税法その他 実戦篇
建物の過去問アーカイブス 平成2年・問1 −参考問題−
敷地の衛生及び安全,大規模の建築物の主要構造部
建築物の敷地,及び構造に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成2年・問1) |
1.「建築物の敷地は,原則としてこれに接する道路の境よりも高くなければいけない。」 |
2.「湿潤な土地,出水のおそれの多い土地に建築物を建築する場合は,盛土,地盤の改良などの措置を講じなければならない。」 |
3.「」 |
4.「延べ面積5,000平方メートルの建築物は,主要構造部のうち床を木造としてよい。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | − | ○ |
1.「建築物の敷地は,原則としてこれに接する道路の境よりも高くなければいけない。」 |
【正解:○】 ◆敷地の高さ 建築基準法では,建築物の敷地は,原則としてこれに接する道路の境よりも高くなければいけないことになっています(建築基準法19条1項)。 |
●建築基準法19条 |
(敷地の衛生及び安全) 第19条 建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。 2 湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地に建築物を建築する場合においては、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければならない。 3 建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これらに類する施設をしなければならない。 4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。 |
2.「湿潤な土地,出水のおそれの多い土地に建築物を建築する場合は,盛土,地盤の改良などの措置を講じなければならない。」 |
【正解:○】 ◆湿潤な土地等での盛土・地盤改良の措置 湿潤な土地,出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地に建築物を建築する場合は,盛土,地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければなりません(建築基準法19条2項)。 |
3.「−」 |
法改正により対応不能 |
●原題 |
3.「高さ15mの建築物は,原則としてその主要構造部をコンクリートブロック造としてよい。」 |
【正解:出題時は×の設定】
出題当時,建築基準法21条3項は,以下のようになっており,これに反するものとして,×の設定でした。 高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超える建築物は,主要構造部(床,屋根及び階段を除く。)を石造,レンガ造,コンクリートブロック造,無筋コンクリート造その他これらに類する構造としてはならない。ただし,特別の補強をし,かつ,構造計算によって,その構造が安全であることを確かめた場合においては,この限りではない。 |
4.「延べ面積5,000平方メートルの建築物は,主要構造部のうち床を木造としてよい。」 |
【正解:○】 ◆主要構造部 延べ面積が3,000平方メートルを超える建築物で,その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。つまり,柱・はり・壁を指す。)の政令で定める部分の全部又は一部に木材,プラスチックその他の可燃材料を用いたものは,その部分を,耐火構造又は政令で定める技術的基準に適合するものとしなければいけません(建築基準法21条2項,2条9号イ)。 しかし,床・屋根・階段については,この規定は適用はされないので,本肢は正しい記述です。 |
●建築基準法21条 |
(大規模の建築物の主要構造部) 第21条 高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、第2条第9号の2イに掲げる基準に適合するものとしなければならない。ただし、構造方法、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物(政令で定める用途に供するものを除く。)は、この限りでない。 2 延べ面積が3,000平方メートルを超える建築物(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の前項の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、第2条第9号の2イに掲げる基準に適合するものとしなければならない。 |
●建築基準法2条9号の2 |
(用語の定義) 第2条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 5号 主要構造部 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。 9号の2 耐火建築物 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。 イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。 (1) 耐火構造であること。 (2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。 (i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。 (ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。 |