宅建業法 実戦篇
保証協会の過去問アーカイブス 昭和62年・問42
宅地建物取引業保証協会 (以下この問において「保証協会」という。) に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和62年・問42) |
1.「保証協会は,保証協会に加入しようとする者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは,その日から2週間以内に,当該社員にかかる弁済業務保証金1,000万円を供託しなければならない。」 |
2.「保証協会が弁済業務保証金を供託するには,弁済業務保証金分担金の納付をした社員の事務所所在地を管轄する供託所にしなければならない。」 |
3.「保証協会の社員は,還付充当金を納付すべき通知を受けたときは,その通知を受けた日から2週間以内に,その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。」 |
4.「保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は,常にその取引によって生じた債権の全額について弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
1.「保証協会は,保証協会に加入しようとする者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは,その日から2週間以内に,当該社員にかかる弁済業務保証金1,000万円を供託しなければならない。」 |
【正解:×】 ◆弁済業務保証金の供託−供託の期間制限 保証協会は,保証協会に加入しようとする者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは,その日から1週間以内に,当該社員の納付額(主たる事務所60万円,従たる事務所30万円の合計)に相当する額の弁済業務保証金を,法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に供託しなければならない(宅建業法64条の7第1項・第2項,施行令7条)ので,本肢は誤りです。 ▼弁済業務保証金の額は,納付を受けた弁済業務保証金分担金の額に相当する額。本肢の1,000万円は,保証協会の社員ではない宅建業者が主たる事務所につき供託する営業保証金の額です。
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2.「保証協会が弁済業務保証金を供託するには,弁済業務保証金分担金の納付をした社員の事務所所在地を管轄する供託所にしなければならない。」 |
【正解:×】 ◆弁済業務保証金の供託−供託所 保証協会が弁済業務保証金を供託するのは,<法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所>(東京法務局)であり,<社員の事務所所在地を管轄する供託所>ではありません(宅建業法64条の7第2項,法務省・建設省告示・昭和48.5.7)。 本肢は誤りです。 |
3.「保証協会の社員は,還付充当金を納付すべき通知を受けたときは,その通知を受けた日から2週間以内に,その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆還付充当金の納付 保証協会の社員は,還付充当金 (還付された額に相当する額) を納付すべき通知を受けたときは,その通知を受けた日から2週間以内に,その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければなりません(宅建業法64条の10第1項,第2項)。 もし,保証協会の社員が2週間以内に還付充当金を納付しないときは,社員の地位を失います(宅建業法64条の10第3項)。
▼保証協会は,弁済業務保証金が還付されたときは,国土交通大臣から奥書の記載された通知書の送付を受けた日から2週間以内に還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければなりません(宅建業法64条の8第3項,弁済業務保証金規則第1条)。 |
4.「保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は,常にその取引によって生じた債権の全額について弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する。」 |
【正解:×】 ◆弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する者 保証協会は,その社員と宅地建物取引業に関し取引をした者の有するその取引により生じた債権に関し弁済をする業務を実施します(宅建業法・64条の3・第1項・3号)。 どんな取引でもよいということではないので,<常にその取引によって生じた債権の全額について弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する>とする本肢は誤りです。
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