宅建業法 実戦篇
取引主任者の過去問アーカイブス 昭和63年・問37
資格登録・変更の登録・登録の移転・死亡等の届出
宅地建物取引主任者資格登録〔以下「登録」という。〕に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和63年・問37) |
1.「登録の申請は,宅地建物取引主任者資格試験を行った都道府県知事〔指定試験機関に試験事務を行わせたときは,その試験事務を行わせた都道府県知事〕に対して,行わなければならない。」 |
2.「登録を受けている者は,現在居住している都道府県知事以外の都道府県に住所を移転したときは,当該登録をしている都道府県知事に対し,変更の登録を申請しなければならない。」 |
3.「登録を受けている者は,当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し,又は従事しようとするときは,当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し,登録の移転の申請をしなければならない。」 |
4.「登録を受けている者について破産手続開始の決定があったときは,本人が,その旨を当該登録している都道府県知事に届け出なければならない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | × | ○ |
1.「登録の申請は,宅地建物取引主任者資格試験を行った都道府県知事〔指定試験機関に試験事務を行わせたときは,その試験事務を行わせた都道府県知事〕に対して,行わなければならない。」 |
【正解:○】 ◆登録の申請手続 登録の申請は,宅地建物取引主任者資格試験に合格した都道府県の知事に対して,行います(宅建業法18条1項,19条1項)。 ▼2以上の都道府県で試験に合格した者は,その試験を行った都道府県知事のうちいずれか一つの都道府県知事の登録のみ受けることができます(宅建業法施行規則14条)。 ▼都道府県知事は,国土交通大臣の指定する者〔指定試験機関〕に,試験の実施に関する事務を行わせることができ(宅建業法16条の2第1項),現在は,財団法人 不動産適正取引推進機構が試験事務を行っています(宅建業法施行規則13条の2第3項)。 |
2.「登録を受けている者は,現在居住している都道府県知事以外の都道府県に住所を移転したときは,当該登録をしている都道府県知事に対し,変更の登録を申請しなければならない。」 |
【正解:○】 ◆変更の登録 −住所変更− 取引主任者の資格登録を受けている者は,資格登録簿の登載事項に変更があったときは遅滞なく,変更の登録を申請しなければなりません(宅建業法20条,18条2項)。 住所は,資格登録簿の登載事項なので,住所変更したときは,遅滞なく変更の登録を申請します。 ●資格登録簿の登載事項 (宅建業法20条,18条2項,施行規則14条の2第1項) 氏名,生年月日,住所,本籍,性別,宅建業者の業務に従事している者はその商号・名称・免許証番号,登録時の実務経験を有する者は新生児の経験年数・内容・従事していた業者の商号(名称,免許証番号),能力を有すると認められた者はその認定内容・年月日。 ●取引主任者証の記載事項 (宅建業法22条の2,施行規則14条の11第1項) 氏名,生年月日,住所,登録番号・登録年月日,交付年月日,有効期間の満了日 |
3.「登録を受けている者は,当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し,又は従事しようとするときは,当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し,登録の移転の申請をしなければならない。」 |
【正解:×】 ◆1) 登録の移転は勤務する事務所の変更では任意,2) 従事する宅建業者の変更 ⇒ 遅滞なく,変更の登録 登録の移転は登録地以外の都道府県に所在する宅建業者に従事するか,従事しようとするとき,することができます(宅建業法・19条の2)が,<義務ではなく任意>なので,<登録の移転の申請をしなければならない。>とする本肢は誤りです。 ⇒ 配属される事務所の変更(転勤)や転職があっても,登録の移転は任意。 しかし,取引主任者は,資格登録簿の登載事項に変更があったときは遅滞なく,変更の登録を申請しなければなりません(宅建業法20条,18条2項)。 もし,転勤によって従事している事務所が変わるだけ (転勤) なら変更の登録をする必要はありませんが,新たに宅建業者に従事する場合や他の宅建業者に転職する場合は登載事項に変更が生じることになるので,変更の登録をしなければなりません(宅建業法施行規則14条の2第1項第5号)。 ▼登録の移転は,事務禁止処分の満了前には,することができない(宅建業法・19条の2・但書)ことにも注意。
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4.「登録を受けている者について破産手続開始の決定があったときは,本人が,その旨を当該登録している都道府県知事に届け出なければならない。」 |
【正解:○】 ◆破産手続開始の決定 取引主任者について破産手続開始の決定があった場合,その日から30日以内に,本人がその旨の届出をしなければなりません(宅建業法・21条・2号) ●破産手続開始の決定 (宅建業法・11条1項3号,21条2号)
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●取引主任者の死亡等の届出 (宅建業法・21条)
いつ届け出るか | 届け出る人 | |
死亡した | 事実を知った日から30日以内 | その相続人 |
成年被後見人になった 被保佐人になった |
その日から30日以内 | その後見人 その保佐人 |
営業に関して成年者と 同一の能力を有しなくなる |
本人 | |
破産手続開始の決定があった | ||
業者の免許を取り消された | ||
禁錮以上の刑に処せられた | ||
宅建業法違反・傷害等の罪で 罰金刑に処せられた |