●国土交通省告示 |
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 |
●宅地建物取引業法 |
(報酬) 第46条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。 2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。 3 国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。 4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。 |
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 昭和45年10月23日 改 正 平成元年2月17日 建設省告示第263号 第一 定義 この告示において、「消費税等相当額」とは消費税法(昭和63年法律第108号)第2条第1項第九号に規定する課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する金額をいう。 第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額 宅地建物取引業者(課税事業者(消費税法第5条第1項の規定により消費税を納める義務がある事業者をいい、同法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)である場合に限る。第三から第五まで及び第七(1)において同じ。)が宅地又は建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。)は、依頼者の一方につき、それぞれ、当該売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は当該交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額以内とする。
第三 売買又は交換の代理に関する報酬の額 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、第二の計算方法により算出した金額の二倍以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が第二の計算方法により算出した金額の二倍を超えてはならない。 第四 貸借の媒介に関する報酬の額 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・〇五倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五二五倍に相当する金額以内とする。 第五 貸借の代理に関する報酬の額 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、当該宅地又は建物の借賃の一月分の一・〇五倍に相当する金額以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該貸借の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が借賃の一月分の一・〇五倍に相当する金額を超えてはならない。 第六 権利金の授受がある場合の特例 宅地又は建物(居住の用に供する建物を除く。)の賃貸借で権利金(権利金その他いかなる名義をもってするかを問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)の授受があるものの代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額(当該代理又は媒介に係る消費税等相当額を含む。)については、第四又は第五の規定にかかわらず、当該権利金の額(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとする。)を売買に係る代金の額とみなして、第二又は第三の規定によることができる。 第七 第二から第六までの規定によらない報酬の受領の禁止 (1) 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第二から第六までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。 (2) 消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務を免除される宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し受けることができる報酬の額は、第二から第六までの規定に準じて算出した額に百五分の百を乗じて得た額、当該代理又は媒介における仕入れに係る消費税等相当額及び(1)ただし書に規定する額を合計した金額以内とする。
附 則 附 則 (平成元年2月17日建設省告示第263号) 附 則 (平成9年1月17日建設省告示第37号) 附則 (平成16年2月18日 国土交通省告示第100号) |
●宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 | ||||||
第46条第1項関係 1 告示の運用について(昭和45年建設省告示第1552号関係) (1) 告示第二(宅地建物取引業者が売買又は交換の媒介に関して受けることのできる報酬の額)関係 1) この規定は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の媒介に関し受けることのできる報酬について依頼者のそれぞれ一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の双方から報酬を受ける場合及び依頼者の一方のみから報酬を受ける場合のいずれにあっても依頼者のそれぞれ一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならない。 2) 「交換に係る宅地若しくは建物の価額」とは、交換に係る宅地又は建物の適正かつ客観的な市場価格を指すものであり、その算定に当たっては、必要に応じ不動産鑑定業者の鑑定評価を求めることとする。 3) 「交換に係る宅地又は建物の価格に差があるとき」とは、交換差金が支払われる場合等交換に係る両方の物件の価額が異なることを指し、「これらの価額のうちいずれか多い価額」とは交換に係る両方の物件の価額のうち、いずれか多い方を指す。 (2) 告示第三(宅地建物取引業者が売買又は交換の代理に関して受けることのできる報酬の額)関係 1) 「第二の計算の方法により算出した額の2倍」とは、売買に係る代金の額又は交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のいずれか多い価額)を次表の左欄に掲げる金額に区分して、それぞれの金額に同表の右欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額を指す。
