宅建業法
割賦販売の制限
割賦販売の契約の解除等の制限(42条),
次の記述は,宅地建物取引業法の規定によれば,○か×か。 |
1.宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の割賦販売の契約において,宅地建物取引業者でない買主が賦払金の支払の義務を履行しなかった場合,当該宅地建物取引業者は30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し,その期間内にその義務の履行がなされないときでなければ,賦払金の支払の遅滞を理由として当該売買契約を解除することはできない。(昭和62年・問46・肢3) |
2.宅地建物取引業者が,自ら売主となる割賦販売契約において,「買主の賦払金の支払いの延滞があったときは,売主は,催告をしないで直ちに契約を解除することができる」という特約をした場合,その特約は無効となる。(昭和56年・問48・肢4) |
3.宅地建物取引業者Aが,自ら売主となり,宅地又は建物を売買する場合に,買主Eとの割賦販売契約において,「Eが割賦金の支払を40日以上遅滞した場合は,催告なしに契約の解除又は支払時期の到来していない割賦金の支払を請求することができる。」 と定めた契約書の条項は有効である。(平成14年・問41・肢4) |
【正解】
1 | 2 | 3 | |
○ | ○ | × |
1.宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の割賦販売の契約において,宅地建物取引業者でない買主が賦払金の支払の義務を履行しなかった場合,当該宅地建物取引業者は30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し,その期間内にその義務の履行がなされないときでなければ,賦払金の支払の遅滞を理由として当該売買契約を解除することはできない。(昭和62年・問46・肢3) |
【正解:○】 ◆割賦販売契約の解除の制限 自ら売主となる宅地建物の割賦販売の契約で,宅建業者でない買主が賦払金の支払の義務を履行しなかった場合,宅建業者は30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し,その期間内にその義務の履行がなされないときでなければ,賦払金の支払の遅滞を理由として当該売買契約を解除することはできない(宅建業法42条1項)ので,正しい記述です。
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2.宅地建物取引業者が,自ら売主となる割賦販売契約において,「買主の賦払金の支払いの延滞があったときは,売主は,催告をしないで直ちに契約を解除することができる」という特約をした場合,その特約は無効となる。(昭和56年・問48・肢4) |
【正解:○】 ◆割賦販売の契約の解除等の制限 宅建業者は,買主が非業者であれば,自ら売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合,30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し,その期間内にその義務が履行されないときでなければ,賦払金の支払の遅滞を理由として,契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することはできません。(宅建業法・42条1項) この規定に反する特約<催告なしに解除できる,催告期間が30日未満,支払い時期に支払わなければ解除など>は,無効です。(宅建業法・42条2項) 本肢での特約は,<延滞があったときは,売主は,催告をしないで直ちに契約を解除することができる>ことになっていて,上の規定に反しているので,この特約そのものが無効になります。
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●条文確認 |
(宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限) 第42条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。
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3.宅地建物取引業者Aが,自ら売主となり,宅地又は建物を売買する場合に,買主Eとの割賦販売契約において,「Eが割賦金の支払を40日以上遅滞した場合は,催告なしに契約の解除又は支払時期の到来していない割賦金の支払を請求することができる。」 と定めた契約書の条項は有効である。(平成14年・問41・肢4) |
【正解:×】 ◆割賦販売の契約解除等の制限 宅建業者が,自ら売主として,宅建業者でない者と,宅地又は建物の割賦販売の契約をした場合に, 買主が賦払金の支払の義務を履行しないときは, 1) 30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し, 2) その期間内にその義務が履行されないときでなければ, 賦払金の支払の遅滞を理由として,契約を解除し,又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができません(宅建業法42条1項)。 これに反する特約は無効なので(宅建業法42条2項),本肢は誤りです。 |