交通省令で定める有価証券で供託することもできる。」改 |
3.「Bは,営業保証金として主たる事務所については1,000万円を,その他の事務所については事務所ごとに500万円を,それぞれのもよりの供託所に供託しなければならない。」改 |
4.「Bは,宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失ったときは,所定の営業保証金を当該地位を失った日から1週間以内に供託し,その旨をA県知事に届け出なければならない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | × | ○ |
1.「Bが,免許を受けた日から3ヵ月以内に営業保証金の供託をした旨の届出をしないときは,A県知事はその届出をすべき旨の催告をしなければならず,その催告から1ヵ月以内にBが届出をしないときは,A県知事はBの免許を取り消すことができる。」 |
【正解:○】 ◆供託の届出をしないとき 宅建業者が,免許を受けた日から3ヵ月以内に営業保証金の供託をした旨の届出をしないときは,免許権者はその届出をすべき旨の催告をしなければならず(宅建業法・25条6項),その催告から1ヵ月以内に宅建業者が届出をしないときは,免許権者は当該宅建業者の免許を取り消すことができます(宅建業法・25条7項)。
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2.「Bは,営業保証金を,現金ではなく,国債証券・地方債証券その他国土交通省令で定める有価証券で供託することもできる。」 |
【正解:○】 ◆有価証券での供託 営業保証金や保証協会の弁済業務保証金は,国債証券,地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券(振替社債等を含む。国土交通省令では31種類の有価証券が指定されている。)で供託することができます(宅建業法・25条3項,64条の7・第3項,施行規則・15条の2・第1項)。 ただし,有価証券の価額は,額面全額をそのまま評価するのではなく,以下の有価証券の区分に従い,定めるところによります(施行規則・15条・1項)。
<割引の方法により発行した債券で供託の日から償還期限までの期間が5年を超えるものについての適用では,その発行価額に別記算式により算出した額を加えた額を額面金額とみなす。 >(施行規則・15条・1項) |
3.「Bは,営業保証金として主たる事務所については1,000万円を,その他の事務所については事務所ごとに500万円を,それぞれのもよりの供託所に供託しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆従たる事務所についての営業保証金⇒主たる事務所のもよりの供託所に供託 宅建業者は,政令で定める営業保証金<主たる事務所については1,000万円を,その他の事務所については事務所ごとに500万円>を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければいけません(宅建業法・25条1項,2項,施行令2条の3)。 つまり,「主たる事務所についての営業保証金」・「その他の事務所についての営業保証金」のどちらも,主たる事務所のもよりの供託所に供託するので,本肢は誤りです。 |
4.「Bは,宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失ったときは,所定の営業保証金を当該地位を失った日から1週間以内に供託し,その旨をA県知事に届け出なければならない。」 |
【正解:○】 ◆保証協会の社員の地位を失ったとき−1週間以内に営業保証金を供託する 保証協会の社員であった宅地建物取引業者が当該保証協会の社員の地位を失ったときは,1週間以内に営業保証金を供託しなければいけません(宅建業法・64条の15前段)。
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