2) 「当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行われる場合に代理の依頼者のほか売買又は交換の相手方からも報酬を受ける場合を指すものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額と売買又は交換の相手方から受ける報酬の額の合計額が 1) の「第二の計算方法により算出した金額の2倍」を超えてはならない。 (3)告示第四(宅地建物取引業者が貸借の媒介に関して受けることのできる報酬の額)関係 1) 前段の規定は宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して受けることのできる報酬について、その合計額の限度額のみを定めたものであり、貸借の媒介に関しては、売買又は交換の媒介と異なり、依頼者のそれぞれ一方から受ける報酬の額、割合等については特段の規制はない。(したがって報酬の合計額がこの限度額内であれば依頼者の双方からどのような割合で報酬を受けてもよく、また、依頼者の一方のみから報酬を受けることもできる。) 2) 「宅地又は建物の通常の借賃」とは、当該宅地又は建物が賃貸借される場合に通常定められる適正かつ客観的な賃料を指すものであり、その算定に当たっては、必要に応じて不動産鑑定業者の鑑定評価を求めることとする。 3) 後段の規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して宅地建物取引業者が受けることのできる報酬について、前段に規定する報酬額の合計額の範囲内において依頼者の一方から受けることのできる限度額を定めているものであり、依頼者の承諾を得ている場合を除き、依頼者の双方から報酬を受ける場合のいずれかにあっても依頼者の一方から受ける報酬の額が当該限度額以下でなければならない。 4) 「居住の用に供する建物」とは、専ら居住の用に供する建物を指すものであり、居住の用に供する建物で事務所、店舗その他居住以外の用途を兼ねるものは含まれない。 5) 「当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合」とは、当該媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者から借賃の1月分の0.525倍に相当する金額以上の報酬を受けることについての承諾を得ている場合を指すものであり、その場合においては、依頼者から受ける報酬の合計額が借賃の1月分の1.05倍に相当する金額を超えない限り、当該承諾に係る依頼者から受ける報酬の額、割合等については特段の規制はない。 なお、この依頼者の承諾は、宅地建物取引業者が媒介の依頼を受けるに当たって得ておくことが必要であり、依頼後に承諾を得ても後段に規定する承諾とはいえず、後段の規制を受けるものである。 (4) 告示第五(宅地建物取引業者が貸借の代理に関して受けることのできる報酬の額)関係 「当該貸借の相手方から報酬を受ける場合」とは、代理行為とあわせて媒介的行為が行われる場合に代理の依頼者のほか賃借の相手方からも報酬を受ける場合を指すものであり、その場合においては、代理の依頼者から受ける報酬の額と、貸借の相手方から受ける報酬の額の合計額が、借賃の1月分の1.05倍に相当する金額を超えてはならない。 (5) 告示第六(権利金の授受がある場合の特例)関係 1) この規定は、居住の用に供する建物の賃貸借の代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額については適用されない。 2) 「権利金」とは、名義の如何を問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって、返還されないものをいい、いわゆる権利金、礼金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還されない金銭はこれに該当するが、いわゆる敷金等賃貸借契約終了時に賃貸人から賃借人に返還される金銭はこれに該当しない。 (6) 告示第七(告示第二から第六までの規定によらない報酬の受領の禁止)関係 1) 宅地建物取引業者は、告示第二から第六までの規定によるほかは依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額を除き報酬を受けることはできない。 したがって、告示第二から第六までの規定による報酬及び依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額以外にいわゆる案内料、申込料や依頼者の依頼によらずに行う広告の料金に相当する額の報酬を受領することはできない。 2) この規定には、宅地建物取引業者が依頼者の特別の依頼により行う遠隔地における現地調査等に要する費用に相当する額の金銭を依頼者から提供された場合にこれを受領すること等依頼者の特別の依頼により支出を要する特別の費用に相当する額の金銭で、その負担について事前に依頼者の承諾があるのものを別途受領することまでも禁止する趣旨は含まれていない。 2 複数の宅地建物取引業者が介在する媒介について (1) 複数の宅地建物取引業者が一個の宅地又は建物の売買又は交換(以下「一個の売買等」という。)の媒介をしたときは、その複数の宅地建物取引業者が依頼者の一方から受領する報酬額の総額が告示第二の計算方法により算出した金額以内でなければならない。 (2) 複数の宅地建物取引業者が一個の売買等の代理又は代理及び媒介をしたときは、その複数の宅地建物取引業者が受領する報酬額の総額が告示第二の計算方法により算出した金額の2倍以内でなければならない。 3 双方に代理人が立つ場合の報酬について 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、法第46条第1項の規定に基づき国土交通大臣が定めているが、これは取引物件一件についての報酬の額であるので、売買等の当事者の双方が別々の宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼した場合には、双方の代理人の受ける報酬の額の合計が、国土交通大臣の定める額を限度とするものでなければならない。 4 定期建物賃貸借の再契約に関して受けることのできる報酬の額について 定期建物賃貸借の再契約に関して宅地建物取引業者が受けることのできる報酬についても、新規の契約と同様に昭和45年建設省告示の規定が適用されることとなる。 5 消費税の免税事業者の仕入れに係る消費税の円滑かつ適正な転嫁について 免税事業者については、報酬告示第二から第六までの規定に準じて算出した額(課税事業者が受けることのできる報酬の額であって、宅地又は建物の売買等の媒介又は代理に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額(以下「消費税等相当額」という。)を含むものをいう。)に105分の100を乗じて得た額(以下「税抜金額」という。)に、仕入れに係る消費税等相当額をコスト上昇要因として価格に転嫁することができる。この場合、仕入れに係る消費税等相当額は、税抜金額の0.025倍を限度とする。 なお、当該転嫁される金額は報酬額の一部となるものであって、この金額を消費税及び地方消費税として別途受け取るものではない。 6 不動産取引に関連する他の業務に係る報酬について 宅地建物取引業者が、「第三十四の二関係7」に従って、媒介業務以外の不動産取引に関連する業務を行う場合には、媒介業務に係る報酬とは別に当該業務に係る報酬を受けることができるが、この場合にも、あらかじめ業務内容に応じた料金設定をするなど、報酬額の明確化を図ること。 |