税法その他 実戦篇
住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 平成2年・問33
住宅金融公庫の業務に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。 (平成2年・問33) |
1.「住宅金融公庫は,貸付けを受ける者から,貸付手数料を徴収することができる。」 |
2.「住宅金融公庫は,貸付けを受けた者が3月以上割賦金の償還をしなかったとき,又は正当な理由なくして割賦金の償還を怠ったと認められるとき,貸付けを受けた者に対し,貸付金の償還を請求することができる。」 |
3.「住宅金融公庫は,土地区画整理法による土地区画整理事業を行う者に対し,住宅の用に供する土地の造成に必要な資金の貸付けを行う。」 |
4.「住宅金融公庫の貸付けを受けて建設した賃貸住宅の家賃については,上限額の制限がある。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | ○ | ○ |
1.「住宅金融公庫は,貸付けを受ける者から,貸付手数料を徴収することができる。」 |
【正解:○】昭和61年,平成2年, ◆貸付手数料 住宅金融公庫は,貸付けを受ける者から, その貸付けに関する申込みの審査,工事の審査その他の貸付けに際して必要な事務に要する費用の額を超えない範囲内において 政令で定める額の貸付手数料を徴収することができます。(住宅金融公庫法・22条の4第1項) ●支払い方法変更手数料 (平成9年・14年に出題) また,公庫は,その貸付けに係る元利金の支払方法の変更を行う者から,その変更に際して必要な事務に要する費用の額を超えない範囲内において政令で定める額の支払方法変更手数料を徴収することができます。(住宅金融公庫法・22条の4第2項) |
2.「住宅金融公庫は,貸付けを受けた者が3月以上割賦金の償還をしなかったとき,又は正当な理由なくして割賦金の償還を怠ったと認められるとき,貸付けを受けた者に対し,貸付金の償還を請求することができる。」 |
【正解:×】昭和54年,61年,63年,平成2年,6年,8年,10年,14年, ◆繰上げ償還 本肢は,<3月以上割賦金の償還をしなかったとき>としているので,誤りです。 住宅金融公庫の貸付金の償還は,原則として,割賦償還です。しかし,次のいずれかに該当する場合,住宅金融公庫は,貸付けを受けた者に対し,貸付金の弁済期日が到来する前に,貸付金についていつでも償還を請求することができます。(住宅金融公庫法21条の4・3項)
▼上記により貸付金の償還を請求したにもかかわらず,償還をなすべき者が償還を怠った場合,公庫は,当該貸付金を担保するため設定された抵当権を実行することになります。(住宅金融公庫法21条の4・4項) |
3.「住宅金融公庫は,土地区画整理法による土地区画整理事業を行う者に対し,住宅の用に供する土地の造成に必要な資金の貸付けを行う。」 |
【正解:○】昭和52年,60年,61年,63年,平成2年,12年, ◆宅地造成に必要な資金の貸付 住宅金融公庫は,土地を造成して,土地や借地権を譲渡する事業を行うものに対して, 土地の造成に必要な資金 (併せて,住宅の用に供する土地・借地権の取得に必要な資金も) の貸付けの業務を行います。 この貸付は,会社その他の法人,これらの事業を行う地方公共団体,「土地区画整理法」による土地区画整理事業を行う者,「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」による住宅街区整備事業を行う者に対して,行います。(住宅金融公庫法・17条4項) |
4.「住宅金融公庫の貸付けを受けて建設した賃貸住宅の家賃については,上限額の制限がある。」 |
【正解:○】昭和57年,62年,平成2年,14年, ◆家賃の設定 家賃については,上限額の制限があります。家賃の額については,住宅の建設に必要な費用,利息,修繕費,管理事務費,損害保険料,地代に相当する額、公課その他必要な費用を参酌して主務大臣が定める額を超えて,契約したり,又は受領することはできません。(住宅金融公庫法・35条2項)
(住宅金融公庫法・35条・1項,2項,住宅金融公庫法施行規則・10条・1項) |