税法その他 実戦篇

住宅金融公庫法の過去問アーカイブス 平成7年・問31 災害復興住宅の貸付


災害により家屋が滅失した場合において,当該家屋に代わるべき家屋を建設し,又は購入するための住宅金融公庫の災害復興住宅貸付に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成7年・問31)

1.「再建家屋の床面積 (一戸当たりの住宅部分の床面積) が175平方メートルを超えている場合も,被災家屋と同等以下の規模であれば,貸付けの対象となる。」

2.「被災者向けの分譲住宅又は賃貸住宅を建設し,又は購入する場合は,被災家屋を所有し,賃借し,又は当該家屋に居住していた者以外の者であっても貸付けを受けられる。」

3.「被災家屋には,主として人の居住の用に供する家屋が含まれるため,一定以上の住宅部分を有する店舗付住宅も貸付けの対象となる。」

4.「償還期間を通じて金利は固定されており,激甚な災害を受けた一定の地域においては,据置期間中の金利が引き下げられる場合がある。」

【正解】

×

【災害復興住宅の出題】平成7年,11年,16年

1.「再建家屋の床面積 (一戸当たりの住宅部分の床面積) が175平方メートルを超えている場合も,被災家屋と同等以下の規模であれば,貸付けの対象となる。」

【正解:

◆災害復興住宅

 災害復興住宅は,原則として175平方メートル以下であるとされていますが,175平方メートルを超えている場合でも,建設し,又は購入しようとする家屋が滅失した家屋の原形と同等であるものであるときその他これに準ずるものと認められるときは,滅失した家屋の一戸当たりの住宅部分の床面積について,貸付けの対象となります。(住宅金融公庫法施行規則1条の4第1項)

2.「被災者向けの分譲住宅又は賃貸住宅を建設し,又は購入する場合は,被災家屋を所有し,賃借し,又は当該家屋に居住していた者以外の者であっても貸付けを受けられる。」

【正解:×

◆貸付が受けられる者

 災害復興住宅の貸付を受けられる者は,被災家屋を所有し,賃借し,または当該家屋に居住していた者に限られており,それ以外の者は貸付を受けることはできません。(住宅金融公庫法・17条6項)

3.「被災家屋には,主として人の居住の用に供する家屋が含まれるため,一定以上の住宅部分を有する店舗付住宅も貸付けの対象となる。」

【正解:

◆店舗付住宅

 この貸付を受けられるのは,人の居住の用に供する家屋主として人の居住の用に供する家屋を含む。)が滅失し,又は損傷した場合です。

 「主として人の居住の用に供する家屋」も含まれるため,一定規模の住宅部分〔床面積1/2以上〕を有する店舗付住宅も貸付けの対象となります。(住宅金融公庫法・17条6項)

4.「償還期間を通じて金利は固定されており,激甚な災害を受けた一定の地域においては,据置期間中の金利が引き下げられる場合がある。」

【正解:

◆利率

 災害復興住宅の貸付では,利率は2段階ではなく,償還期間を通じて固定されています。 (住宅金融公庫法21条1項表5項)

   利率 償還期間 据置期間
災害復興住宅の建設
又は
新築の災害復興住宅
の購入
年5.5%以内で公庫の定める率 35年以内

(耐久性を有しないものは
25年)

3年以内
新築以外の
災害復興住宅の購入
25年以内

(耐久性によっては
35年又は30年)

3年以内
災害復興住宅の補修及び
これに付随する移転
又は整地
20年以内

(据置期間含む)

1年以内

※新築以外の災害復興住宅を購入する者が,これと併せて当該災害復興住宅について優良住宅改良を行う場合の貸付金の償還期間は,「25年以内」

(改良後において主務省令で定める基準に該当する耐久性を有するものは35年以内,改良後において当該災害復興住宅に準ずる耐久性を有するものとは30年以内)

●住宅金融公庫法・17条6項
 公庫は、地震、暴風雨、洪水、火災その他の災害で主務省令で定めるものにより、人の居住の用に供する家屋主として人の居住の用に供する家屋を含む。)が滅失し、又は損傷した場合において、

 当該災害の当時当該家屋を所有し、若しくは賃借し、又は当該家屋に居住していた者が、自ら居住し、又は他人に貸すために、

 当該災害発生の日から二年以内に、

 当該家屋に代わるべき家屋若しくは当該損傷した家屋で主務省令で定めるもの(以下「災害復興住宅」という。)を建設し、購入し、若しくは補修し、又は当該災害復興住宅の補修に付随して当該災害復興住宅を移転し、当該災害復興住宅の建設若しくは補修に付随してたい積土砂の排除その他の宅地の整備(以下「整地」という。)をし、若しくは当該災害復興住宅の建設若しくは購入に付随して土地若しくは借地権を取得しようとするときは、

 これらの者に対し、当該災害復興住宅の建設、購入若しくは補修又は当該災害復興住宅の補修に付随する当該災害復興住宅の移転、当該災害復興住宅の建設若しくは補修に付随する整地若しくは当該災害復興住宅の建設若しくは購入に付随する土地若しくは借地権の取得に必要な資金を

 貸し付けることができる。

【補足】  住宅金融公庫は,

地すべり等防止法の規定により作成・変更された関連事業計画に基づき住宅部分を有する家屋を移転し,もしくは除却する場合

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 の規定による勧告に基づき住宅部分を有する家屋を移転し,もしくは除却する場合

密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の規定による勧告に基づき住宅部分を有する家屋を除却する場合

 「地すべり等関連住宅」の移転・建設,又はこれらに付随する土地若しくは借地権の取得に必要な資金を貸し付けることができます。(住宅金融公庫法・17条7項)


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